七話 親友!
んー!つかれたー……。
チュートリアルだけなのにもう夕方だぁ……!
何食べよう?
冷蔵庫に何かあったかなぁ?
なんか無性に青色の食べ物が食べたくなってきたなぁ……。
青い食べ物って何があるかなぁ?
そう思いながらリビングの台所に行って冷蔵庫を開ける。
中にはナスとトウモロコシ、人参とレタスなどがあった。
青色ってやっぱ無いよねぇ……。
「んー……、野菜炒めでもつくろ」
数分後。
「よし! でーきた! いただきまーす!」
もぐもぐ……、うん! おいしー!
わたしが夕ご飯を食べていると机に置いていたけーたいが震えた。
「もしもしー?」
開いて画面を見ると、どうやら彩からだった。
「ごめん、光! 遊べなくなっちゃった!」
「え?」
「今日の朝さ? おばあちゃんちから帰ったら遊ぼうっていったじゃん? 日帰りのはずだったんだけど、泊まることになっちゃって」
「ほうほう」
「一週間ぐらい遊べない! ホントごめんね!?」
「別にー? いいよー?」
「ごめんってばー! 拗ねないでよー!」
「んぅふっ! 拗ねてないよ?」
「ゴメンねー? ホントにー。なんか一ヶ月ぐらいこっちに居なくちゃいけなくて……、一ヶ月経ったらちゃんと遊ぶから! ね!?」
「わかった、わかったー。しょうがないから一人で遊びますよー」
「ゴメンって!」
「ううん、大丈夫。からかっただけだよ」
「もう! ……それじゃあ、そろそろ切るね。配信頑張ってね?」
「うん、ありがと。じゃねー」
そう言ってケータイを閉じた。
そっか……一ヶ月ぐらい一人かぁ……。
……よし!配信がんばろ!
¥¥¥¥¥
翌日の昼。
ご飯を食べたあとに配信を始めた。
「見えてるー?」
噴水広場で座って、足ぶーらぶーら。
《見えてますぜ》
《見えるよー》
《どもども》
《いちごちゃんかあいい》
「よーし! なにしよー?」
天高く手を伸ばし拳を握る。
《ズコッ!》
《おいおい》
《なにすんのー?》
《かあいい》
《ふぅ……》
「そだ! 街まーわろ!」
んしょ、と。パッと地に立った。
《なるほど》
《散歩か》
《はじまりの街は入り組んでるからなぁ》
《迷子……ハッ! 閃いた!》
《通報した》
「まずは……えーと……」
どこ行こう? そもそも何があるんだろう?
「街を回るならまずは武器屋だぜ」
悩んでると不意に声をかけられた。
「ぶきやー?」
「あぁ、武器屋だぜ」
なんで武器屋……?
「武器屋かー」
「おう、武器屋だぜ!」
《なぜ武器屋なのか》
《武器屋ってなんかあったか?》
《いや知らん》
「武器屋……」
「武器屋だぜぇ!」
「うーむ……」
「武器屋だぜぇぇぇ!!?」
《なにこいつうざい》
《わかる》
《ロリコンかよ》
《wwwwwwwwww》
《お? 誰か来たぞ》
「あ、いたいた! クラガなにしてんの……さ……?」
「ん? お、ネノじゃん」
「ん? じゃねぇ! こっち来い!」
「な、なんだよ……。あ、ちょ。耳引っ張んな! 痛くないけど痛い!」
「ごめんね、ちょっと待っててね」
《なんだなんだ》
《忙しねぇな》
《うざいやつが引っ張られてるwwwww》
《なんだったんだ》
「え? なに? どゆこと?」
《なんだぁ?》
《あ、帰ってきた》
「ごめんね。お名前なんて言うの?」
「わたし? わたしはいちごって言うよ! おねぇさんは?」
「アタシはネノ。そこのロリコンはクラガ。よろしくね」
《辛辣ゥ》
《wwwwwwwwww》
《おぱぁい……》
「ロリコンってひどくね!?」
「うっさい、そもそもこんな幼気な少女に話しかけんな。このロリコン」
わたし……幼気な少女なの……?
「そんな冷めた目で見んなや!」
《草》
《なにやってんだか》
《仲いいなぁ……》
《リ……リアジュッ?》
《コントかよ》
「わたしもう高校生だよ?」
「えっ!?」
「エッ!?」
「えっ?」
《おもろ》
《人間って……オモシロ》
《やめい》
《ですのですの》
《こらこら》
¥¥¥¥¥
「なるほど、街を回りたいのね」
「うん! で、クラガさんが武器屋がいいって」
「クラガー……?」
「ぴょっ……、ぴゅ~……」
《誤魔化し方よ》
《漫画かな?》
《口笛下手くそぉ!》
《wwwwwwww》
《あんらま》
「ま、いいか。じゃ、まずは武器屋行く? いちごちゃん」
「うん! それでいいよ!」
「じゃ、武器屋行ったらアタシがオススメするお店に行こうね」
「はーい!」
オススメのお店ってなんだろー?
「お前のほうがロリコンじゃねぇか……」
「あ? なんか言ったか?」
「いえ! 何も行ってないっす!」
「あ、そう」
《ネノさんこえぇ》
《wwwwwww》
《まじでコントかよ》
《ブッフォ》
あ、そうだ!
「ねね、二人はどんな関係なの?」
「え? ん〜……」
「そりゃもちろん!」
わくわく。
「腐れ縁かな〜?」
「親友だぜ!」
《おや?》
《これはひどい》
《あわねぇなぁ》
《結局どっちなんだ》