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16美味しいご飯と領主様

 テントの所に着いて、皆んなが僕達を見てて、僕はオニキスに下ろしてもらって、オニキスの後ろに隠れました。うん、ジィーっと見られるのはやだ。恥ずかしいしドキドキするから。


「おい、ハルトは人に馴れてないんだ。そんなにいっぱいの人間に見られてたら、ずっと隠れたままだぞ。」


「ああ、そうか。悪い悪い。皆んな解散してくれ。後で紹介出来ればするから。ハルトはオニキスに隠れたままでいいから、俺に付いてきてくれ。」


 キアルさんについて行って、1番大きいテントの中に入りました。小さい机と椅子が置いてあって、そこにはたくさんの紙が置いてありました。ここでキアルさんはお仕事してるんだって。この森を調査して、気づいたことや、分かったことをまとめて、家に帰ってからまたそれをまとめる。何か大変そうな仕事だね。

 キアルさんは、さささって机の上片付けて、僕を椅子に乗っけてくれました。


「うん。流石にすれすれか。まあ、何とかなるか。俺が手伝えばいいしな。」


 椅子に座ったら机が僕の肩くらいに。そんなことしてたら、男の人が何か持ってきました。とってもいい匂いのするお碗です。ご飯持ってきてくれたんだ。


「さあ、どうぞ。熱いですからね、気をつけて食べてください。こっちはフルーツの飲み物ですよ。…ちゃんと食べれそうですか。何か机から顔しか見えないんですが。」


「大丈夫だ。俺が手伝う。それから食べ終わったら…。」


 キアルさんは男の人に何か言うと、男の人はうなずいて外に出て行きました。

 僕はスプーンを持ってお碗の中身をすくいます。うん、やっぱりいい匂い。それからスプーンを見て、すくった物を見ました。白い湯気がふわふわ~って。それからお米みたいのが入ってました。僕はあむって口に入れます。アツッ!


「アチュっ!!」


「ああ、ほら水飲め。」


 こくこく。口の中に水を溜めます。それから飲み込んで。ふー熱かった。キアルさんが僕がまた今みたいにならないように、スプーンですくってフーフーして、食べさせてくれました。口に運ばれるまま、あむあむ食べます。本当に小さい子供に戻っちゃったみたい。まあ確かにお子様なんだけど。それにこの頃、この小さい体にも言葉使いにも慣れてきたし、やっぱりもうここは、小さい子供として生活するしかないよね。


 ご飯はやっぱりお粥でした。とっても美味しいかったよ。美味しいかったからおかわりしちゃった。オニキス達も味見したいって、お粥もらってました。それにしてもこの世界ってお米があるんだね。他には同じ物あるのかな。例えばうどんとかパンとか。

 ご飯食べ終わって、もうお腹ぱんぱん。ちゃんとご馳走さましたよ。そしたらキアルさん、ちゃんと言えて偉いなって褒めてくれました。僕嬉しくなっちゃって、思わず笑っちゃった。えへへへへって。そしてらキアルさんが、顔押さえてガックリしちゃった。え?大丈夫。


「だいじょぶでしゅか?おなかしゅいてるでしゅか?」


「い、いや何でもないんだ。」


 キアルさんすぐに復活したけど、本当に大丈夫かなぁ。


「どうだった。ご飯美味しかったか?」


「うん!」


「そうか。良かった。それでハルト、俺は俺の仲間を紹介したいんだがいいか?たくさんは呼ばない。3人と1匹だ。」


 3人と1匹?どういうこと?まあ、そのくらいの人数だったら僕も緊張しないはず。さっきは多すぎ。僕が頷くとキアルさんが誰かを呼びました。呼ばれて入ってきた人達は、大きい体の人と、ちょっと背の低い人、ご飯運んで来てくれた人でした。それからご飯運んで来てくれた人の方に、オウムみたいなちょっと大きい鳥が乗ってました。毛がふさふさ。触ってみたい。だから3人と1匹だったんだね。鳥はサッと飛んでキアルさんの肩に。


「こいつは俺の契約魔獣で、名前はルティーって言うんだ。よろしくな。」


「ルチー。よろちくね。」


 そわそわ手を引っ込めたり伸ばしたりしてたら、皆んなに笑われちゃった。キアルさんが触って良いって言うから、頭をそっとなでなで。ふわわわ。ふわふわのモコモコだあ。ルティーも僕の手にすり寄ってくれて、それからまたサッて飛んだと思ったら、僕の頭の上に止まりました。


「ほう、珍しいな。こんなに早くルティーが懐くなんて。いつもだったら、何回もあってようやく慣れてくるのに。」


 へぇー、そうなんだ。僕はルティーを頭の上に乗せたまま、他の人達の紹介を聞きました。頭の上でルティーとフウとライがちょっとうるさい。


「この3人は俺の部下で1番の仲間だ。部下って分かるか?部下っていうのは簡単に言えば、なんて言うか…。まあ、部下は部下だ。」


 それ説明じゃないよね。まあ僕は分かるからいいけど、他の小さい子供だったら分かんないよ。ご飯運んで来てくれた人がため息つきました。


「何ですかその説明は。まったく。そう言えばキアル様、自分の紹介はちゃんとしたんですか?」


「…。ああ、名前は名乗ったぞ。」


「…でしょうね。では私が全部まとめて紹介しましょう。まず私の名前はライネルです。それからこっちの…。」


 ご飯を運んで来てくれた人はライネルさん。ライと同じ名前みたい。それから体の大きい人はガントさん。小さい人はアランさんです。ライネルさんは僕にゆっくり紹介してくれました。それで分かったこと。

 キアルさんは領主様でした。領主様って結構偉い人なんじゃなかったっけ。何かこの森から2日くらいの所にあるまちの領主様なんだって。


 領主様、ライネルさんに怒られてました。ちゃんと僕に分かるようにしっかり説明しないといけないだろうって。まあ、領主様のことは言ってくれても良かったよね。僕に言っても分からないって思ったのかもしれないけど。僕は椅子からよいしょって下りてライネルさんの所に。


「あのね。ぼく、だいじょぶ。りょうしゅしゃま、やしゃしい。」


 だって見ず知らずの僕を回復して、ご飯まで食べさせてくれたんだよ。僕の言葉にライネルさんは、本当にいい子ですねって、頭を撫でてくれました。ふへへへ。


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