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4契約しましょう。そうしましょう。そして名前を考える。

「よし、決まったところで、すぐに契約を始めよう。」


 そんなすぐ?朝になってからでもいいんじゃない?光の妖精に明るくして貰ってるけど、何もこんな夜中に。

 って思ったんだけど、2人の顔見たら、今やらなくちゃって思いました。だって、さっきよりももっと、ニコニコにニヤニヤなんだもん。こんなに楽しみにしてるのに、待たせちゃダメだよね。

 ところで契約って、どうやるんだろう。


「けいやく、どうやりゅの?」


「ああ、そうか。知らないんだったな。よしまずはフウから契約してみよう。いいか。今から俺がお前に、魔力の流し方を教える。さっきみたいに手を出せ。」


 言われた通り手を出すと、さっきみたいにまた手を乗せてきました。それから今からロードファングが魔力を僕に流すって。少し待ってたら、ロードファングの手から、暖かい熱が僕の体に入りこんできました。あっ、これ、僕が倒れてたロードファングをなでなでして時と同じ感じ。この暖かいのが魔力なのかな。


「どうだ。体に暖かいものが流れ込んできただろう。それが魔力だ。」


 やっぱりそうなんだ。


「いいか。この暖かいものはお前の中にもある。まずはその暖かいものを想像してみろ。体全部に溜める感じで。」


 あったかい感じ、あったかい感じ。さっきのロードファングの魔力を思い出しながら、それから僕の、あの時のことを思い出しながら集中します。少しして体の中に暖かいものがたまり始めたんだ。これが僕の魔力。僕がバッてロードファング見たら、成功したみたいだなって。


「じゃあそのままフウのことを触れ。あー触りにくいか。よし手にのっけろ。それからお前のその魔力をフウに流せ。さっきの俺みたいにな。それが出来たら、フウの名前を呼べ。そして契約すると言うんだ。」


 僕の手の平に乗ったフウに、魔力を流します。どんどん魔力が流れ出して、僕は言われた通り、


「フウ、ぼくとけいやくちて。」


 そう言ったら、フウが光り出して、目を開けてられなくなっちゃった。ぎゅうっと目を瞑ってたら、ロードファングが声をかけてきました。


「おい。契約は成功したぞ。」


 そっと目を開けたら、さっきまで羽とか、キラキラしてたんだけど、それがもっとキラキラして、体も少しだけ輝いてるフウがいたよ。ロードファングいわく、契約したからパワーアップして、今の姿になったんだって。へえ~。でも、良かった。契約がうまく出来て。

 さあ、次はロードファング。名前がないって言ってたけど、どうするんだろう。ロードファングでいいのかな?


「よし、今度は俺だ。俺はもともと名前がなかったからな。契約の時は、契約する奴が名前をつけるんだ。お前のことだぞ。さあ、俺に名前をつけてくれ。それからはフウの時と一緒だ。」


 僕が名前つけるの?!まさかでした。僕、ペットとか飼ったことないから、こういうの苦手。どうしよう。僕が内心ワタワタしてるのをよそに、ロードファングはニヤニヤがさらにニヤニヤに。ああ、そんな嬉しそうな顔して…。ちゃんと名前考えてあげなくちゃ。

 ロードファングは黒いオオカミ。しかもとっても綺麗な黒。そう言えばお母さんが、ロードファングみたいに綺麗な黒の石を持ってた。名前は…、ブラックオニキス。石の意味は確か、悪を退けて、悪霊とかから守ってくれるお守りの石って言ってたよね。皆んなを穢れから守るロードファングに、ぴったりじゃない。


「オニキシュ!………。」


「オニキシュ?」


「んー、しゅ!…。」


 お願い分かって…。いい名前だと思うのに、お子様な呂律が邪魔するよ。


「…。ああ、オニキスか。」


 僕は思いっきり、ウンウン頷いたよ。良かった分かってくれて。


「オニキスか…。いい名前だ。」


 オニキスも気に入ってくれたみたい。よし名前決定。今日からロードファングはオニキスね。

 フウの時みたいに、魔力を溜めます。それが出来たら、オニキスが自分のおでこと僕のおでこをくっつけたよ。準備完了です。


「オニキシュ、ぼくとけいやくちて。」


 さっきみたいに、光がオニキスを包みます。僕もまた目を瞑りました。そして目を開けた時そこには、さっきよりも艶々なさらに黒が綺麗になったオニキスが居ました。触ってみたら、さらさらふわふわ。どっちもで気持ちいい。


「よし、俺の方も契約は成功だ。これからよろしくなハルト。」


「僕も僕も~!」


 皆んなでそれぞれぎゅうううって抱きしめました。

 それでね、僕、皆んなにお願いしてみたんだ。契約でもいいんだけど、契約って言葉変えて、家族って言わないって。だってこれからずっと一緒に居るんだし、それに僕、家族が欲しいよ。お父さんもお母さんも居なくなっちゃって、叔父さんとは家族になれなくて。本当は僕、寂しかったんだ。

 僕の言葉に、最初びっくりしてた2人だけど、でも、家族でいいって。2人も家族の方がもっと嬉しいって。

 

 今日僕達は、家族になったよ。これからどうしようか。3人でいろんなことしたいね。森の中を探検するのもいいし、2人の他の仲間にも会ってみたいし。まあ、3人一緒だったら、何でも良いんだけどね。

 これから楽しみだなあ~。




 何でこんな所に子供が?俺の目の錯覚か?ロードファングと妖精といたように見えたが。何処からか、ロードファングが攫ってきたのか?

 とりあえず、冒険者ギルドと、領主様に知らせなくては。見間違いだろうが本当だろうが、どちらにしろ今のオレでは助ける事は出来ない。ロードファングだぞ。魔獣のランクでトップクラスの。上級冒険者が、最低でも10人はいる。それ以上か?

 早く早く。俺は馬を走らせた。

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