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55起きた出来事

ドラゴンについて聞きたかったけど、でも今はそんな時間ないよね。後でオニキスに聞いてみよう。

 ちょっとソワソワしてるけど、お父さんの話をそのまま静かに聴きます。


 お父さん達がここに来た頃、お父さん達無理やり従わされてる仲間の魔獣の中に、強い闇魔法を使うとってもとっても小さな小鳥魔獣がいたんだって。闇魔法の魔獣はあの黒服が優先的に捕まえてるらしいよ。自分達が闇魔法を使うからかな? 


「くろふくは、やみまほうちゅき?」


「そうだな。どこに行っても、黒い服の連中は闇魔法を使っていたからそうなのだろう」


 ふうん。なんか流石悪者って感じだね、闇って怖いってイメージだし。それでね、その小さい小鳥はいつも黒服が自ら連れて歩いてました。魔獣を捕まえるとき、その小鳥魔獣が魔法で捕らえるんだって。小鳥の魔法に捕まるとみんな絶対逃げられないんだって。だからここでドラゴンを捕まえに行く時も勿論、その小鳥は黒服と一緒にお父さん達と捕まえに行ってました。


 でもね、なかなかドラゴンは捕まえられませんでした。というか、今はまだ捕まってないみたい。


「ドラゴンちゅよい」


「ハルト、ドラゴンはどんな生き物よりもとっても強いんだ。そう簡単に捕まるような生き物じゃない」


 ってオニキスが。そっかぁ。やっぱり本で読んでたドラゴンと同じでとっても強いんだね。


 1日目も2日目も、ドラゴンに近づくことさえできませんでした。3日目になると黒服がその日だけついて来ませんでした。誰かに呼ばれたから行ってくるって言う話し声が聞こえたって。それからもっと強い魔力石を持ってくるって言う話も。黒服はお父さん達にドラゴンを捕まえるようにいい、サーカス団の2人を見張りにつけ、そのまま居なくなりました。見張りは首輪に自分達の魔力を流します。

 ここは火山地帯。黒服が持っている氷の魔法が使える魔力石が小さくて、あんまり長い時間黒服が外に居れなかったからじゃないかって。


 見張りと一緒にドラゴンの元へ。その日小鳥はとっても調子が悪かったって。ずっと黒服にこき使われてて、体も魔力もボロボロだったんだって。いつもみたいに戦うお父さん達。ドラゴン以外にもドラゴンと一緒に暮らす魔獣達とも戦います。

 その時突然お父さん達に声をかけてくる人? ううん、ドラゴンが。ドラゴンがお父さん達だけに分かるようにテレパシーを送って来ました。


『そこの小さき者。お主、これ以上戦えば、穢れに取り込まれるぞ。見ろ。穢れの気配が近づいて来ている』


『でもボク、言うこと聞かないと、この首輪で苦しくなるんだ』


『そんな物、我が外してやる。他の者達もだ。あのような人間どもに従うことはない。それに今首輪を外せば、あの者が傷を癒してくれる』


 お父さんは首輪を外せばもしかしたらそれに気づき、黒服が戻ってくるかも知れない。黒服は闇魔法で移動するのが得意だから。そうなれば全員の首輪を外すまでに奴が戻ってきて、首輪をつけている者に最大級の苦しみを味合わせるかも知れない。そうドラゴンに説明しました。


『では穢れ取り込まれるかも知れん、その小さき者だけでも首輪から解放しよう。もし穢れに取り込まれれば、結局はお前達にも被害が及ぶのだ』


 お父さん達も他の首輪付けられてる魔獣達も頷きました。1番小さい小鳥をみんな前から助けたいと思ってたんだって。小鳥の首輪をうまく外すことが出来たら、子供魔獣からどんどん首輪を外そうって話でまとまりました。


 お父さん達がドラゴンに攻撃するフリして、ドラゴンがその隙に見張り2人を一瞬で倒しました。すぐにドラゴンが小鳥の首輪を外します。首輪を外してもらった小鳥はその場にぐったりと倒れました。黒服は来ません。その時上空からとても輝く炎が近づいて来ました。とてもカラフルな炎を纏う鳥。


『大丈夫。俺が癒してやる』


「まさか?!」


 突然オニキスが叫びました。ビックリしたぁ。いきなり何?


「いつぶりだ。我々の前に現れたのは」


「何百年ぶりだろうな」


 何々?そんなに珍しい鳥なの? 


「ハルト、その鳥の名はフェニックスだ。とても珍しい、魔獣や人、すべての生き物を幸せにすると言われている伝説の鳥だ」


 えええ~?! フェニックスまでいるのこの世界?! まあ、ドラゴンが居るんだからいてもおかしくないと思うけど…。


 フェニックスは小鳥の前に降り立つと、すぐに小鳥を癒し始めたんだ。その間に黒服は来る様子がなく、ドラゴンは何匹かまとめて首輪を外し始めました。何十匹と居る魔獣の首輪外すんだから時間かかるよね。僕だってどのくらい一気に外せるか分かんないし。


 順調に子供魔獣達の首輪を外すドラゴン。それでもなかなか小鳥は良くなりません。それだけ小鳥の状態が悪かったってこと。

 それで子供魔獣は最後マロンだけになった時でした。それは突然だったって。突然何の前ぶれもなく黒服が現れたんだって。いつもだったら闇が現れて少し経つと現れるのに、闇と同時に現れたって。


 黒服はお父さん達を見て驚いた顔をしました。すぐにお父さん達は首輪のせいで苦しみ始めます。黒服の後ろから別の黒服達が何人か現れて、首輪を外した魔獣を捕まえ始めます。あの黒服はもちろんあの小鳥を捕まえようとします。そしてフェニックスに気づきました。そしてニヤっと笑いを浮かべました。


 首輪のせいでまた戦い始めるお父さん達。黒服達もいつもより強くなってたみたい。大きな魔力石を持って来てたって。そのせいで、小鳥達の周りは大混乱です。フェニックスは小鳥の治療を続けたけど、黒服達のせいで思いように治療出来ないでいました。


 と、黒服が隙をつきフェニックスと小鳥を攻撃しました。フェニックスは攻撃が当たる寸前に避けて、小鳥のことも守ろうとしたんだけど、少しだけ小鳥に攻撃が当たっちゃいました。そしてそれは起きました。

 黒いモヤモヤが小鳥に纏わりついて、小鳥はとても苦しみ始めたんだ。そう穢れが小鳥を取り込んだの。穢れはこの前のオニキス達みたいじゃなくて、すぐに小鳥の意識をなくし、意識のなくなった小鳥はみんなを攻撃し始めました。


 黒服も首輪を付けてる魔獣もそうじゃない魔獣も。全員です。そのときドラゴンとフェニックスが小鳥を囲み、穢れを祓い始めました。強い力を持っていた小鳥に取り付いた穢れは、物凄い力になっていました。

 黒服達も手が出せず、それどころか全員がやられると思ったらしいです。でもその時…。


 ドラゴンとフェニックスが小鳥を挟むように立ちはだかりました。そして2人で小鳥の穢れを祓い始めました。なかなか祓えない穢れ。それでも2人は諦めずに祓うことをやめません。


 そしてついに小鳥の穢れを祓うことに成功しました。地面に落ちる小鳥。その小鳥をたまたま近くにいた妖精が癒してくれました。そのおかげですぐに小鳥は意識を取り戻して、少しだけど元気になりました。でも…。


 祓った穢れは消えることなく、ドラゴンとフェニックスを襲いました。小鳥が慌てて2人に近づこうとします。これを見逃さなかった黒服達も近づこうとしました。そんな黒服をドラゴン達の仲間が防ぎます。


「ボク、ボク…」


『さっさと逃げろ…。皆お前を助けたくてやったことだ…。そんなお前がまた捕まることがあれば皆の思いが無駄になる…』


『我らのことは心配するな…。さあ、早く逃げるのだ…』


『結界を張ってやる…』


 フェニックスが小鳥に結界を張りました。小鳥がお父さん達の方を見ます。お父さん達が頷いたのを見て、小鳥は泣きながら飛び立ちました。


 こうして小鳥は助かったけど、そのあとドラゴンもフェニックスも穢れに苦しんでるみたいです。ただ仲間の魔獣達がさらに一致団結して守ってるみたいで、今は何とか黒服達の手には落ちてないって。黒服は大きな魔力石を2人に見せて、従えば穢れを祓ってやるって言ってるんだって。

 それからお父さん達の方は、また捕まっちゃった子供魔獣を脅しに使って、首輪と両方で従わせてるって。


 なんて奴!! そんな酷いことするなんて!! ん? でもそれと僕が首輪外すのと何の関係が?


「ハルトが首輪を外しても、奴は気付かないってことだ。それならば何とかなるかも知れない。ただ…。お前達にも手伝ってもらえればだが」


 オニキスがお父さんの方をじっと見ました。


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[一言] お疲れ様ですm(*_ _)m 早く助けなきゃ!
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