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76最初のお家とこれからと

 みんなで遊んでたらやっとオニキスが帰ってきました。マロン達がここで暮らせるか、もう僕ドキドキです。だってダメって言われたらマロン達どこで暮らせばいいの。

 帰って来たオニキスに抱きついてお帰りなさいした後、早速お話し合いの結果聞きます。結果は住んでも良し! でした。僕達みんなで万歳です。それからまたマロン達とじゃれあいます。今度はヤッタァ! に嬉しいじゃれあいね。僕達がじゃれてる間に大人組はこれからのこと話し合います。


「もう少ししたらここを仕切ってる奴がここに来る。これからの事を話しにと、どこに住めばいいか言いに来るから、何か聞きたいことがあれば、今のうちに考えておくといい。奴はぶっきらぼうだが、ちゃんと話は聞いてくれる。…良かったな」


「ああ、何から何まで本当にすまない」


「いや。ここに住むならハルトも遊びに来やすいからな。俺達にもちょうど良い。俺達はもう少ししたら行くが、これからはここでゆっくり暮らせ。もうマロン達は友達もできたようだからな」


 お話し合いが終わったみたいで、僕達の所にオニキス達が戻ってきました。それでそろそろ僕達は前の僕達の家の所に移動するぞって。マロン達とバイバイするのちょっと寂しいけど、でもいつでも会いに来れるもんね。

 マロン達みんなに抱きついてなでなでします。ガーディーお父さん達にもだよ。みんなここに住めて良かったね。

 

 僕はお父さんと馬に乗って、ディアン達はオニキスに乗って、準備は万端です。


「マロンみんな、バイバイ! まちゃ、あしょぼね!」


「ハルトバイバイ! すぐに遊びにきてね!」


 すぐに…。お父さんの方振り返ります。お父さん苦笑いしてたよ。すぐには無理かなぁ。でもなるべく早く遊びに来るからね。


 歩き始めて僕の隣を歩くオニキスに、誰に会いに行ったのか聞いてみました。だって気になるよ。たまに遊びに行っちゃうオニキスの知り合い。肝心な時にこの前居なかったのに、ここ仕切ってるって言うんだもん。マロン達もここに住むことになったし、僕ちょっと心配です。


 僕がその話したら、オニキスが忘れてたって。それでお父さんにお願いしました。美味しいお酒たくさん用意してくれって。は? お酒?


「何で酒何だ?」


「いや、奴はお酒が好きなんだ。今度お酒を持ってくると約束してな。街で1番美味しいお酒を用意して貰いたいんだが」


「それぐらい良いが。何だ魔獣のくせに酒飲みなのか」


「ああ。1番の好物だ。さっき話をしに行ったときも、たくさん酒瓶が置いてあったからな。話の最中もお酒を飲んでいたしな」


 ちょっと。その仕切ってる奴って本当に大丈夫なの? いつも酔っ払ってるんじゃないの? そう聞けばオニキス黙っちゃいました。僕さらに心配になっちゃったよ。ん? さっきもお酒飲んでた? まさかオニキスも一緒にお酒飲んできたんじゃないよね。大事な話してる最中に。僕はじぃ~ってオニキス見ます。僕の視線に気づいたオニキスが、お耳ピクピク、それから揺れてたしっぽがピタッて止まりました。オニキスに乗ってたディアンがふんふん匂い嗅ぎます。


「何だ。お前も飲んできたのか」


 じぃ~。そっとオニキスが僕の方見ました。それからすぐに前向き直りました。ふう~ん? やっぱり飲んだんだ。まぁ、多分話しながら付き合いで飲んだんだろうけど、何気にオニキスも喜んで飲んだんじゃないの。


「ひと口だけだ。話し合いは真剣にやったぞ」


 はぁ。まぁ付き合いは大事だもんね。耳を伏せちゃったオニキス見てなんか可愛くて笑いそうになっちゃいました。それに。

 ………今度お酒持っていくって言ったよね。僕も連れて行ってくれないかな。マロン達のことありがとう言いたいし、多分話の流れからその知り合いって、人間の姿に変身できる魔獣じゃないの。だって森の奥に居るような魔獣が、魔獣の姿のままお酒を貰いに街に行ったら、街大騒ぎになるでしょう。てことは、バレないように人間に変身したり、それか、目立たないような魔獣に変身して、街にお酒取りに行ってるんじゃないの?

 変身…。カッコいいよね。ディアンも変身できるけど、他の魔獣の変身も見てみたいな。


「オニキス、ぼくあえりゅ?」


「奴にか? 奴が会うと言えばいいが…。だが森の奥には連れて行けないぞ。奴にこちらに来てもらわないといけない。森の奥は本当に危ないんだ。ここに住んでたときも行かなかったろう。今はディアンがいるから大丈夫だろうが、それでも俺は心配だ」


「ダメ?」


「行くのはダメだ」


 オニキスママがダメだって。ちぇっ。よし、今度お酒持っていくとき、会いに来てって頼んでもらおう。嫌だって言われても何回もお願いだ! それか今度持っていくお酒よりももっとたくさんお酒持っていくとか?


 そんなこと考えてたら僕達の最初のお家に着きました。最初にオニキスが中に入って、中の状態確認します。ホコリとか酷かったら中に入るなって言われちゃったの。あのふわふわの葉っぱのベッドとかもうダメかなぁ。あのベッドとオニキスに寄りかかって寝るの好きだったんだけど。

 少ししてオニキスが出てきました。


「大丈夫だ。綺麗だったぞ。が、、少しホコリが溜まっている。俺が風魔法で綺麗にするから待ってろ」


「はっぱもダメ?」


「掃除してしまえばな。ところで今日はここに泊まるのか? それともディアンの姿がバレないうちに飛んで帰るのか?」


「ハルトはここに泊まりたいみたいだしな。来る時よりもここから帰るのは街まで近いし、ディアンが変身して帰るほどでもないだろう。今日はここに泊まって、朝になったら移動しよう」


 やったぁ! ここに泊まれるって。あんまりゆっくりできないけど、でもそれでもなんか嬉しい。

 オニキスがお父さんの話聞いて、フウ達に葉っぱ集めろって言いました。みんながフウ達に続いて葉っぱ拾いに行きます。僕とお父さん達はオニキスが風魔法で外に出したホコリとか葉っぱを、さらに洞窟から遠ざけます。

 掃除が終わった頃、フウ達がたくさん葉っぱやわたぼこ拾ってきてくれました。みんなで中に入って葉っぱわたぼこ敷いて座ります。


 次は残してきた食器のチェック、と思ったんだけど、もう眠くて眠くて。食器のチェックは明日にしてもう寝ることにしました。前みたいにオニキスに寄りかかってみんなで丸まって寝ます。ふふ。フウ達もなんか嬉しそう。来て良かったね。


 遅い時間に寝たからね、すぐに朝になっちゃいました。もちろん僕がちゃんと起きられるわけないよね。半分寝たままお父さんに抱っこしてもらって馬に乗りました。次に気づいた時は家まで半分の距離の所でした。オニキスに洞窟のこと聞いたら、ちゃんとこの前みたいに片付けてきたから大丈夫だって。食器確認できなかったよ。

 僕がしょんぼりしてたらお父さんがね、お酒持ってまたすぐ遊びに行こうって言ってくれました。


 街の壁が見えてきて、門の所にお母さんが立ってました。僕達に気づいたお母さんがニコニコ笑って出迎えてくれます。お家に帰って僕はすぐにお兄ちゃんと一緒にお風呂です。休憩のお部屋出るとき、何となくお母さん達の方見ました。うん。見なければよかったよ。ドアが閉まる瞬間、お母さんのお顔が鬼の形相になったんだ。

 何で? 何でそんなお顔に? お風呂でお洋服脱いでるときにお兄ちゃんに、お母さんが怒ってるか聞いてみました。そしたらね、帰りが遅かったこととっても怒ってたんだって。あ〜、ちょっとだけどお泊まりもしちゃったもんね。僕は知らなかったけど、お父さんお母さんに用事が済んだらすぐに帰るって言ってたみたい。泊まりなんて絶対にダメ、ってずっと言ってたみたい。


「少しの間、休憩の部屋には近づかないでおこうね。僕の部屋で夜のご飯できるまで遊んでよう」


「うん!」


 もちろん! 絶対に休憩のお部屋には行かないよ!


 たくさんお兄ちゃんのお部屋で遊んで夕飯食べに食堂に行ったら、なんかげっそりしたお父さんがもう椅子に座ってました。それからお母さんも。僕達が中に入ったらお母さん、ニコニコ顔で僕のこと抱っこして、すぐ隣に僕のこと座らせました。


 しょんぼりご飯を食べるお父さん。うって変わってニコニコのお母さん。いつも通りにピシッとお洋服着替えたグレンと、これまたニコニコのビアンカ。我関せずご飯を食べるお兄ちゃん。僕の隣でバクバクご飯を食べるオニキス達。うん。僕こっちのお家も家族も大好き! 

 明日は久しぶりにみんなでお店通りに行きたいなぁ。ディアン案内してあげたいしね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様です\(^_^)/ ハルトの為にとお父さん、最初のお家でお泊まりしたのにちゃんと報告しなかったからお母さんに絞られるとは( ̄▽ ̄;)
[一言] お疲れ様ですm(*_ _)m おとうしゃん頑張れ!ユーキくんはお泊まりできて嬉しかったんだよ! ユーキくんになでなでしてもらおう!
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