三話 ポチッとな!
光の道を進むわたし。
一瞬、空気が震える。
「わわ!?」
びっくりして目、閉じちゃった!
目を開けたらなんか教会の中みたい。
「なんだろー?今の」
「オ、嬢ちゃんも体験したか」
後ろから声が聞こえてきたから振り返る。
「だれー?」
とりあえず聞いてみる!
「オレか?オレはライテルっつんだ、よろしくな!嬢ちゃんの名前は?」
ライテル?ライテル……くん?さん?
うーむ……。
「わたしはいちごだよ!よろしくね!ライテルくん!」
「オウ!よろしくな!いちごちゃん!」
「うん!」
自己紹介をして、周りを見渡しながら聞く。
「そういや……ここってどこなの?」
「ここか?ここはな」
「カード神殿だよ」
ライテルくんの言葉を遮るように言われた。
声の元を見ると不思議な青年が……。
「カード神殿?」
教会じゃなくて神殿なの?
「そうだよ。キミはコレクターだね?キミの部屋はあそこだよ」
そう言って遠くの扉を指差す。
「コレクター?部屋?」
「あ、そうそう。ここでお祈りすると一日一枚カードがもらえるよ」
お祈り?ってなんだろ?
「そうなんだー!ところでだーれ?」
「僕かい?そうだね、僕のことはカード神父とでも呼んでくれないかい?」
カード神父っていうんだー!
「じゃあ、しんぷー!」
「それでは、僕はお暇しますね。では」
そう言ってしんぷはどこかに行った。
「ナンだぁ?今のイベントはァ……?」
「ねね、ライテルくん。コレクターとか部屋ってなにぃ?」
気になってたことをライテルくんに聞いてみる。
「ん?あぁ、コレクターってのはオレたちプレイヤーのことだ。んで、そのプレイヤーには一人ひとり部屋がもらえるんだ」
「ふむふむ」
「そんで、さっきのはノンプレイヤーキャラクター。いわゆるNPCってやつだ」
「なるほど!」
「なあ、いちごちゃん。フレンド登録しないか?」
「フレンド登録?いいよ!でもフレンド登録ってなに?」
「おいおい……、知らないのにいいよって言うなよ……。フレンド登録ってのはフレンド、つまり友だちだ。友だちを登録して、ログイン状況とか連絡を取り合えるんだ」
「へー!」
そんな機能があるんだー!
最近のはハイテクだね!
「それじゃ、フレンド登録するか」
「はーい!」
ちくたくちくたく!
ここをこうして……こうだ!
「うし、できたな」
おおー!
「うん!ありがと!」
「そいじゃ、オレはそろそろログアウトするわ。じゃな、いちごちゃん!」
「うん!色々教えてくれてありがと!また困ったら連絡するよー!」
「オウ!そんじゃなー!」
そう言ってライテルくんは消えていく。
「ひまになっちゃったなー」
なにしよー?
あっそうだ!
部屋に入ってみよー!
てくてく!
「ふんふーん♪」
鼻歌を歌いながら扉を開ける。
ガチャ!
「あれー?なんにもなーい」
中は殺風景な部屋。
家具はあまり置いておらず、木目の壁と床。
唯一置いてあった家具は木でできた机と椅子。
わたしは流れるように椅子へと座る。
「んしょっと!」
少し高い椅子に跳んで座り、足をぶらぶらさせる。
「なにしよー?うーむ……」
なーんか忘れてるような?
なんだっけ?うむむ……。
「あ!配信するんだった!」
えへへ、忘れてた!
配信するにはどうするんだろ?
えっとー……ここをこうして……。
で、ここを押すのかな?
ポチッとな!