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29契約完了。新しい家族。

 箱を全部確認し終わって、魔獣のあかちゃんの奴隷の首輪が、全部ちゃんと外れたか確認して、その確認が出来たから、皆んなで街に戻ります。ギルドマスター達は僕達より先にガントさん達が冒険者ギルドへ連れて行きました。


「よし街へ帰るぞ。ハルトはオニキスに乗って帰るとして、オニキス、子供達に荷馬車に乗るように言ってくれ。もしこの森に残りたいなら残ってもいいとも。もし帰る場所が分からないなら、私達が保護しても良いんだが。ヤク達のせいで人間に保護されるのが嫌な魔獣も居るだろうし、そういう子供達については後で考えよう。」


 お父さんの話聞いたあかちゃん達。森に残る子達が殆んどでした。この森で捕まっちゃった子ばっかりだったみたい。皆んなお父さんやお母さんの所に帰るって。僕の周りクルクル走り回ってから、皆んな森の奥に帰って行きました。

 残ったあかちゃんは、ホワイトノーブルタイガーとルーリアと数匹だけ。そのあかちゃん達も、街にはあんまり行きたくないみたい。それ聞いたオニキスは何度か遠吠えしました。ちょっとして残ってたあかちゃんと同じ種類の魔獣が、何匹か現れました。オニキスが呼んだみたい。このあかちゃん達の事任せるって。皆んなその魔獣にくっついて帰って行きました。


 お父さん達はあかちゃん達が乗らなかった荷馬車に、箱を積み上げていきます。その間僕は、残った2匹に森に帰らなくて良いのか聞きました。


「ぼく、ハリュトといっしょいくでしゅ!けいやくでしゅ!」


「キュイキュイ!」


 2人とも僕と一緒に居たいって。オニキス達も賛成してくれてます。フウとライは僕達の乗り物にぴったりとか言ってたけど…。ブレイブは仲間が出来て嬉しいって。オニキスは本当は僕の家族が増えるの嫌だけど、こんなに波長が合う事はない事だから、家族になっておけって。ルーリアの方はブレイブが喜んでるからしょうがないって。

 何か皆んな、賛成の理由がちょっと…。でも、あかちゃん可愛いし、家族増えるのは嬉しいよね。


 よし、契約前に名前考えなくちゃ。ホワイトノーブルタイガーはホワイトだからスノーでいいや。ルーリアは…、この子男の子?オニキスに聞いたら男の子でした。うーん。どうしよう。ブレイブはカッコいい名前で考えたでしょう。今度もカッコいい名前がいいかな?アーサー何てどう?確か前に本で読んだことあったっけ。意味は勇敢な、高貴なだったかな。うん。これにしよう。


 2人に名前の確認してもらって、2人とも喜んでくれたから、次は契約です。

 オニキス達と契約した時の事思い出しながら、魔力を溜めます。あったかい物が胸に溜まって。僕は2人の頭に手を置きました。


「シュノー、アーシャー、ぼくとけいやくちて。」


 光が僕達を包みます。


「お、おい何やってる?!」


 お父さんの声が聞こえたけど、今は何も見えません。すぐに光は消えました。契約成功したみたい。お父さんが駆け寄ってきます。ライネルさん達も。


「ハルト!オニキス!今の光は何だ?!」


「おとうしゃん、かじょくなりまちた。みんな、かじょくでしゅ。うれちいでしゅね。」


「は?家族?オニキスどういう事だ。」


 オニキスがお父さんに説明してくれました。僕とスノー、アーサー、フウにライ、皆んなで頭の上で拍手です。オニキスの説明聞いてお父さんはびっくりした後、何かガックリしてたけど、どうしたんだろうね。

 

 契約も成功して、僕はオニキスに乗って、僕の前にはスノーとアーサーが乗っかって、僕の肩にはフウとライ。それから頭の上にブレイブが乗りました。


「森からここまで来ただけなのに、随分と大所帯になったな…。お父さんびっくりだよ。はあ。」


 そう言ったお父さんの顔は、とっても疲れた顔してました。お父さん達はギルドマスター達捕まえたり、いろいろな事したから疲れてるよね。街に戻ってもきっとまだ、仕事が残ってるはず。確か僕の風邪治してくれた冒険者さんがいたよね。後で見かけたらお父さんの疲れとる魔法かけてもらおう。

 そんな事を思いながら待ってると、全員が並び終わって歩き始めました。

 さあ、街に帰ろう!!ゾロゾロ皆んなで歩きます。


 僕は家族が増えて嬉しくて、いつの間にか鼻歌歌ってました。それを聞いたお父さんとザインさんが吹き出しました。


「ぷっ、何だその鼻歌。リズムがバラバラじゃないか。」


「ハハハッ、それじゃあ歩くタイミングがズレっちまうぞ。」


 え?そんなにおかしい?「ふふふん、ふん、ふっふっふっん。」こんな感じだけど…。でもこの鼻歌、皆んなには人気なんだよ。洞窟にいたとき、皆んなにこの鼻歌歌ってあげて一緒に寝たんだよ。


 どんどん歩いて、そして街が見えてきました。空はもう明るくなり始めてます。街に入る頃にはだいぶ明るくなってました。う~ん。オニキスに乗って、良い具合にゆらゆら揺れてたら、眠くなっちゃったよ。こっくり…、こっくり…。ゴロンッ、ドシャ。


「ハルト?!」


 お父さんが慌てて僕を抱き上げました。


「いちゃい…。」


 いてててて、また寝ぼけてオニキスから落ちちゃったよ。元の体なら、これくらい起きてられたのに、お子様だからかな。眠気に勝てなくて、たまにオニキスから落ちちゃう。


「ライネル。すまないが先にギルドに行っててくれ。俺はハルトを宿まで送ってくる。宿の人にもハルトの事を頼んでこないといけないしな。」


「分かりました。では私達は先に。」


 ライネルさん達と別れて、僕は宿に戻りました。部屋に入って汚れた洋服をオニキスに綺麗にしてもらって、お父さんが宿の人に用意してもらった、ホットミルクを飲んで、ベッドに入ります。


「ハルトゆっくり眠りなさい。起きたときに俺は居ないかも知れないが、夜までには戻ってくるから、オニキス達と静かに待っててくれ。」


「わかっちゃ。おやしゅみなしゃい。」


 何かいろいろあって疲れたけど、家族も増えて、僕はとっても幸せな気持ちのまま眠りにつきました。


(キアル視点)

「じゃあ、ハルトの事頼むぞ。」


「ああ。分かっている。」


 部屋から出て、もう1度宿の人にハルトの事を頼むと、急いでギルドにむかう。これから取り調べだ。交代で仮眠を取りながらだな。

 はあ、これで少しシーライトに帰るのが遅くなる。あいつらは怒るだろうな。手紙で早くハルトに会いたがってたから。


 いやそれにしても、急に明るい光にハルトが包まれた時は驚いた。ヤク達のせいでまた何かあったのかと思えば。勝手に契約してるとは。

 まあ、波長が合うくらいだから、契約した方が良いんだろうが、ホワイトノーブルタイガーだぞ。今まで人前で確認されたのは何回だ?ましてやその子供だ。そんな魔獣と簡単に契約してしまうなんて。おまけにルーリアまで。シーライトに着くまでに、どれだけ契約魔獣が増えるんだ?

 

 挙句、あの首輪のことだ。オニキスによれば、魔力を溜めて、外れちゃえと言っただけだとか。そんなことで簡単に奴隷の首輪を外してしまうなんて。

 穢れを祓う力といい、魔獣や妖精と簡単に契約してしまう事といい、首輪を簡単に外してしまう魔力といい、どれだけ規格外なんだ。まったくうちのハルトといったら。屋敷に帰ったらどう説明したものか。


 いろいろ考えながらギルドに入り、ヤク達の居る地下の牢屋に向かう。これから尋問だ。なるべく早く終わらせて、ハルトの所へ戻ろう。

 そう思っていた私の考えは、思いもしない形で叶う事となった。まさかあんな事が起きるとは。


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