一話 プロローグ!
ポチッとな!
「みんなー見えてるー?」
見えてるかな?
《ガチ恋距離やめてちょ》
《みえてるよー》
《いっつものこっと!》
《みえてんぜ》
ここはカード闘技場!
おじさんを倒すために今日も配信をはじめたんだ!
「おじさん!対戦だー!」
対戦だあ!
「何度も言ってるがおじさんじゃねぇ……」
《おじさんどんまいwwwww》
《この子にとって俺たちはおじさんだー!》
《いやいや》
《わし、女やけども》
《知らん!おめぇもおじさんだ!》
《ええー……》
《wwwwwwww》
「よーし!今日もがんばろー!」
おー!
《ガンバエー》
《また負けそ》
《ふれーふれー》
《いちごたんかあいい》
《ファイト!》
「みんなありがとー!がんばるよー!」
「はあ……じゃ行くぞ『カードセット、オープン』!」
『カードバトルスタート!』
¥¥¥¥¥
「ひまだー!」
みんなおはよ!え?何してるのかって?
あはは。いやね、ちょっと暇でねー。
わたし、高校生何だけどね?
一週間前から夏休みが始まったのよ。
でね、暇になっちゃったの。
え?勉強?
昨日までに全部やっちゃったからね、なんにもすることなくなっちゃったの。
「どーしよーかなー、なにしよーかなー」
ベッドでごろごろしながらわたしは考える。
友達呼べばいいじゃんって?
いやー、それがねー?
友達みーんな旅行とか遊びに行ってるの。
わたしが誘っても断られちゃうのよー。
あー困った困った。
「あっ!そうだ!」
忘れてた!
ベッドから飛び起きて電話をかける。
「もっしもーし!」
電話をかけたのはわたしの親友!
「もしもし?ひかりー?どした?」
出た出た!
ベッドに座って話しかけた。
「ねーねーあやぁ、ひまだよー!あそぼー?」
遊べるかなー?
「暇なの?」
「うん!宿題昨日で終わっちゃったし!」
「あっそう……。だから暇なんだ」
「うん!遊べない?」
どうかなー?
足をぶらぶらさせながら聞く。
「あー……えっとねー。ごめんね」
「えー?遊べないのー?」
「なんかね、急におばあちゃんちに行くってなっちゃって。家族はみーんな行くつもりだからあたしだけ残れないし」
ありゃりゃー。
ぶらぶらさせてた足を止めて言った。
「そっかー、ざんねーん!」
「ごめんねー?」
「ううん!いいよー!気にしないでー!」
「あ、そうだ。ちょっとまって」
電話が一旦ミュートになって声が聞こえなくなる。
「どうしたのー?」
「ごめんごめん。ねぇひかり、ゲームしない?」
「げーむぅ?わたしげーむなんてしたことないよー?」
わたしは生まれてこの方アナログ派だからね!
「大丈夫大丈夫!なんとかなるから!」
「えー?」
「ゲームの内容はカードを使うゲームだよー、VRゲームだね」
「ぶいあーるげーむ?げーむ機持ってないよー」
どうしよーかなー?
「なーに悩んでんのさー?あたしが上げるよー」
「えー!?そんなわるいよー!」
「なーんてね!」
「えー?」
なんだろ?
「実はねー」
カクカクシカジカ!シカクイカード!
「えー!そうなんだ!」
「そそ、だから大丈夫だよ」
「もー!びっくりしたよー!」
驚いたじゃーん!ぷんぷんだよー!
「ごめんごめん。それでね、ゲーム機は大丈夫だから」
「そっかー。じゃあ"わたし一人"でかんばるよー!」
「一人っての強調して言わないでよー」
「えへへー」
仕返しだよー!
「ごめんってばー!おばあちゃんちから帰ったら一緒にしよう?」
「うん!」
「ソフトはゲーム機と一緒に送るからねー」
「はーい!」
楽しみー!
「あ、そうだ!一人が寂しかったら配信するっていう手もあるよ?」
「配信?」
「そそ。最近のゲームには大抵、配信ができる機能があるらしいからねー」
「へー!」
へー、そうなんだー!
「だから配信するってこともできるよー?」
「じゃあ、わたし配信しよーかなー?」
「配信する?いいよいいよ!しなよ!」
「うん!やってみる!」
もっと楽しみになってきた!