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恋とオタクは交わらない  作者: カムカム lemon
2/8

2話 友達とは

俺は家に帰り今日の事を録画しておいた深夜アニメを見る傍考えていた。


[はぁ、友達になったけどこれからどうしよう。てか友達って何するんだ?男子の友達の晴人とはゲーセン行ったりするけど、女子の友達は過去に1人……と真白?いやいや、真白は幼馴染であって友達ではないし、うーんまあ、特にこれと言ってすることもないか考えるだけ無駄だよな。だって早乙女さんは人気者だからあまり関わらないだろうし。]


3次元美少女改め早乙女(さおとめ) 美咲(みさき)さんは授業の10分休み中ずっとクラス問わず多くの男女に囲まれていた。

まあ、美少女の特権でもあり災難な所なんだろうと眺めていたが早乙女さんは笑顔で対応してたのであれはあれで楽しそうなのでよかった。

俺はそんな彼女の1人の友達でしかない。いうならば友達AからZまでいる中の友達Xくらいの立ち位置でしかないんだ。

友達Zだと悲しいから最後から2番目にした訳じゃないんだからね!!


そう考え優斗は一先ず撮り溜めしていたアニメをあらかた見終わり12時ちょうどに布団に潜り瞼を重力に従い落とす。


次の日教室に着き席に座ると早速晴人に声をかけられる。


[よっ、優斗おはよう!今日も彼女と登校ですか!!暑いですねー]


茶化すように晴人はニヤニヤしながら煽って来たので踵で晴人の足を踏んだ。


[そんなわけないだろ、真白とはただのお、さ、な、な、じ、み!ていうか真白なら彼氏の1人か2人いるだろ]


[いや、わかんないよ、優斗のこと好きかも知らないよーー]


晴人は肩組を施しつつ嘲笑いながら語る。


[いやいや、それはないし多分断るよ]


[な、なんで!?あんなに良い女子いないでしょ!優斗君はもうちょっと自分が恵まれていることに気づくべきだよ、あんなSラン女子と幼馴染なんて宝くじ10回連続で1等当てるレベルの運生まれた瞬間使っちゃってるよ]


いや、ならその運他で使いたかった。

いや、嘘多分真白が幼馴染じゃなかったら『あの時』俺は死んでいたかも知れないからある意味運いいな。


[いや、まあ真白はいい奴だよでも俺にはさいるから]


[な!?え?まって?そ、そんな事、お、お前、、う、嘘だろ]


[え?そんな驚くことか]


俺はそんなに驚かれると思っていなかったので呆気に取られていると晴人は俺の肩を揺らして来た。


[だ、誰だよ!教えろよ!!おいおいはやく]


[優くん彼女いるの?]


そんな話をしていると真白が俺の席に向かって来ながら魂が抜けているのかと思うほど窶れた顔で聞いて来た。


[あ、あぁそうなんだ!ごめん2人に黙ってた正直に言うよ]


みんなの乗りに合わせて深刻そうに言うと


[あーなんだ!言わなくて良くないか]


と、晴人が止めて来た。理由はわからないがそれでやめるほど俺の決意は貧弱ではないので話を進める。


[ごめんあんまり大きい声では言えないからちょっと顔を近づけてもらっていい?

魔法少女マジかのマジかちゃん]


[えーーー]


[はぁ、だと思った良かったよ優斗、後俺はさくらちゃんかな]


2人はそれぞれ真白は怒り顔で晴人はさっきとは違いにやけ顔で言ってきた。


[ちょっと、優くん!!]


[いや、ごめん、なんか雰囲気的に言いづらくて]


なんかこれ以上この空気で会話していると流石に気が重いし、周りがなんだなんだとこちらに感興の目を向けてきていたので


[あ、そう言えばトイレ行きたかったのかも]


と、咄嗟に虚構を吐きトイレへと向かう(逃げる)。


[いや、まずなんでトイレ行きたいかもって確定してないんだよ]


後ろからそんな声が聞こえたが今はまっしぐらに邁進する事しかできなかった。正直怖い。

足軽の如く早足でトイレに直行していると曲がり角の差し当たりで


[きゃっ]


[うわっ]


丁度曲がるタイミングが合ってしまい前から来た人とぶつかりそうになった。

いやポプ●ピかよと心の中で1人ツッコミつつ

慌てて相手の安否を確認するために一瞥するとそれはそれは今一番俺の学校生活に置いて難点である、早乙女さんだった。

それでも、おじいちゃんから『女子が困っとったら助けにゃあかん!』と昔から強く念押しされていたので手を差し伸べる。


[ごめん、大丈夫?]


と、出来る限り優しい声色で言うと早乙女さんもこちらに目を向け『いえ、こちらこそ』と、手を握り返してきた。

早乙女さんの手は創造以上に小さくとても柔らかな感触だった。

女の子ってこんな手をしてるのか、へー、いや待てこれ思考変態じゃね?と我に返り頭を振りながらそんな邪念を振り払った。


[大丈夫なら良かった、ではまた!]


さっきまでもトイレ(安全地帯)に行きたかったが正直今は気まずさ400倍が加算され今すぐにでもトイレに行きたかったので逃げる様にトイレへと足を運ぶ。


[ま、待って下さい!]


[な、何?]


えーやだやだ、美少女からの呼びかけほど怖いものないって、と思いつつも声には出さず

簡潔に聞く。


[あ、あのお詫びの件なんですが、]


お詫び?あー昨日なんかそんなこと言ってたな。


[いや、大丈夫大丈夫!]


[いや、でも、、、]


[いやいや、お詫び目当てに助けた訳じゃないし、]


[ないし?]


早乙女さんのキラーパスに一瞬戸惑う。


[…早乙女さん小動物系の愛敬があるから一個人の意思で助けたいなって思って助けただけだから]


そして1番はなんか美少女からお詫びをされるなんてクラスメイトいや、全世界の人にバレたら多分殺される。しかもそれに加えてその相手が俺だよ?正直マジで見栄を張ってるなんて思われてるかもしれないけど本当に3次元に萌えない俺なんかにやるならもっと晴人見たいなイケメンにやった方が双方の特になる。これこそ一石二鳥や!


[そ、それでも]


ここまで否定して見せると早乙女さんは少し悲しそうな顔付きで下を向いてしまった。


[やっぱり私に何かされても困るだけですよね、、、]


続けて哀愁漂う顔で己を卑下しだす。

俺はさっきまでは断らないと殺される思考だったが今は悲しませたら殺される思考になりすぐにさっきの考えを更地にする。


[いや、ごめん見え張った]


[え?]


[本当はさ、あの時…]


[あの時?]


[助けた時、さっきの事は嘘じゃないけど半分は見返りを期待してたんだ]


正直ダサい事を言ってるのはわかってる、そもそもなんだよ見返りを求めて美少女救うってただの屑じゃん、しかもそれを本人に言うって、自分で言ってて笑えてくる。


[な、なんでそんな事?]


た、確かに俺は早乙女さんの言葉に納得してしまった。一般男子ならなんかお近づきになりたいからとか色々理由はあるだろうけど

今の優斗はこの窮地を脱する事で精一杯だったのでそんな一般男子の理由が思いつくわけでもなく、またおじいちゃんの言葉が脳裏に蘇る『優斗、もし女の子との会話で困ったらとにかく褒めちぎるのじゃ!』

おじいちゃんに『ありがたや』と両手を擦り(生きてる)少し思考を巡らせそして口を開く


[そ、それは早乙女さんが小動物的なかわいさだけじゃなくてそれに加えて単純に俺の理想の顔と性格しててさ、そんな子に恩返しされるって思ったらつい、いや、ごめんやっぱり何でもない]


途中で行き詰まる。3次元には萌えないそれは確かだしこう話してても動悸が激しくなったり気分が高調したり全然しない、だが、単純に神に作られた身としてこれ以上の恥さらしは消滅に等しいと体が判断して本能的に体が口が閉じた。


[そ、そ、そ、そんな事]


俺がそんな羞恥を晒して黙ると頬を少し紅潮させた早乙女さんが顔を両手で隠しながらたったったと足音を立てながら教室に走って行ってしまった。

嫌われたな、よし!それに正直助かった、多分この先キモいさらにはしねなんて事を言われたら流石に3次元に執念も何もない俺でも多分1週間は立ち直れないマジで!俺はふうと少し深呼吸してからトイレ(安全地帯)へと改めて体を動かす。

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