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71たくさんの説明どうしよう…

僕が落ち着くまで代わりばんこに抱きしめてくれたお父さんとお母さん。やっと涙が止まった僕にお父さんが頭をポンポンしてくれます。今まで泣いてた僕はちょっと恥ずかしくなって、今度はちょっとだけ笑って恥ずかしさを誤魔化します。


 その時最初だけ一緒に抱きしめてくれてたお兄ちゃん、急に離れちゃって僕達のこと見てたんだ。そのお兄ちゃんが僕にまた近づいてきてギュッて手を握って、


「ハルトごめんね。僕近くに居たのにハルトのこと守れなかった。ごめんね怖かったよね」


 って謝ってきました。今にも今度はお兄ちゃんが泣きそうな顔してます。僕はお兄ちゃんの手外して、ギュウって抱きつきました。それからみんなが居てくれたから怖くなかったことと、それからお兄ちゃんが怪我してなくて良かったってなんとか伝えました。そしたらお兄ちゃんが小さな声で、


「お帰り、ありがとう」


 って。僕が拐われた時、最後に1番近くに居たのお兄ちゃんだったもんね。一緒に避難する途中で。きっとお兄ちゃんずっと僕のこと気にして責任感じてたんだろうな。お兄ちゃんのせいじゃないのに。もう、お兄ちゃんをこんな気持ちにさせて、あの黒服と団長、もし今度また僕を拐いに来たりみんなをいじめに来たら、僕の魔法でやっつけてやる! ………魔法ちゃんと使ったことないからディアンに手伝ってもらおう。


「さぁハルト家に帰ろう。グレン達もハルトが帰ってくると聞いてかなりソワソワしていたからな。ビアンカはスキップしながらどこかに走って行ったが……」


 スキップしてどこかに? どこに行ったのかな? あんまり考えない方が良さそう。うん考えないようにしよう。

 僕がそんなこと考えてたら、お父さんがディアンの方見ました。


「貴方がハルトを助けてくれたディアン殿か。礼を言う。家にきて詳しい話を聞かせて貰いたいのだが。」


「もちろん家には行くぞ。我は…。」


「ま、待てディアン!」


 ロイが急にディアンの話を止めました。どうしたのかな? 僕が不思議に思ってたらオニキスが小さな声でディアンがファイアードレイクと話したら、キアル達は叫ぶんじゃないかって。あっ、あ~そうね。そうだったね。ディアンドラゴンだったね。森にいた時、他の人達が見たら大問題だって言ってたっけ。僕がそんなディアンと家族になってこれからずっと一緒にいるってお話したら絶対お父さん叫ぶよ。お母さんは驚いた後、すぐにニコニコして喜びそうだけど。


 ロイがコソコソお父さんとお話してます。不思議そうな顔してるお父さん、何回か頷いてから僕達に馬車に乗るように言ってきました。帰ってゆっくりお話しようって。

 ダメダメ。早く家に帰りたいけどマロン達森で待ってます。早くマロン達がゆっくり休めるあの森に連れて行ってあげなくちゃ。


「えと、たしゅけたおともだちいましゅ。みんなおうちにおくりゅ」


「何だ? 他にも拐われた子供が居たのか。よしどこに居るんだ? とりあえず街に連れて帰ってから確認して家族のもとに帰そう」


 あっ、お父さん人間の子供だと思ってる。そうだよね。今までの話からしたらまさか僕が魔獣連れて帰ってきた何て考え付かないよね。僕の隣でロイもしまったってお顔してます。今のところディアンのことは誤魔化せたけど、マロン達のことお話したらディアンのことも話さなくちゃいけなくなっちゃう。

 

 うんうん考える僕とロイ。そんな僕達見てお父さんがさらに不思議そうなお顔しました。そんな僕達にオニキスがとりあえず街に戻るぞって。でもそれじゃあマロン達どうするの? 

 そしたらねオニキスがマロン達に1日隠れてるように伝えに行ってくれるって。それで明日の朝から移動した方が良いって言いました。今から行っても夜中になっちゃうし、オニキスが言ってたもう1匹の森を守ってる魔獣にマロン達のことお話しするの、夜中の狩りの最中にお話に行っても聞いて貰えないって。


 う~ん。マロン達大丈夫かな。マロン達に待っててもらってる所、そんなに広い場所じゃなかったし、今までに比べたら人間が住んでる所にも近いし。でもオニキスもディアンも1日くらい、しかも朝までなら大丈夫だろうって。2人がそう言うなら良いけど。ちゃんと人間が来て危ないと思ったら逃げるように言っておいて貰わなきゃ。


 オニキスが伝えに行ってくれてる間に僕達はお家に帰ります。話はオニキスが帰ってきてからね。オニキスを見送って僕達は馬車に乗り込みました。ぞろぞろ騎士さん達と一緒に街に帰ります。


 門の所、騎士さん専用入り口に立ってる番をしてる騎士さんが、馬車から顔を出した僕にお帰りなさいってにっこり笑って敬礼してくれました。僕もありがとうの敬礼です。


 どんどん街の中を進む馬車。ついに家に到着です。馬車を降りてびっくり、家の前にずらっと使用人さんメイドさんコックさんに庭師さん、お家で働いている人達みんなが並んでました。それで僕が馬車から降りたの確認して一斉に


「お帰りなさいませハルト様!!」


 ザッ!! ってお辞儀されました。僕ビックリしてピシッて立っちゃったよ。それだけ迫力があったの。フウ達もびっくりしたみたい。僕と一緒にピシッてまっすぐになってました。そして…。


「ハルト様お帰りなさいませ」


 グレンが前に出てきて挨拶してくれます。僕グレンに会えて嬉しくてグレンに抱きつきました。ふわっと片方の手で僕を抱きとめてくれるグレン。それから僕を守れなかったことを謝るの。もうだから誰のせいでもないんだから。僕は僕の目線までしゃがんでくれたグレンの髪の毛くしゃくしゃします。心配そうなお顔してたグレンだけどそれしたらニコって笑ってくれました。今までで1番ニコって笑ってくれたの。


 僕を抱きとめた反対の手を差し出すグレン。その手には見たことないオニキス人形が。僕が帰ってくるって知らせをロイから受けて、僕が帰ってくるまでのこの短時間でグレンが作ってくれたんだって。凄っ!! そして可愛い!! 僕はそれ受け取ってニコニコです。


 僕がニコニコしてた時でした。家の中からダダダダダって音が玄関に近づいてきました。凄い音なの。何々? って思ってたらバアァァァァァンって勢いよくドアが開いて、ビアンカがたくさんのぬいぐるみと花を抱えて出てきました。僕を確認したビアンカ。サッと持っていた荷物を玄関前に置くと僕をギュウって抱きしめてきました。


「ああ、ああ、本当に本物のハルト様なのですね。このビアンカ必ずハルト様が戻ってきてくださると信じておりました。それでハルト様を拐った不届き者はどこの居るのですか? すぐに私が地獄を見せて差し上げましょう。死んだ方がましだと思うような、それでも死ねない最悪の地獄を。うふふ楽しみですわ」


 ニコニコお顔なのに最後の方なんか怖いこと言わなかった。フウ達ディアンの後ろに隠れちゃったよ。だってニコニコしながら言うんだよ。よし聞かなかったことにしよう。僕はビアンカにただいまを言って話を変えるために、あのぬいぐるみと花のこと聞きました。


「ビアンカ、ありぇなに?」


「ああ、あちらはハルト様が帰ってこられた時に、お部屋に飾って差し上げようと毎日別のものをご用意していた花と、ハルト様はぬいぐるみがお好きですので、帰られた時にすぐにお部屋で落ち着けるようにとご用意していたぬいぐるみですわ。グレン様よりオニキス人形はご用意されましたのでその他の物をと」


 十分抱きしめたのかビアンカが離れて、僕の部屋をセットしに行くってまた荷物全部抱えて走って行っちゃいました。

 また玄関前に並んでるみんなに口々にお帰りなさいって言われながら家の中に入ります。うう。また恥ずかしい…。でもみんなが僕のこと待っててくれたの分かって、僕とっても嬉しいです。僕この世界に来れて良かったよ。


 ビアンカが部屋のセットしてるから、まずお風呂に入ってからお母さんが用意してくれてた、いつものうさぎのお洋服にお母さん達の部屋で着替えました。そのあと休憩室に行きました。夜のご飯はもう少しあとです。それにオニキスが帰って来てからね。ロイも話し合いまでに綺麗にしてこいってお父さんがお風呂に入らせてました。ディアンにもそう言ったんだけど、とりあえず僕とロイはそれをなんとか阻止です。お風呂の入り方絶対知らないもん。お父さんまた不思議そうなお顔してました。


 お風呂入ってさっぱりな僕。オニキスとご飯待ってる間に眠くなっちゃってコックリコックリ…。話し合いまで起きていられるかな?

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様ですm(_ _)m お兄ちゃん、ハルト事が自分のせいだとずっと気にしといたんですね(´・c_・`) そして、お父さんこれからビックリのオンパレードが始まるんでしょうね( ̄▽ ̄;…
[一言] お疲れ様ですm(*_ _)m ぬいぐるみに埋もれちゃうね! 早くマロンたち何とかしないと!! ハルトくん頑張っておきて~
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