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56またまた声と、オニキス達の作戦会議

オニキスがそう言った時でした。突然何処からか声が聞こえて来たんだ。


『………だ。はや…、きに…、………だ』


 とっても苦しそうな声。僕も苦しくなっちゃうくらい。あれ? これスノーの時と似てない?僕はスノーを見ました。スノーはキョロキョロしてたと思ったら、僕の所にフラフラくっ付いて来て、グタってしちゃったんだ。


「はりゅと、ぼく、ちょっとくるちいの。しょれにこえきこえりゅ」


 やっぱり! これこの前と一緒だ。スノーと僕の波長があった時と。この声の人なんて言ってるか良く分かんないけど、苦しんでるのは確かだと思うんだ。僕もスノーもハアハアしてるし。でも…。スノーの時よりは平気かも。スノーの時よりも苦しんでないのか?


 僕達見てオニキスが達が心配して、みんなが僕達の事囲みました。オニキスに声が聞こえた事言って、ちょっと苦しいって報告してる時、また声が。


『だ………。…も………じか………ない』


 何? よく聞こえない。でも最後のところ、時間がないじゃないかな? 何の時間がないの? よく聞こえないこともオニキスに言ったら、スノーの時よりも距離が離れてるんじゃないかって。僕達と声の人物が遠いから聞こえにくいって。そうなのかな? でも、この火山地帯の何処かにはいるんだよね。


 僕達の様子見てたお父さん魔獣が話しかけてきました。


「波長があったか。もしかしたら…。おいそこの」


「俺の名前はオニキスだ」


「何でも良い。それよりそこの子供が首輪を外せるのは本当なんだな?」


「………ああ。本当だ」


「そうか。我に考えがある。が、おそらくお前も同じような考えだろう。だから2人だけで話がしたい。話をするのはお前が1番早いからな。人間の大きい方にハルトを見させておけ。奴らが戻って来る前に話をつけるぞ」


 オニキスは頷いて、僕達にどれくらい具合が悪いか聞いて来たよ。大丈夫って言ったんだけど、フウ達に言って花の粉の結界張ってくれました。そしたら具合の悪いの治りました。声も聞こえません。オニキスの結界と一緒です。でもまた粉使わせちゃってフウ達に見張りさせてごめんね。みんなだって不安なはずなのに、気合入れて見張りしてくれてます。

 オニキスは大事な話もし聞かれても困るって言って、粉があって良かったって言ってたけどね。それからお父さん魔獣とコソコソ話し始めました。


(オニキス視点)

「あの2人は完璧に波長が合っているようだな」


「ああ。それで今、ハルト達と波長があったのは、あの2人のうちのどちらかなんだろう?」


「おそらく。我が知っている限りではな。だがここからの距離を考えれば間違いないだろう」


 チッっと俺は舌打ちをした。おそらくドラゴンかフェニックスがハルト達と波長があったんだ。なんて面倒くさいものと。それよりも何でそう波長が合う。波長が合うのは本当に珍しいことなのに。一生のうちで1回あるかないかだ。それがもうこれで2回目だぞ。大体どうして俺じゃない!! それが1番問題だ。


 と、少し話がそれた。この建物のことと外の様子を聞かないといけない。ハルトが元気なうちにここを出て家に帰らなければ。あの家に戻れなければ、俺達の最初の家でもいい。とにかくハルトを安全な所へ。


 話を聞けばここは火山地帯の比較的入り口に近い所だということが分かった。ここに着いた時なかなかの熱量だったが。

 そしてドラゴン達がいるのは、ここからさらに火山地帯を中に入った所、中間くらいのところにいるらしい。中間と言っても火山地帯がかなり広いため、距離的にはかなりあるようだ。


 黒服がなぜ魔獣を狩り従わせたり、人の魔獣を奪ったりするのかは分からないらしい。ただ、たまにあの1番威張っている黒服が他の黒服に、奪った魔獣を従わせる訓練をしているらしい。その訓練場所がまた別の所にあって、ここはドラゴンを捕まえるために建てたのではないか。黒服は初めてここに来た時手下に、今回の捕獲には時間がかかると言っていたらしい。


 最初捕獲する相手がドラゴンだとは知らなかったようだ。相手がドラゴンだと分かったのはドラゴンと対峙した時だった。そのあとは先程のような話の出来事があったらしいが。

 それと同じタイミングでハルト誘拐計画も進行した。小さいハルトを拐うのはマロンの事もあり、子供を親から奪う事はしたくなかった。だがマロンや他の子供達を守るためには仕方なかったと話した。

 ふん。それについてはここから逃げ出して安全になったら報復させてもらう。


「さて、1番大事なことを確認するぞ。もしハルトがここから逃げて、火山地帯を抜けて安全な場所に行くのはどれくらい危険だ?」


「ただ逃げるだけなら、お前がいる。火山地帯の入り口にはすぐに行けるだろう。だが我もそれ以上は行った事はない。そこから何処へ逃げればいいか、何処が安全なのかは分からん。それに隙をついてここから逃げたとして、黒服達の邪魔が入らないという事は絶対にないだろう」


 まあそれはそうだろう。首輪を外していくら気づかれないように外に出ても、簡単に逃げられる訳がない。この前の虎魔獣達の件もある。虎魔獣が知らない対策が取られていてもおかしくない。逃げ出した時どれだけ早くここから離れることができるか。それが大切だ。


 それに、それ以外にも問題がある。俺はチラッとハルトを見た。もし今波長が合っているドラゴンかフェニックスを助けると言い出したら。言い出したらというか、必ず助けるとハルトは言ってくるだろう。

 そうなればうまく逃げ出せても、それで時間を取られてしまって黒服に追いつかれて、またここへ連れ戻される可能性がある。まあ、虎魔獣達の首輪を外していれば、そいつらが手伝ってくれれば対抗できるだろうが。はぁ。それもこいつに聞かなければ。


「お前達は俺達にどれだけ手を貸すつもりがある」


「我は手を貸してもいいと思っている。黒服から完全に逃げることができるまで。マロンがあの子供を気に入っている。我がここにくる時、絶対にあの子供を怒ったり威嚇するなと言われていたのだ」


「あの子供ではない。ハルトだ。それにお前、ハルトをだいぶ威嚇していただろう」


「まぁ、それは…。最初はマロンの言っていることが信じられず、部屋に入ってすぐにハルトのあの暖かい温もりには気付いたが、様子を見ようと思ってな。すまん」


 こんなに素直に謝られるとは思わなかった。まさかこいつらもハルトと家族になると言い出さないだろうな? ハルトは魔獣や妖精を惹き寄せる匂いかパワーでも出しているのか?


「じゃあハルトが首輪を外せば、お前達は手伝ってくれるんだな」


「他の魔獣には戻ったら聞いてみる。多分大丈夫だと思うが。ただ、他の魔獣の中には自分の子供を助けに行く者もいるぞ」


 そうかそれもあったな。それも考えなくては。1度全魔獣が集まって話が出来れば簡単なのだが。俺が考え込んでいると。


「いいか。きっと時間的にはあと2日後の昼頃までだぞ」


「は?」


 さっきここへくる前に黒服達が話していたらしい。2日後の昼頃別のもっと大きいアジトへと移動すると。奴らはこいつらに聞こえないように話していたらしいが、こいつは他の魔獣の何十倍も耳がいいらしい。それで聞こえたらしい。普段はあまりいろいろ聞こえすぎて自分で上手いこと力を使い聞こえないようにしているらしいが、外を出歩く時は聞こえるようにしているそうだ。

 それから、そういう虎魔獣の仲間がもう1匹いて、そいつはいつも聞き耳を立て、逃げるチャンスを伺っているらしい。


 大きいアジト…。そこはどんな所なのか? ただそこへ連れて行かれたら、逃げるチャンスは限りなく少なくなるだろう。そうなればハルトは…。ハルトが苦しむことが待ち受けている筈だ。


「おい。お前はあと何回この部屋の見張りに来られそうだ」


「あとは我の番は2回くらいだ」


「よし。これから言うことを他の魔獣に伝えて答えを聞いてくれ。その答えを俺は次にお前か番が来た時に聞く。そしてまた俺が伝言を伝える。いいな」


 まずはハルトが首輪を外すことを言い、それからのことだ。首輪を外してすぐに子供達を助けに行くのは待ってもらう。俺達が上手くここを抜け出して十分離れたら、各自行動を開始する。この合図が問題だが。


「それならばさっき言った仲間をここに残そう。あ奴はかなりの距離の声を聞き分けることができるからな」


 それは丁度いい。まずはここまでで他の魔獣達の了解を得られれば、次の作戦に動ける。あとはハルトに余計な時間を取らせないようにすれば…。


 その時フウ達が動き始めた。魔獣使いか黒服が来たのだろう。結界がなくなり少し具合が悪そうなハルト。ハルト待っていろ。必ずお前だけでも無事に。

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[一言] お疲れ様ですm(*_ _)m 早く、早く!
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