表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/150

91お説教とフウ達は?

 うん、まぁね。待ち合わせの場所についてもまだイーサンさん来てなくて、僕達の前には大きなイノシシ魔獣がドンっと置かれてるものだから、前を通る人通る人が、ジロジロと見てきて、僕はオニキスに後ろに隠れっぱなしだったよ。

 でもこれに慣れないと、今度魔獣自慢大会に出るんだからね。


 僕少しでも練習しようと思って、オニキスからちょっと顔出したり引っ込めたり、1歩前に出たり隠れたり、それ見てたロイがクスクス笑ってました。スノー達も僕の真似して出たり入ったり。スノー達は練習じゃなくてただの遊びで真似してただけだけど。


 そしてやっとイーサンさんが待ち合わせの場所に。


「お待たせ、すまない遅くなっ…て?」


 ドンっと荷車に置かれてるイノシシ魔獣見て、イーサンさんが言葉を途中できって止まりました。


「あ~それで、俺がここに来るまでに何があったんだ?」


 イーサンさんが持ってたたくさんの袋を、イノシシ魔獣が乗ってる荷車の隅っこの方に置きながら聞いてきます。ロイがさっきのディアンのこと全部説明してくれて、オニキスとディアンは相変わらず今日はご馳走だって。

 そして全部話を聞き終わったイーサンさんが、とりあえずそろそろ帰る時間だから、屋敷に戻ろうって、屋敷に向かってみんなで歩き始めました。


 歩き始めてまた周りの視線を集めるイノシシ魔獣。この魔獣ってどれくらい強い魔獣なのかな? オニキス達に聞いてもしょうがないだろうから、帰ったらお父さんに聞いてみよう。

 

 帰りの途中、イーサンさんがなんで遅くなったのか話してくれました。あのねクッキーを焼く窯が2個あるらしいんだけど、そのうちの1個が壊れちゃって、焼くのに時間がかかったんだって。

 

 それからもう1つ原因があいつです。ドルサッチ。あいつが列に割り込んで来たんだって。しかも焼けてるクッキー全部よこせって揉めて、イーサンさんが間に入ったみたい。それでイーサンさんが自分の名前出したら気づいたんだろうね。レイモンドおじさんの家族だって。クッキーはもう要らないって、さっさとどこかに行っちゃたみたい。

 イーサンさんのおかげで何事もなく済んだから、店主がイーサンさんの順番になった時、注文よりも多くクッキーをくれたんだって。その時には窯も直ってたから、是非もらってくれって言われたみたい。


 本当嫌な奴だねドルリッチって。大会の種目、お父さんが出る騎士部門には3種類くらいあるみたいなんだけど、お父さんのレベルにドルリッチ出ないんだよね。誰かドルルッチのこと徹底的に倒してくれないかな? 少しは大人しくなるくらいにさ。


 屋敷に帰ってイノシシ魔獣は玄関前に置いたまま、玄関ホールに入った僕達。ちょうどお父さん達が階段を下りてくるところで、僕はただいましながら、お父さんに抱きつきます。


「お帰りハルト。どうだった、楽しかったか? ん? フレッド何だその顔は、何かあったのか?」


「えぇと、お父さん外見てみて」


 お兄ちゃんにそう言われて、お父さん達が外に出ます。そして…。


「何だこれは!!!」


 お父さんの大きな叫び声が響きわたりました。


 もうね、それからはオニキスとディアンへのお説教が始まっちゃって。休憩の部屋の隅っこに座らされたオニキス達。お父さんとグレン、2人のお説教が。

 僕達とお兄ちゃん、お母さん達はソファーに座って、買ってきたクッキーと紅茶を飲んでます。


 クッキー、とっても美味しいです。サクっ、ふわっ、ホロホロ。口の中にちょうど良い感じの甘さが広がって。僕の家の料理人さんが作るクッキー以上かも。こんなに美味しいクッキーが食べられないなんて…オニキス達可哀想。


 イノシシ魔獣を見て、ロイに詰め寄るお父さん。そして軽く話を聞いただけで、オニキスとディアンにおやつなしを言い渡しました。それからずっとお説教なんだ。

 ロイにイノシシ魔獣を獲得するまでの話を詳しく聞いたお父さん、やり過ぎだしどうして目立つことしたって怒ってます。


「今ここにどれだけの人間が集まってると思ってるんだ。しかもそれなりに力のある人間達だぞ」


 さっきのディアンのこと見てた人達の中に、ディアンの力に目をつけて力試ししてくる人や、自分達の仲間に入れようと勧誘してくる人達が集まってきたらどうするんだって。力試しならディアンは絶対に負けないけど、勧誘の方はかなりしつこい人が多いみたい。何度も何度も自分のグループに入れって、面倒な人だと脅してきたりするみたい。例えば近くにいた僕の事も見てて、僕に何かあってもいいのかとかね。まぁそういう場合は正当防衛で相手のことを倒しちゃっていいみたいだけど。


 街を買い物とか見学とかしてる時に、そんな面倒な人達に絡まれるなんてやだよ。でも…僕あの時ディアンのこと応援しちゃったもんね。だって馬鹿にされて腹が立ったんだもん。ディアンとオニキスばっかり怒られるの可愛そうだよ。

 僕は怒ってるお父さんに近づきます。


「おとうしゃん、ごめんなしゃい。ぼくがんばれちたの。ディアンおこらないで」


「ハルト…はぁ(ハルトがいたらこいつらに説教しづらいな。また後で説教するか)」


 お父さんがとりあえずお説教はここまでだって。それから今日と明日はおやつ抜きだって言いました。それはもうディアンががっくりしちゃって、うん夜寝る前にそっと2人に僕の分のクッキーあげよう。


 それにしてもフウとライ帰って来ないなぁ。どこまで遊びに行ってるんだろう。

 けっきょくフウもライも、おやつの時間過ぎても、夜のご飯の時間が過ぎても帰ってきませんでした。

 帰ってきたのはもうそろそろ寝る時間って、僕が休憩の部屋でうとうとし始めて、お父さんが僕を抱っこして、部屋に行こうとした時。窓から勢いよくフウとライが入ってきました。


「ハルト! 大変!」


「オレ達の友達助けて!」


 助けて? 凄く慌ててる2人の様子に一気に目が覚めて、目を擦ってそれから2人を落ち着かせるように座らせようとしたんだけど、2人は僕に早く来てばっかり言うんだよ。僕の洋服引っ張って、お外に連れて行こうとします。


 それを見たお父さんが、2人に言葉が分かるようになる粉をかけるように言って、まずは何でそんなに慌ててるのか、それから僕を何処に連れて行こうとしてるのか話しなさいって。


 2人が慌てたままお父さん達に粉をかけます。それから


「僕達が新しくお友達になった妖精の友達の妖精が、穢れに襲われちゃったんだ!」


「フウ達が帰ろうとしたら、友達の妖精が慌てて他の妖精呼びに来て」


 フウ達が僕の所に帰ってこようとした時、今日一緒に遊んでた妖精と別の妖精が、穢れに襲われて苦しんでる妖精を見つけたみたい。それで他の妖精にどうにかできないか慌てて呼びに来たって。フウ達もすぐにその妖精の所に駆けつけて、穢れに襲われてる妖精を見たら、かなりひどい状態で。

 僕のことを妖精達に話したんだけど、最初妖精達は人間の僕のこと信じられなくて、僕を呼ぶの躊躇してたの。でも、妖精を襲ってる穢れが酷くなっちゃって、それでけっきょく僕のこと呼びにきたみたい。


 大変! 早く助けに行かなくちゃ! 

 僕はオニキスカバンをぶら下げて、すぐにフウ達とその穢れに襲われてる妖精の所に行こうとしました。でもお父さんが僕のこと止めるの。早く行かないと妖精死んじゃうよ。


「フウにライ、その妖精がいる場所はどの辺だ」


「外の壁の近くで草がいっぱい生えてる所。そこはあんまり人間が来ないから、妖精達の寝る場所になってるの。フウねハルト連れてくるって約束したの」


「今ならまだ助けられるぞ! 早く早く」


「人が来ない草がいっぱい生えてる所? あそこか?」


 レイモンドおじさんが話に入ってきました。フウとライが早く早くって急かしてきます。オニキスが僕に背中に乗れって。お父さんの言うこと聞いて待ってたら妖精死んじゃうかも。もう夜だから人いないと思うし、僕サッと行ってくるよ。

 

 よいしょってオニキスに乗ろうとする僕。またまたお父さんが待って。もう本当に行かないと妖精死んじゃうよ。


「俺も行く。オニキス俺も乗っけてくれ」


 !!? お父さんも行くの? それを聴いたレイモンドおじさんも一緒に行くって言って、イーサンさんまでいくって言い始めました。何で? まぁ行くって言ってくれてるから別に良いけど、僕達はオニキスですぐにその場所まで行けるけど、レイモンドおじさん達はどうするの?


「我が運んでやろう」


 そうディアンが言いました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様ですm(_ _)m オニキス達、やっぱりお父さんに怒られましたね(;^∀^) そして、フウ達の友達の妖精は大丈夫かなハラハラ(:.´艸`:.)
[一言] お疲れさまですm(__)m やっぱり怒られましたね おやつなし( 。゜Д゜。) それにしても みんなして行くことになるなんて どーなんのー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ