1話 隣の席は3次元美少女だった。
[ふぁぁ、なんだこんな朝早くに]
カーテンの隙間から光輝が覗かせているベッドの上。
新高校生である 藤咲 優斗は目覚ましではなく[ピーンポーンピーンポーン]と部屋中に響鳴るチャイム音にて腑抜けた声と共に目を覚ました。
時刻は6時30分、どう考えてもチャイムの主は非常に失礼なやつなのは確か。一瞬まさか借金取り?という軽薄な妄想を浮かべ背伸びをした後気怠い体を動かしながらインターホンを覗きこむ。
そこには中学の頃家が近いという理由でよく一緒に学校に登校していた幼馴染の夏川 真白がインターホン越しでこちらを見ていた。
優斗は1人暮らしで深夜アニメを親に隠れずに見たり、爆音でアニソンを流したいと言う念願の夢を叶えたかったので県内屈指の進学校に行く事を条件にめちゃくちゃ勉強して入試次席で入学する事になってマンションに一人暮らしをしていた。
次席なのは新入生代表になりたくないから自分なりに不正解を作り出した結果。
そのため何故ここに真白が居るのかわからなかった。
理由を聞くため廊下を抜け扉を開ける。
[なんでここに真白がいる?]
一先ず訝る目で真白が何故ここにいるのかを問う。
[それは、優くん1人にすると何するかわかんないでしょ?だからママに頼んで優くんの隣の部屋を借りたの]
一瞬そんなに心配されてるのかと思ったが中学までの日常を俯瞰すると実際にこれまで真白には特に弱い朝起こしてもらって何回も遅刻という悪行から何度も助けてもらったり他にも色々窮地から救って貰っていた。
[俺的にはありがたいけど真白にも真白の人生があるしそこまでしなくても良いんだぞ?]
[でも、心配だから、、、、それに優くんのそばにいたいし(ボソッ)]
後半は聞こえなかったがそう言いつつ真白顔を少し赤らめていた。
それから真白は手に持っていた木でできた四角形の入れ物を前に出してきた。
[····ん?]
[優くん、ご飯食べた?私一応優くんがもし食べてなかったらと思ってサンドイッチ作ってきたの一緒に食べない?]
はぁ、真白は本当にお世話焼きだなこれじゃあ自堕落な人間になってしまうと思いつつも、[ありがとう]と呟き一緒にその木箱から出てきた宝ではなくサンドイッチを真白をリビングまで上げて早速口に運んだ。味は真白にはたまにお菓子など作ったものをお裾分けという体で何度かもらったがやはりご飯もお菓子と同じでとても美味しい!味は全部でレタスハムとツナそして卵と全てtheサンドイッチの大堂と思える3種のバリエーションだがどれもレベルが高く、手が止まらない。
[そう言えば優くん一人暮らしになってから余計に部屋がオタクみたいになってない?]
サンドイッチを頬張っていると真白がリビングの奥のオタ部屋と自称する部屋に目を向けながら少し心配顔でそう投げかけてくる。
[まあ、確かにそう言われるとそうかもな、これまでは親といういわばストッパーみたいな役目がいたけどいなくなったからなこれからは2次嫁と共に過ごせるんだ!!]
[ふーん、そうなんだ]
決意を示すとなぜか真白は罰が悪そうに返して来た。
そう、以下のやり取りの通り俺は世間一般に言われるアニメオタクなのである。正直世間のアニメオタクに対する世論は[インキャ][童貞][3次元の避難者の末路]など辛辣であるが俺はそれとは逆に誇りに思っている。
よく短所も見方を変えれば長所という考えがあるそれを考慮して上3つの例を長所に変えると[伸び代あり][安全人間]
[2次元にも居場所あり(3次元に居場所があるとは限らない)]であり、これはアニオタにしかないパーソナリティでもあることから考えアニオタ最強と言える。Q.E.D証明終了。
そんな考えを頭に浮かべて学校に向かった。学校に着くと何故かうちの2年5組(真白も同じ)に多くの野次馬が集まっていた。
何を見ているのかちょうどそこにいた中学から友達の鈴木 晴人に聞いてみると何やら可愛い子がいるとか何やら。
優斗は2次元の女の子にしか興味がない2次オタのため正直あんまり3次元の少女に興味が湧かないたちだったので無視して、黒板に貼ってあった座席表の中から自分の席を真白と共にどこか探すと、窓際の一番後ろそうあの3次元の美少女の隣になってしまった。
とにかく立っているのがしんどかったので[なんかやだな]と思いながら渋々座る事にした。
座っていると案の定周りからの[恨めしや、あいつあんな可愛い子の隣の席なんてなんて羨ましいんだ!]とか僻みの目で見られてとても嫌だったので席についた瞬間すぐに必殺[寝たフリモード]に入った。
俺の寝たふりは神がかっているとよく古参に褒められたくらいの物なので(よしこれで3次元美少女とは話さないと周りの野次馬に伝えられるだろう!)と、考えていると
[はぁ?あんな可愛い人の隣になったくせに寝るとかやばすぎだろ、あれが猫に小判というやつか]と、何故か怨嗟を言われた。
いや、話しても話さなくても怒られるんだがと内心呆気に取られながら朝のホームルームを待った。
それから、数分が経ち朝のホームルーム開始のチャイムが鳴ったため野次馬が居なくなっていった。
居なくなったのを確認して顔を上げると
[さっきはすいません]
みんながいなくなってから隣の席の3次元美少女が何故か詫び入ってきた。
[いやいや大丈夫だけど、勝手な意見だけど単純に容姿が良いだけで好意を向けられたりするのって大変そうだよな]
彼女の事は知らないがアニメやラノベで美少女にありがちな事を小声で呟いた。
[そうですね、1回も話した事ない人や見ず知らずの人なんかにも良く告白されたりするんですよね]
[こんなんなら普通の容姿でよかった(ボソッ)]
ブサイクはブサイクで大変なのに、美少女は美少女で大変とかやっぱり3次元こぇー。
それに比べて2次元ならそんな時すぐに主人公の[イケメン]男が来てブサイクはメガネ外して髪切ったら可愛くなって、美少女は男に襲われそうになっている所助けられて付き合ってどちらも上手く行くのにだから誰も幸せにならない3次元より2次元が好きなんだ、、、。
美少女とそんな他愛のない話をしているとホームルームが終わった。
今日は、初登校という事で3時間で終わるというなんてラッキーな日なんだ家に帰って録画しておいた深夜アニメを見ようとワクワクしていると3次元美少女がこっちを見ていた。
[3次元びし····あ、何か用?]
あっぶねーあと少しで3次元美少女という痛い発言をしてしまうところだった。(一応みんなにはアニオタとバレないようにしている)
[あの、1つお願いしたい事があるんですけど聞いてもらえませんか?]
俺にお願いまさか壺かえとか絵買えとか?2次元美少女にたまにいるそっち系のやつかぁぁーきちぃー
[お、お金ならあんまりないからやめた方が]
[え?何言ってるんですか?]
あ、やばい2次元と3次元を同じにしてつい吐露してしまった。
なんか訝しる目で見てるしこれが1次元の差か、、(;ω;)
[まあ、面倒くさくなくて俺にも出来る事ならいいよ]
[今日教室に向かう途中に放課後屋上に来て欲しいと言われてて]
[良くある事じゃないの?]
[いやそれが今回の相手が3年生なんですよ]
いや、入学直後に告白してくる先輩って、ここ一応私立の有名進学校じゃなかったっけ?
なんかちょっとこの学校不安になってきたぞ!関わらないぞ!
[確かにそれは怖いな、まあ良いけど何をすれば良いの?]
それはそれで面倒だなと思いつつも自分的最も3次元で信用しているおじいちゃんから[女子が困っとったら助けにゃあかん!]と、念押しされていたので綽々了承する。
[もし何かされたら先生を呼んで来てもらうだけです。もちろんお詫びもします。]
まあ、別に家帰ってもゲームしたりアニメ見たり怠惰するだけだし良いか、それにこれから1学期中はどうせこの厄介美少女の隣だろうから少しでも話しやすくなった方がいいだろう。
[わかった。でも、もし遅くなって最悪の事態になったとしても俺は[絶対に]責任取らんからな]
[はい、大丈夫です!もしそうなってもあなたの事を恨んだりはしません!]
そして、時間は経ちついに放課後
俺は3次元美少女の後ろについていき屋上に続く階段辺りで待つという作戦を立てていたのでそれを遂行すべく俺は屋上に続く階段が見えるくらいのところにある物陰に潜む。
そして、数分後屋上に続く階段に3年生らしき人が3人いや4人きた。
3年の後に付き屋上の扉まで行き俺はこの時点で何か起こるだろうなと思い[ポチっ]とボタンを押した。
[それで先輩何の御用ですか?]
[ねえ、君可愛いね僕と付き合およ!]
[ごめんなさい無理です。]
案の定呼び出し理由は告白であり3次元美少女はそれを慣れた動作で頭を深く下げ断る。
[ふーんそうかまあそう答えるよねなら仕方ないよね!おいお前ら]
告白が拒否された直後に告白したボスっぽい奴が顎で残りの3人に指示をすると手慣れているのかすぐに3人は3次元美少女を囲み手足を掴んだ。
いやいや、漫画に出てくるtheチンピラじゃねえか存在したんだな珍しいから写メ撮っとこ[パシャリ]。
てか、襲われたってことはそろそろ主人公登場じゃんか!
俺はそんな事を考え[主人公のイケメンはまだかなw]と来るはずがないイケメンに期待しつつ
正直めんどくさそうだからこうなって欲しくなかっただけど、このまま何もしないと文句言わないと言っていたがもう話す事は出来なくなるかもしれない=ペン忘れたり教科書忘れた時に貸してもらったり見せてもらい辛くなってしまうそれはよく忘れる俺からしたら日常に支障が出るレベルなので絶対に阻止しなければならない事から助ける事にした。
だが俺は先生を呼ぶためわざわざここから1階に降りるのがめんどくさかったらから、自分で出て行った。
[すいません取り込み中失礼ですが何してるんですか?先輩方]
[あ?なんだよてめー]
[こっちが質問してるんです?で、何をしてるんですか?先輩]
[てめー今見たこと誰かに言ったら殺すからな後、今すぐここからされ]
[はぁ、わかりました去りますね]
3次元美少女が涙目で僕の方を見ていてここで行ってしまうともし3次元美少女が俺が見捨てたと言いふらしたらそれこそ学校生活が終わって終うため仕方なく写真を1枚撮りある言葉を付け足した。
[じゃあ早速先生にこのとても[良い]写真渡しにいきますね]
[て、てめー聞いてなかったのか?殺すって言ったよな耳聞こえてねーのか]
[じゃあ僕の何してるんですかを2回聞こえていなかった先輩は相当耳がいっているんですねw若いのにかわいそうにw]
口元に手をやりプププと哀れなものを見るめでやると、ボスっぽい先輩は赤面させながら
[てめー舐めてんのか!?おいお前らこいつをボコボコにしてやれ]
と、指示した。
赤面先輩が再度顎で指示すると3次元美少女を掴んでいた内2人がこちらに向かってやってくる。
[先輩、今の発言しっかり録音させていただきました。]
と言いつつスマホの録音画面を向ける。
[あ?だからなんだボコボコにした後お前のスマホを壊せば良いだろ?]
[ダメ!逃げて]
3次元美少女が綺麗な茶色い目に涙を含ませながらきえいるような声で言ってきた。だけど俺は逃げない。
てか、逃げて良いの?なら逃げるけど良く無いでしょそんな涙目になって[はぁ俺も甘くなったな]と内心自嘲しながらまず、はじめにきた3年生のがたいのいい奴の右手ストレート攻撃を軽々交わし腰を捻って思い切り顔面に蹴りをかますそして、すぐ後ろから走ってきた3年生のまたがたいのいい先輩の真っ直ぐ伸びる拳を手の甲で弾いて流しガラ空きになったお腹にパンチを喰らわせる。そうすると先輩達2人は仲良く悶絶しその場で倒れる。
[ちっ何者なんだよてめー]
[どうします?今なら彼女と俺の視界に今後一生入らないと誓うならチャラにしてあげますよ先輩?]
そういうとめちゃくちゃ悔しそうに相手のボスと思われる先輩はすぐさま手下と思われる奴を連れて逃げてようとするので
[チッむりだったか、なら次は別の獲物。なんて考えない方が良いですよ!この写真は残しておくつもりですから!]
大きく聞こえる声で言うと[チッ]と小さな舌打ち音と共に男達は屋上を後にした。
なんだよこんなチキンなら最初からこんな事しなければ良いじゃんと思って用も済んだ事だし、俺は何も言わずに去ろうとした。
そしたら、突然3次元美少女が俺に抱きついてきて
[あじがどうございまぁす]
と、泣きながら言った。
[いや、俺3次元萌えないからマジで勘弁しいんだけど、てか服がぁぁー]と思いながらもヨシヨシと頭を撫でてやった。
そして、5分後くらいに3次元美少女が泣き止んだのか。
俺から一旦離れて頭を下げながら
[あの、本当にありがとうございます!]
と言って来た3次元美少女の目尻はまだ少し紅色だった。
まだ真正面から3次元美少女の顔を拝んでなかったが実際に見てみると茶色く大きい目を筆頭に顔全体がバランスよくそれに足され肩まで伸びる天使の輪っかが見えるほど艶やかな亜麻色の美髪。
多分2次元美少女という、理想を形にした存在(神)がいなかったら俺は好きになっていたかもと思った。
かもだからかもそこ重要!!important!!
[落ち着いたか?]
[はい]
そして次は少し頬を薄ピンク色に染めながら俺に向かって突然
[[まず]は友達になってもらえませんか?]
と突然意を決した声で言って来た。
正直に言うと普通の男子は飛び跳ねて喜んで是非とでも答えるんだろうけど2次オタ目線で行くとこんな厄介で取り扱いが難しそうな3次元のしかも美少女と設定を付け足しすぎて他キャラ(同じクラスの女子)から反感を買いそうな美少女と仲良くしたいかって言われるとどうかと思う所がある。
しかし、ここで嫌ですなんて答えたら男子達から猛攻撃が来ることは火を見るより明らかだったので、もう諦念して
[·······良いよ⤵︎]
と、悲壮感漂う声色で答えた。
物陰の寂しさをなくすには光が必要なんだよな
初めて書いた作品です。面白いと思って頂けたら嬉しいです。
誤字脱字が御座いましたら教えて頂けるとありがたいです。