表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

5.鶴の恩返し?

『…もし?もし?起きてくださいまし。』

なんでしょう、誰かが呼んでいます。

バシバシ、なんたが何かやわらかいものが私の顔を叩いているようです。バシバシ、バシバシ。しつこいです。バシバシ。

「ーやめてください!」

勢いよく私が起き上がると、そこには鶴がいました。

『やっと気が付いたのでございますね』

なんで、鶴が話しているのでしょうか。というか、何故、私の目の前に存在しているのでしょうか。これは夢?

『夢ではございません。あたくしはあの時、助けていただいた鶴でございます』

あのとき?記憶を辿ってみました。私に鶴の知り合いなどいたでしょうか。

『エトランジュの森で助けていただいた鶴でございます。たった10年前のことでございます』

「たった10年前って結構前な気がするのですが。」

『あたくしたちの寿命は千年を超えますので、人間とは感覚が違うのでごさいますね』

普通の鶴はそんなに長生きでしたでしょうか。そういえば、あの罠は魔獣用でした。

『魔獣ではございません。れっきとした聖獣でごいます』

鶴もとい聖獣(自称)は魔獣だと疑ったことに少し怒っているようです。

『あたくし、これでも恩返しにきたのでございます。タイミング良く倒れていたので、困り事もあることでしょう?』

倒れたことはタイミングがいいのかは、分かりませんが、取り敢えず恩返しに来たらしいです。

『あなた様の願いを何でも一つ叶えてさしあげます』

まじか?本当に何でも一つ叶えてくれるのでしょうか?

『はい、何でも叶えてさしあげます。偽善者で自己満足で自己肯定感高めな脳内お花畑の妹を抹殺することも可能でございますし。顔だけのボンクラ脳内お花畑の兄を真面目な頼りになる兄に取り替えることもできます。空気を読めない脳内お花畑な両親を新しい両親にすることもできますよ』

物騒な提案ばかりなのが気にかかりますが、願いが一つだけしか叶えられないのに、家族のことなんかに使うはずがありません。

『あらら、そうなのでございますね。てっきり困り事の処理を優先したいのかと思っておりました。』

私の願いはただ一つです。

「推しの飼い猫になりたいです。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ