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プロローグ

新しい話を始めました。

よろしくお願いいたします。

予定調和とかお約束の展開とか、勧善懲悪な話が好きだった。

最後に正義は勝ち、悪いことをした人はその報いを受けるような話が好きだった。


だって現実はそうではないから。


正しいことが通るとも限らず、悪いことをした人がその罪を問われることもなく楽しく過ごしている。

だから、せめて架空の世界では正しい人が報われる話がいい。


本もゲームもテレビも、選ぶのはそういう話ばかり。


不憫な子が幸せになる話を図書館で借りて貪り読んで、最後に主人公が幸せになる姿を見てはそのぬるま湯のような温かな世界に浸る。

幸せのお裾分けは何も持たない私にとってささやかな楽しみだった。


だから、どうしても納得できなかったのだ。

巷ですごく人気になったゲーム『黄昏の時にあなたを想う』をやってみて。


なぜ、悪役令嬢と呼ばれる彼女はあんな運命を辿らなければいけなかったのか。

ただひたすら王太子殿下の婚約者であろうとした彼女にどんな非があったのか。


そもそも、婚約者がいる身でありながら、浮気をした上でその謝罪も無く婚約破棄にいたる正式な手続きもせず公衆の面前で罵倒した、あの王太子に非はないのか。

貴族のルールに則らず、多くの貴族子弟に粉をかけた男爵令嬢は許されるのか。


「…なんで?」


コントローラーを持つ手がわなわなと震える。

こんな胸くそ悪いヒロインとヒーローのどこがいいのかわからない。

悪役令嬢役の彼女こそ幸せになるべきなのに。


「いや、だからなんで!?」


小声でありながらそう叫んだ瞬間、なぜか目の前が急激に真っ白になって。

理不尽に対する憤りを胸に抱いたまま、私の意識は途切れたのだった。

読んでいただきありがとうございます。


少しでも続きが気になったら、ブックマーク登録や評価などしていただけるととても励みになります。


ぜひぜひよろしくお願いします。

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