表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/150

46プレゼントと、いよいよサーカス!!

 次の日、いつもは眠くてゆっくりな朝ごはんを、ささっと済ませた僕は、この前買って貰ったオニキスのカバンを下げて、玄関ホールで準備万端お父さん達を持ってました。早く早く!


「何だもう用意出来てるのか」


 ゆっくりゆっくり階段を降りて来るお父さんとお母さん。だってあのカフスボタン買わないと。グレンへのプレゼント。でもあのカフスボタンカッコいいから売れちゃってるかも。う~ん気になる。

 あっ、それからね、ビアンカにもプレゼント考えたんだ。ビアンカには花の飾りが付いた髪留め。それもあのお店に置いてあったの思い出して、今日一緒に買って貰うことにしたんだ。


 お父さんの手を引っ張ります。外に出たらリスターとロイが待ってました。今日は広場でお買い物してお昼食べたらいよいよサーカス観覧です。楽しみだなぁ。今日行くメンバーは僕達とお父さんお母さん、リスターにロイです。お兄ちゃんは学校のお友達と観に行くんだって。お友達、僕は家族いっぱい。そのうちお友達出来るかな?

 一生懸命早歩きしたんだけど、お父さん達と歩く速さ変わらないんだもん。ちょっとムッとしながらオニキスに乗って広場に行きました。その方が早いからね。

 広場に着いて一直線にあのお店に。そして…。良かったぁ~、あったよ。カフスボタンに髪留め。売れてなくて一安心。


「おとうしゃん、これとこれ、かってくだしゃい。」


「ん?こんなのが欲しいのか?」


「えと、グレンとビアンカにぷりぇじぇんと」


「ああ、そういうことか。2人にピッタリな物見つけたな」


「ハルトちゃん、プレゼントするならプレゼント用の包みとリボンも買うといいわ」


 包みとリボンはお母さんと一緒に選びました。グレンには濃い緑の包みと青いリボン。ビアンカにはオレンジの包みと赤いリボンにしました。後でお母さんがきれいに包んでくれるって。大切に僕のカバンにしまいます。


 ちょっとだけ輪投げや的当てで遊んでお昼食べました。トイレも済ませていよいよテントの中に入ります。

 僕達の席は1番サーカスが観やすい席。ちょっと上の方の席です。僕もオニキス達連れて入ってるけど、他のお客さんもみんな魔獣連れてきてます。これがこっちの普通なんだもんね。地球じゃ考えられないよ。あと外は明るいけどテントの中は結構暗くて、そこら中に光の魔力石が光ってました。

 

 サーカス待ってる間はサーカスの人達がお菓子やジュース、サーカスグッズ?みたいな物を売りに来ました。僕は果物買ってもらってみんなで食べたよ。それにサイダーみたいなジュース買って貰いました。まさかここでサイダー飲むなんて思わなかったよ。


 そんなことしてたら、いきなり全部の光が消えてテントの中が暗くなりました。次の瞬間、真ん中のステージの所が明るくなって、そこに団長さんとあの羊みたいな魔獣が。ぽんぽんぽんって天井近くまで火の輪っかができて、それを魔獣が一気に潜りぬけました。観客は全員大きな拍手。僕達もみんなで頭の上で拍手です。


 それに見入ってたらいつの間にかステージには女の人と大きな虎の魔獣が3匹。女の人が手を上げて合図すると、的が3つ空中に浮かびました。虎の首輪と同じ色の的です。赤と青と緑。緑色の子が1番小さいです。

 虎が火を吐いたり、水を吐いたりしてお互いを攻撃しながら的を壊そうとします。これが凄い迫力なんだ。火の熱さとか、水のしぶきとか、観客の席も巻き込まれそうになるんだよ。でもいつの間にか観客席には見えない壁が。魔力石を使って結界を張ってるんだって。そうだよね、絶対怪我するよ。

 そして勝ったのは、なんと1番小さい虎でした。勝った虎がステージを一周して出て行きます。


 次は人の演技。トランポリンみたいなのを使った技です。10人くらいの人達が宙返りしながら魔法を使っていろいろやります。例えばトランポリンでジャンプした後、誰かが風魔法使ってさらに高く上げてそこからくるくる何度も宙返りしながら着地するとか。よくあれだけ高い所から落ちてきて怪我しないよね。


 その後にもいろいろな演技があって、始まってちょうど半分ぐらいが終わった頃、ステージにたくさん小さい魔獣が出てきました。ちょこちょことっても可愛い小型犬くらいの魔獣です。何か荷台みたいなのが出てきてそれに順番に乗っていきます。1番したが5匹で次が4匹、そうピラミッド。1番上は1番小さい魔獣が。可愛い三角帽子かぶってます。う~ん可愛い。僕はずっと拍手しっぱなしです。


 次は綱渡り。綱の真ん中あたりまで来て止まった団員さん。後ろからオニキスみたいな魔獣が綱渡りしてきます。そしてくるっと宙返りして団員さんを越えて綱に着地しました。それからもう1回宙返りして今度は頭の上に着地。最後は2人で宙返りして着地。それ見たオニキスが。


「あれくらい俺でもできるぞ。今度一緒にやってみるか。家に綱引っ張ってもらって」


 って。オニキスは出来るかもしれないけど、僕が出来ないよ。


「キュイキュイ」


「キュキューイ」


「2人もできると言っている」


 いやだから僕が出来ないからね。もう、僕普通の2歳児なんだから。でしょう?


 続いて空中ぶらんこです。これは地球で見たのとおんなじ感じ。ただぶらんこするのは人だけじゃありません。魔獣も一緒。猿みたいな魔獣とか、何とブレイブ達みたいな小さい魔獣がしっぽ使って空中ぶらんこしてました。ブレイブ達はそれ見て自分のしっぽ見て、ブンブンしっぽ振り回してました。


 最後は全員がステージに出てきてそれぞれが技を披露します。パレードの最後の盛り上がりって感じです。もう僕大興奮だよ。乗り出す体をお父さんが一生懸命抑えてます。


「ほらハルトあんまり前に出るな」


「ふわわ、しょごいしゅごい!!」


「はぁ。まあ楽しそうで何よりだ」


 凄い盛り上がりのままサーカスは終了しました。もうね感激だよ。こんなに凄いサーカスだなんて思わなかった。最後の日にもう1度見れるんだよね。嬉しいなぁ。

 夕飯をそのまま広場で食べて家に帰ったんだけど、サーカスの興奮が収まらなくてフワフワした気分のまま、オニキスに乗って家まで帰りました。その間自然と鼻歌が。


「ふんふん♪ふんふーん♪ふっんふーん♪」


「あのキアル様すみません。ハルト様のあれは?」


「ん?ああ、あれは音痴だが鼻歌だ。メロディーも何もあったもんじゃないが」


「あれ鼻歌なのですか?!」

 

 ちょっとロイ、そんなに驚かなくていいじゃない。僕全然音痴なんかじゃないよ。絶対そうだよ。うん!


 家に帰ってからは早速お母さんにラッピング手伝って貰いました。僕が包んでお母さんがリボンしてくれる事になったんだ。買った時は包むのもお母さんがやってくれるって言ってたんだけど、僕が出来るところまでは自分でやりたいもん。せっかくのプレゼントだからね。


 こうしてこうやって、うーんこれじゃダメ。外に出ちゃってるよ。よしもう1回。あれ今度はグチャグチャに。次!ん?三角になっちゃった。


「おい。あれ包紙もつのか?切れるんじゃないか?」


「しっ、せっかく頑張って包んでるんだから。それにね包紙、予備に何枚か買っておいたのよ。多分自分でやるって言うと思ったから」


「ふっ、流石だな」


 後ろで何かボソボソ話してるけど、ちょっと静かにしてて。僕今大事なところだから。よし今のところはいい感じ。後はこうして最後にここを折って…。ありゃりゃ、包みが破れちゃった…。どうしよう、包紙ないよ。

 僕がしょんぼりしてたら、横から同じ包紙がひょいって。横見たらお母さんがニコニコ顔で包紙を僕に渡してくれます。


「大丈夫よ。紙はたくさん買ってあるから。ハルトちゃんが出来たと思うまで頑張って」


 お母さん予備の包紙買っててくれたの?ありがとう!僕はお母さんに抱きついてありがとうして、もう1回包むのに挑戦。そして何度目かで、


「できちゃ!!」


 オニキス達の方見たら、何とも言えない表情してます。何?文句あるの?


「頑張ったわね。じゃあ、今度はお母さんの番ね。」


 お母さんが可愛くリボンつけてくれました。え?ただのリボンで何でそんな事出来るの?リボンの結び目が花みたいになってるの。凄いね。

 今日はもう遅いから、明日の夜のご飯食べ終わってゆっくりしてるときに渡そうっと。2人とも喜んでくれるかなぁ。楽しみ!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ