1.私の家族①
"ジェネラル・デスロイド"
由緒正しきデスロイド家の長女として生まれました。三兄妹の真ん中で 上には4つ年の離れた兄がおり、1つ下に妹がおります。
デスロイド家といえば一族全員が美形で有名であり、兄は金髪碧眼の甘いマスクをもっており正統派貴公子としてファンクラブまであります。妹も金髪碧眼でフワフワの巻き毛と庇護欲を誘う甘く柔らかな美少女で、天使様と呼ばれ親衛隊が存在します。この中で私はある意味奇跡でした。一つ一つの顔のパーツは整っているのに、そのすべてを配置すると普通オブ普通ザ普通という顔立ちだったのです。かろうじで金髪紅眼というデスロイド家の色を持っていましたので、母の不貞を疑われることはありませんでした。
妹は幼い頃体が弱く、家族は妹中心に廻っていました。そこから私は家族から忘れさられた存在になっていきました。兄は跡取りとして尊重されており、妹が体調を崩してもそこは揺るぎませんでした。しかし、私はそうはいきません。妹に何かあれば私の誕生会であっても中止、発表会があっても家族はきません。外出の予定をしていても容赦なく潰れます。それは妹が元気になるまで続きました。その結果、私の誕生日は忘れられ、祝われることもなくなりました。
さらに困ったことに妹には悪癖がありました。周囲の方々からは慈悲深く、優しい天使様と云われている行為が、私には害でしかありませんでした。
妹はよく人を拾ってくるのです。