表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/150

62成功とピンチ

どんどん穢れがなくなっていきます。今のところ上手くいってるみたい。体も半分赤黒いモヤモヤ無くなったし、頭のところは完璧に穢れがなくなってます。よし、もっと集中集中。

 僕が穢れを祓うのは見て、周りの魔獣がとっても驚いてたって、オニキスに後で聞きました。それから僕が祓ってるときずっと周りを警戒しててくれたって。でもこの時の僕は周り気にできるほど余裕なかったからね。


 ドレイクのさっきまでの苦しそうな呼吸が聞こえなくなって、今は落ち着いた呼吸に戻ってるみたい。多分だけどね。だって体が大きいから呼吸だけでも結構音が煩いんだもん。

 僕の側でフウ達が一生懸命僕のこと応援してくれます。オニキスもずっと寄り添ってくれてるよ。


 どのくらい時間が経ったかな。やっと穢れが纏わりついてるのが片足だけになりました。あと少しあと少し。最初よりも祓う速度が落ちてきちゃって、なかなか穢れを祓えません。あとちょっとなのに…。そういえば頭がぼーっとしてきてるような。でもここで頑張らないとまた穢れに飲み込まれちゃう。ガーディーお父さんの木の実があるしここは…。


「ハルト!!」


 僕がさらに集中して穢れを祓い始めたら、オニキスが僕のこと止めようとしてきました。きっと僕が無理してるの分かったんだね。ごめんね。でもやらなくちゃ。大丈夫だよ、木の実食べて復活するから。それにフェニックスが残ってるんだから、この前みたいに倒れるまで無茶はしないよ。

 僕が集中したら、また穢れがどんどん祓われ始めました。そしてついに…。


「穢れが…!!」


 ドレイクに纏わりついてた穢れが全部綺麗になくなりました。周りに居た魔獣達が歓声をあげます。ファイヤーホースも安心した顔してドレイクのこと見てます。

 僕全部ちゃんと穢れが祓えたんだ。良かったぁ~。安心したら足に力が入らなくなって、ぺたんってその場に座っちゃいました。慌ててロイが僕のこと支えてくれて、木の実食べさせてくれました。食べてる最中、ドレイクが僕に、


「ハルト礼を言う。今我をハルトの暖かい魔力が包んでくれている。本当にありがとう」


 って。僕にっこりです。でも隣にいたオニキスには凄い文句言われちゃったよ。フウ達にもね。力使い過ぎだって。でもあれくらいしなくちゃ、まだ穢れ祓えてなかったよ。黒服達が来るかも知れないし、早くしないといけないでしょう。


 それでもやっぱり魔力使って疲れてた僕。モソモソってゆっくりしか木の実食べられませんでした。それでも木の実全部食べ終わる頃には、魔力使う前みたいに元気いっぱいまで復活したよ。凄い木の実だね。持ってきてくれたガーディーお父さんに後でお礼言わなきゃ。木の実も後1つあるし、フェニックス治してあげた後もこれなら大丈夫。よし!


 僕は気合入れ直して、今度はフェニックスの前に立ちました。フェニックスもドレイク程じゃないけどかなりの大きさです。羽だけで僕がたくさん入っちゃいます。それから赤黒いモヤモヤの下に綺麗な羽の色がたまにチラチラ見えたよ。

 ぜぇぜぇ息をしてるフェニックス。早く治してあげなくちゃ。それに綺麗な姿見たいしね。チラッと僕を見たフェニックスが小さな声で


「すまない」


 って言ったのが聞こえました。気にしないでね。だってみんなを助けてくれようとした、とっても優しいドレイクとフェニックス。放っておけないでしょう。

 

 羽の先端に触って、さあ穢れを祓おう! オニキスに最初の魔力溜めるの手伝ってもらってるときでした。一瞬、僕の近くにいたガーディーお父さんがビクッてしたのが分かりました。オニキスも気づいたみたい。


「どうした?」


「不味いことになった。ほとんどあの家の黒服と団員は片付けたのだが、どうも最後に残っていた黒服に何かされたらしい。闇の魔力石を黒服が割った途端、あ奴らが使っている移動に使っている時の魔法。闇の入り口が現れた。ラナ達が一応家を破壊してこちらに向かっている。もうそんなに時間はないかも知れん」


 うわわわ。大変! 本当に早くしなくちゃ。穢れを祓い始める僕。そんな僕の後ろでさらにオニキスに達が話します。そこにドレイクも話に加わりました。


「黒服と達がここへくるようなら、俺はハルトを連れて逃げるぞ」


「分かっている。我もそのつもりだ。我の運命の相手だからな。皆にはすまないと思うが、我も全力でハルトを逃そう」


「…フェニックスが死ぬかも知れないぞ」


「奴も承知していることだ」


 ちょっと勝手に話し進めないでよ。僕ギリギリまで頑張るからね。ドレイクも復活したし、黒服達だってそう簡単にこっち攻撃してこれないでしょう。ドレイク強いんでしょう? 僕がフェニックス助けるまでお願いだから黒服を近づけないで。


「オニキス、ぼくがんばりゅ。だからしじゅかにね。フェニックスぜったいたしゅけりゅよ」


 そう言ったらオニキス達が静かになりました。コソコソお話はしてるみたいだけど、これでもう少し集中できそう。集中したおかげかな、すぐにフェニックスの片方の翼の穢れを祓うことができました。この調子。


 やっぱりフェニックスの羽は7色みたいにとっても綺麗な羽でした。体の部分やおっぽの部分の穢れがなくなると、体の綺麗な燃えるような赤い色もとっても綺麗です。オニキスやスノーや、今まだに会った魔獣ってみんな毛がサラサラふわふわもふもふなんだ。この世界の生き物ってみんなそうなのかな?


 フェニックスの頭と顔の穢れを祓い終わって、頭のふわふわな毛が見えました。そしたらドレイクの時みたいに、頭がスッキリしたのかな。フェニックスが顔上げて、首を僕の手に乗せてきました。


「ありがとう。お前の力は本当に温かい」


「もうしゅこちだよ。ぼくがんばりゅ」


 そう言ったときでした。


「お父さん!!」


「あなた!!」


 この声マロンとラナの声だ。ちょっとだけ後ろ見たら、マロンやラナがこっちの走ってきてます。それから他の魔獣も。2匹はガーディーお父さんの所に来てお互いにお顔すりすりしてます。と、僕の頭の上に軽い衝撃が。


「キキィー!!」


「キッキキィ!!」


 僕の頭の上で魔法を使ってくれてたブリザードモンキー。双子のもう1匹が僕の頭の上に乗っかってるってオニキスが。それでみんな怪我しないでここまで来れたってラナお母さんの報告です。良かったぁ。僕穢れは祓えるけど怪我は治せないから。

 よしよし。今のところいい感じ。あとは僕が穢れを祓っちゃえばみんな遠くに逃げられるね。黒服達がくる前に早く早く。


 でも…。最後のフェニックスの片方の羽を祓い始めたんだけど、なかなか祓えなくて。今まではちゃんと祓えてたのに。オニキスが最初に力使い過ぎたんじゃないかって。木の実食べたら力戻るかな。そう思ってフェニックスに少しだけ待っててって、それで木の実もそもそ食べ始めたの。その時ね。


「ガガガがガッ!!」


 って凄い音がしました。みんなが振り返ったら、土煙と溶岩と煙が混じり合って大きな爆発? が起きたんだ。そしてその爆発が収まって、黒服と団長さん達が現れました。

 魔獣達がバッ!!って僕達守るように囲みます。その1番前にドレイクが陣取りました。僕は木の実途中だったけど食べるのやめて、急いでフェニックスの残りの穢れを祓い始めました。少ししか食べられなかったけど、さっきよりは早く祓えてるかな?

 後ろで黒服の声が聞こえます。とってもイライラしてる感じが伝わってくる声。


「急いで戻ってみれば…。あちらも作戦は失敗し、こちらまで失敗となれば。おい、分かっているだろうな」


「ああ分かっている。それにしても皆首輪が外されている。あのガキが……」


 団長さんの声もイライラしてるね。うう~。怖いけど頑張らなくちゃ。もうちょっとだからね。もうちょっとで全部祓えるからね。


「それだけの魔力の持ち主だということだ。こっちのガキだけでも必ず連れて帰るぞ。(そして確認しに行かなければ。)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様ですm(_ _)m ハルトが木の実を食べてまで頑張って祓っているのに、黒服達が戻ってくるとはΣ(゜Д゜;≡;゜д゜) きっと、オニキスやドレイク達が守ってくれるかな(:.´艸`…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ