96地面修復とおにぎり
次の日は朝からロガーがジャンプして破壊した地面を、ロガー本人が直すところを見学しました。自分で壊して自分で直す。いつもの事だってペインおじさんが言ってました。
ロガーが腕を上げてから地面に手を付きます。それからロガーの手元が少し光って、ゴゴゴゴゴッ!! かなり地面が揺れだしました。お父さんにくっついて倒れないように気をつけて、その揺れが治ったと思ったら、また地面が揺れ始めました。次の瞬間、ゴガガガガガッ!! 地面が盛り上がって凹んでた地面が平らに。すぐに元通りみたいになりました。
あとは地面を整地して終わり。それもロガーがやったんだよ。足で器用に端っこから地面を踏んでいきます。僕達も後ろから真似して、地面を踏んでいって、綺麗に整えられたら終了です。あっという間に一ヶ所目の地面が治っちゃいました。
「ロガーはウチでもよく穴を開けて自分で直してるからな。コレくらいだったらなんて事はない。よし次だロガー」
すぐに次の場所へ。地面を直し終わったらロガーと遊んで良いって言われてるから、僕達も後を追いかけて終わるのを待ちます。
二ヶ所目もすぐに直しちゃったロガー。これからロガーのお泊りしてる小屋に行って、ロガーの小屋の飾り付けするの。だってロガーはこんなにカッコいいのに、イーサンさんが綺麗に小屋を建ててくれたから、僕達はもっとカッコよくロガーに似合う小屋にするために飾り付けです。
そのためにグレンがいろいろ用意してくれました。ペンキみたいな物や、家を建てるときに使う専用のノリとお星様とか貝殻とかいろいろな飾り。僕が昨日の夜グレンに小屋のお話したら、朝には用意してくれてたんだ。
「ロガー、ぼくたちがカッコいいにちてあげりゅ。ロガーもいっちょやろ」
僕とスノーはロガーの肩に乗せてもらって、上の方ペンキで色つけて、ブレイブ達はさすが、木登りの感覚であっちこっち登って、ノリもうまく使って飾りをつけていきます。フウとライも飛べるからね。細かいところはフウ達が担当。
どんどん小屋がカッコよくなっていきます。
お昼休憩を挟みながら最終仕上げは午後。お昼はお外でロガーと一緒に食べました。そしてそこで思わぬ物が。お昼のご飯、何とおにぎりが用意されたんだよ。まさかのおにぎり。まさかこの世界にお米があるなんて、もうね衝撃だったよ。
僕が興奮して美味しい美味しいって食べてたら、レイモンドおじさんが来て、そんなに気に入ったなら、大会が終わって帰るとき持って帰るかって。
このご飯の名前はラコっていって、少し遠い街の特産品らしいです。たまに商人が売りに来るんだって。レイモンドおじさんも大好きで、ラコ専用の小さな食糧庫作るくらい。だからたくさんあるから持って帰って良いって。
もうね、何だろう。レイモンドおじさん本当にありがとう!
そして僕達の目の前には、僕くらいの大きさのおにぎりがドンッ! と置かれてます。さっきまで2つあったんだけど、ロガーがほぼふた口で1個目をペロリと。ロガーも大好きなんだって。
「そういえば大会中はおにぎり専門店も出てたはずだな。ハルト今度一緒に行ってみるか?」
レイモンドおじさんに向かって何度も大きく頷きます。どんなおにぎりがあるか楽しみだなぁ。
「やだハルトちゃん、お顔ラコだらけだわ」
お母さんがいつの間にか顔中に付いたラコとってくれます。今まで通りに食べたつもりだったんだけどな。手を見たら手までラコだらけです。手も綺麗に水の魔法で洗います。
あ~あ、こんなに美味しいおにぎりがあるのに、オニキスとディアン残念。オニキスを送って行ったディアンも全然帰って来ないんだ。大丈夫かな? 僕心配だよ。
お昼を食べたあとはロガーの小屋でみんなでゴロゴロ。オニキスベッドがないのはちょっと寂しいけど、ロガーが寝てるワラや毛布の上でみんなでゴロゴロするのも、なかなか良かったです。楽しいしね。
そして午後、完成までもう少し。ペンキで全体に色つけたし、飾り物綺麗に付けられたと思うし、でもあと何かが足りません。何だろう? う~ん…。この小屋がロガーのってすぐに分かるような物が欲しいよね。
あっ!!
僕はロガーに手を出してもらいます。手の平にどんどんペンキを付けて、そのまま小屋の壁に手を押し付けてもらいました。手を離すとそこにはロガーの綺麗な手形が。それからペインおじさんに手形の所にロガーって、名前書いてもらいました。これでロガーのだって、誰が見ても間違えないよ。
出来上がったところにお父さん達が来て、小屋見て褒めてくれたよ。
「ロガーどう?」
お父さん達は褒めてくれたけど、ロガー本人が気に入ってくれないとね。
小屋の周りを何回もグルグルするロガー。何回目かで僕達の前に止まると、
『ギガガガガがガガガッ!!』
叫んでジャンプしました。あ~あまた穴が…。
『このこやしゅきだって』
良かった。ロガーも気に入ってくれたみたい。ロガーの小屋改造計画成功です! みんなで頭の上で拍手。ロガーも一緒に拍手!
楽しい時間はすぐに終わっちゃうんだよね。もう夕方。僕達お屋敷の中に入る時間です。
明日はロガー達スタジアムに行って参加申請するんだって。あっ、僕達もまだやってない。お父さん達もだし、僕達は申請しに行くんだろう。
僕がお父さんの方見たら、明日一緒に行くかって。ロガーと一緒に行けるならそれが良い。ペインおじさんも良いって言ったから、明日はみんなで一緒に申請しに行きます。
「ロガーまちゃあちたね」
『グギギギギ!』
ロガーにバイバイして中に。体中ペンキや土やいろいろと汚れてるから、夜のご飯になるまでにお風呂に入ります。
レイモンドおじさんのお屋敷のお風呂は地球でいう大浴場みたいな感じ。僕の家よりもちょっと大きんだよ。レイモンドおじさんがお風呂大好きなんだって。
先にみんなで体を洗って、綺麗になったからみんなでお風呂にジャンプ。お父さんに危ないって怒られたけどやってみたかったんだもん。それからバシャバシャ泳ぎます。子供の温水プールだね。うん、小さくて良かった。スノーもバシャバシャ犬かきしてます。ん? 猫かき? とっても上手だよ。フウとライ、ブレイブとアーサーはイーサンさんが作ってくれた小さな船に乗っかって、あっちに行ったりそっちに行ったり。
とっても楽しいお風呂が終わって少しして、夜のご飯の時間になりました。と、ここでディアンが戻ってきました。みんなでディアンに抱きつきます。
「ディアンおしょい、オニキスだいじょぶ?」
「ああ、ちゃんと送ってきた。帰ってきた時も気配で分かるようにしてあるから、奴の気配がしたらすぐに迎えに行く」
ふう、途中までは何事もなく無事だったみたい。このまま怪我とかしないでちゃんと帰って来てねオニキス。
ご飯食べてから廊下に出て、ディアンにロガーを紹介しました。ロガーはディアンが誰だか分かったみたい。ディアンの方がかなり年上で力も強いからか、ペコってお辞儀してました。
「なかなかの魔獣が居るじゃないか。今のところ魔力も実力もこの街の中で1番だろう。もちろん我を入れれば我が1番だが」
そりゃあそうでしょう。そう簡単にディアンより強い魔獣いないよ。ファイアードレイクなんだよ。
次の日は人があんまり集まらないうちに申請しに行くって。ロガーもペインおじさんも人気者だから、人が集まると大変みたい。だから今日は早く寝て明日に備えます。
僕が申請するのは子供が参加する競技とオニキスとブレイブとアーサーの、魔獣自慢大会ね。オニキスはいないけど、後から追加で申請できるから大丈夫なんだって。お父さんも申請するし、結構時間かかるかもね。
「ねぇねぇハルト、フウ明日またお店みたい」
「おとうしゃん、いいっていっちゃら、おみしぇいこ」
「オレはあのクッキー食べたいな」
うん、あの並んで買うクッキー美味しかったもんね。
話してる最中にいつの間にか寝ちゃった僕。夢でオニキスと遊んでる夢見ました。