表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/150

38お店通りで遊ぼう! 2

 次々にお店見ていくけど、1番多いお店は武器を売ってるお店みたい。それか、冒険者が冒険に必要な道具を売ってたり、魔力石ばかり売ってるお店。それから怪我をしたり、毒とか受けちゃった時用に、回復のポーションや解毒剤を売ってるお店もあります。

 これは上手に魔力石で怪我が治せない人達のため。ちょっとの回復魔法が使える人は居るけど、この前みたいに、僕の風邪を治したりする事が出来る人は、あんまりいないんだって。冒険者でパーティーを組んでて、そういう人がいなかったら、ポーションが必要です。ただ冒険とかするだけじゃなくて、そういうの用意するのも大切だよね。


 それから、所々にある食べ物のお店から、本当にいい匂いがしてきます。さっきは鳥のクチバシだけ売ってるお店があったよ。ロロ鳥っていう鳥がいて、その鳥のクチバシを蒸して食べると、プリプリしてて美味しいんだって。体の方は、骨と皮ばっかりでダメみたい。後でお昼に買ってくれるって。

 

 お母さんがあるお店の前で止まりました。お店通りには屋台風のお店と、家タイプのお店があります。今お母さんが止まったのは、家タイプのお店です。


「お母さんここに用事があるの。さあ、入りましょう。」


 皆んなでお店に入ります。シーライトのお店は、お店に入れるサイズの魔獣なら、一緒に入る事が出来るから、オニキス達と一緒にお店に入りました。

 中に入ると、小さい手の平サイズの乗り物のおもちゃや、ぬいぐるみ、それから積み木みたいなおもちゃ、たくさんのおもちゃを売ってました。うん。おもちゃ屋さんだね。お母さんはおもちゃ屋さんに入ると、すぐに店員さんのところに。僕達はその間、おもちゃ見て待ってました。


 僕がお屋敷で暮らしてから、お父さんもお母さんも、たくさんのおもちゃをくれました。お兄ちゃんも時間がある時は、そのおもちゃで僕と遊んでくれます。僕けっこう遊ぶの楽しいよ。地球に居た時の僕は、おじさんの家に行ってからずっと、おじさんの仕事の手伝いばっかりしてて、書類分けとか、手紙の整理とか、面倒くさい仕事ばっかりさせられてたっけ。もちろんその前は、テレビゲームとかしてたけど、そんなものここにはないし、遊ぶとしたらおもちゃ。だからもらったおもちゃで遊んでたらハマっちゃった。


「ハルト、フウはこのお碗ほしいな。お花の絵が描いてあるやつ。これおままごとの道具なんでしょ。なら、これで遊びたい!」


「なら僕はこっち。このギザギザ模様がカッコいいお皿がほしい!」


 僕達が集まって話してたら、お父さんが何話してるのか聞いてきました。それで、みんなが欲しい物言ったら買ってくれるって。なので、皆んなで1つずつ欲しい物買って貰いました。フウとライはさっき言ってたやつ。スノーは水玉模様のちょっと大きいお皿。ブレイブとアーサーは、木の実の絵が描いてあるコップをお揃いで。僕はいろいろな魔獣の絵が描いてあるお皿です。最後にオニキスは。


「オレはこれにしてくれ。」


 オニキスが持って来たのは、僕の顔よりも大きい器。それおもちゃなの?まあ、ここに置いてあるんだから、おもちゃなのかな。

 皆んなで選んだおもちゃを袋に入れてもらって、僕が持つって言ったら、お父さんが大丈夫かって。大丈夫だよ。それにせっかく僕達の遊び道具買って貰ったんだから、自分で持ちたい。

 

 僕達の買い物が終わって、お母さんがちょうど戻って来ました。手には何かの包紙持ってます。僕達と反対側で、店員さんと何かしてたから、何買ったか分からないけど、お母さんはとってもニコニコ。


「あら、何買って貰ったの?」


「えと、おままごとのどうぐ。」


「そう。良かったわね。お母さんも良い物買えたわ。さあ、次に行きましょうか。」


 皆んなで次のお店に行きます。僕の持ってるおもちゃの袋。けっこう大きくて重かったよ。途中何度もズルズル地面擦っちゃった。だから僕が袋の手で持つ所を持って、オニキスが袋の底の部分を咥えてくれました。


 お昼は噴水の所に皆んなで座って、お父さんが買って来てくれたご飯を食べます。僕は美味しそうなソーセージがあったからそれと、さっきのロロ鳥のクチバシ。それから木の実のジュースです。お父さん達は、やっぱりステーキとか、ボリュームのあるお肉食べてます。お兄ちゃんは魚魔獣のサンドウィッチ。


 ロロ鳥のクチバシ、とっても美味しかったです。プルプルしてて、でもそれなりに歯応えもあって、そうだあれに似てるんだ。豚足をもっとプルプルした感じ。味は甘いタレがかかってます。

 ソーセージは、ひと口食べたら肉汁がじわって。ううん。じわっじゃないね、ぼたぼたぼたって。そんなに凄いなんて知らなかったから、ズボンに付いちゃったよ。すぐにオニキスが綺麗にしてくれたけど、気をつけて食べなくちゃ。もちろんソーセージもとっても美味しかったです。


 お昼が終わって、またお店を見て周ります。お昼過ぎたのに、まだ半分も回れてないよ。だって面白いお店ばっかりで、すぐに止まっちゃうから。

 お店通りの中心に近づいてきたら、大きな建物が2つ見えてきました。初めて街に来た時も見たけど、てっきりあの建物も皆んなが暮らしてる家だと思って、何も聞かなかったんだ。でもあの建物、よく見たら看板が付いてる。そうか、ここがこの街の冒険者ギルドと商業ギルドなんだ。

 5階建ての大きな建物です。いろいろな人達が出たり入ったりしてて、どっちの人達もみんな忙しそう。あっ、今冒険者ギルドに魔獣肩に担いだ人達が入ってった。商業ギルドの方には、アレは薬草かな?カゴにいっぱいの草を運んで行きました。


「ハルト目がキラキラしてるよ。ハルトはどっちのギルドに入ってみたいの。」


「んと、ぼうけんしゃぎるど。」


「そっか。そうだ。僕の冒険者ギルドのカード見てみる?」


 お兄ちゃんが自分のカバンから、小さい銀行のキャッシュカードくらいのカードを出しました。それを僕に渡して見せてくれます。字が読めないから、お兄ちゃんが説明してくれました。


「1番上が名前で、次が入ってる冒険者グループの名前。それで次が冒険者のランク。ランクって分かる?自分が冒険者でどのくらいの強いか書いてあるんだよ。」


 おお、さすが異世界。やっぱり冒険者のはランクがあるんだ。ランクは1番上がSSSランクで、SS、S、A、B、って下がっていって、1番下がEランク。お兄ちゃんは今Cランクだって。お母さんがお兄ちゃんを褒めます。お兄ちゃんはお父さんやグレンと訓練してるから、他の同じ歳くらいの子よりも強いんだって。だから他の誰よりも早くCランクに上がれたって。

 お兄ちゃん、もっと頑張らないとって言ってたけど、本当は凄いんじゃん。


「にいしゃん、しゅごい!」


 僕は頭の上で拍手。他の皆んなもそれぞれ、お兄ちゃんの周りを回ったり、体にすりすりして褒めてます。お兄ちゃんは恥ずかしそうに、顔を赤くして照れ笑いしてました。

 いいなぁ、お兄ちゃん。僕も早く冒険者ギルドに入ってみたいよ。でも、冒険者ギルドに入るにも登録するにも、僕にはやらなくちゃいけない事がいっぱい。剣と魔法の練習でしょう。それからどんな魔獣がいるのか、どんな所で暮らしてるのか覚えなくちゃいけないし。僕が考えてたの分かったみたいで、お父さんが話しかけてきました。


「ハルトには少し早いな。もう少し大きくなったら、俺がいろいろ教えてやるから、それまではハルトはたくさん遊んで、たくさんご飯食べて、毎日を元気いっぱい過ごすんだ。」


 僕は大きく頷きました。お父さんの言葉がとっても嬉しかったです。そうだよね。そのうちなんでも出来るようになるよね。今はオニキス達と皆んなで楽しく過ごせればいいや。

 そんな事思いながら、次のお店に移動しました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ