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14良かったね子ファング。それと風邪ひきました。

 次の日になって僕達の家に、お父さんファングと子ファングが遊びに来てくれました。もう完全に元気になったって。子ファングがとっても嬉しそうに、僕達の周りを跳ねまわってます。良かったね子ファング。

 皆んなで湖に行って、たくさん魚魔獣をとりました。僕がね、せっかくお父さん元気になったんだから、皆んなでお祝いしようって言ったんだ。お祝いっていったらご馳走がいるよね。

 皆んなにお祝いのこと話したんだけど、お祝い知らなかったよ。魔獣はこんなことしないって。えー楽しいのに。なので、僕が教えてあげるんだ。


 料理は魚魔獣と、木の実たくさん。それからねキノコ。フウとライがこれ美味しいよって持って来てくれたのがキノコだったんだ。しいたけみたいなのでオニキスが、そう言えはこんなのもあったなって。…言ってよ。

 キノコと魚魔獣を焼いて、焼いてる間、オニキスとお父さんファングが見ててくれるって言うから、僕達はそのまま湖で遊んでました。


「ばしゃばしゃ!!」


 僕が皆んなに水かけたら、皆んなが真似して水かけ合戦。そして何気に強かったのはブレイブ。ブレイブ泳ぐのも上手かったんだけど、大きなリスみたいなしっぽで、水をバシャバシャバシャッ!すごい勢いで水かけてきたよ。


「ふわああああっ!」


「わあああ!」


「たすけてえー!」


「なにもみえないでしゅう!!」


 うん。びっくり。皆んなで逃げちゃったよ。そしたら凄い勢いで追いかけてくるんだもん。地面歩くのだって危ない感じなのに、水の中なんて上手く歩けないよ。思いっきり転んで溺れそうに。オニキスが僕を優しく咥えて助けてくれました。今度から遊ぶ時は気をつけなくちゃ。


 魔法で体を乾かして、綺麗に焼けたキノコと魚魔獣をお皿にのっけて、皆んなの前に置きました。もちろんお父さんファングのご飯が1番多くね。今日の主役です。木の実も配って準備完了です。


「いたらきましゅ!」


 そう言ってほとんど一瞬でした。オニキスとお父さんファングのご飯がなくなるのは。うーん。あいかわらずだね。あの大きな口だからしょうがないけど、もうすこしゆっくり食べられない?お子様組はゆっくりご飯です。

 フウが言ってた通り、キノコとっても美味しかったです。食感は松茸?ちょうど今がこのキノコ美味しい時なんだって。もっといろんなのあるから、今度教えてくれる約束しました。


 お祝いご飯の後は皆んなで家の前で遊びました。持ってこいやったんだけどいつの間にか競争に。誰が最初に持って来れるか競争です。しかも魔法使ってるから迫力が…。僕も早く大きくなって魔法使いたいなあ。オニキス小さいからダメって言うし。


 楽しい1日はすぐに過ぎてもう夕方。子ファング達にバイバイして、後はずっと家の中でゴロゴロしました。2人とも喜んでくれて良かった。オニキスにお父さんファングがまたお祝いしたいって言ったみたい。じゃあ今度はお祝いじゃなくて、パーティーだね。


 夜皆んなが寝ちゃって、僕はなんだか眠れなくて、昨日の人達のこと考えてました。昨日せっかく僕のこと回復してくれたのに、ありがとう言えなかったなあ。起きたら突然目の前に居たから、びっくりしちゃったんだもん。でもここに来て初めての僕と同じ人間だったな。それに僕のこと見て、とっても優しい顔で笑ってたなあ。本当は敵のはずのファング達の中に入って来てくれて、僕のこと回復してくれて、きっと優しい人なんだね。

 でもね、確かに人のいる所で暮らすのも良いかもしれないけど、今はここが僕のいえだもん。それにオニキス達が家族だもん。僕これからもずっと皆んなといるんだあ。

 そう思ってたんだけど…。


「コンコン。コンコン。」


「ハルト、大丈夫?」


「ハルト、苦しい?」


「キュキュ?」


「熱が高いな。」


 お祝いから2日たって朝起きた時、僕はクラクラ、ふらふら。それから咳がコンコンです。風邪引いちゃったみたい。体もポカポカで、オニキスが言ったみたいに多分熱が出てる。


「オニキスどうしよう。これ、僕達の具合悪い時と一緒かなあ。それとも人だけが具合悪くなる病気かなあ?」


「回復妖精連れてきても良いけど、オレ達の友達の妖精、人間の病気治したことないよ。魔力回復とかなら皆んな同じだから回復出来るけど。」


「分かってる。考えさせてくれ。」


 僕はふらふらだから、皆んなが何言ってるか全部は分かんなかったけど、僕治すの誰か居ないか考えてるみたい。大丈夫だよ。風邪ならきっとすぐ治るから。心配しないで。そう言いたいのに、喉が痛くて何も言えないんだ。

 ちょっとしてぽやあってしてる僕に、オニキスがちょっと待ってろって。すぐ治してもらうからなって言って、家から出て行った気がしました。どこ行くの?何処にも行かないで。側にいて。そう思いながら僕は眠っちゃいました。


<オニキス視点>

 もし人間だけがかかる病気だったら。確かに見たことない病気なら、森で暮らしてる妖精には分からないかも知れない。何でも治せる回復魔法なら治るだろうが、そこまでの力はないからな。レベルがそこまでいってないんだ。

 どうする。このまま自然に治るのを待つか?それでもし治らずにハルトが居なくなってしまう事になったら?それに苦しそうにしているハルトをこれ以上見ていられない。幸い今、近くにはあの人間達がいる。頼むしかないか。まあ、この間みたいに警戒して、何かあれば始末すれば良い。家に連れて来たくはないが、動かせないししょうがない。

 フウ達にハルトの事を頼み、人間の気配のする場所へ向かう。人間達はテントを張りそこで生活をしていた。オレが現れると警戒態勢を取ったが、あの領主とかいう男が武器を下ろすように言うと、全員が武器をしまった。


「どうした?何か用事か?それとも、話でもしに来たか?」


「頼みがある。この前の回復者とお前だけ、俺達の家に来てくれ。」


「?」


 2人を背に乗せ家へ向かう。早く元気にしてやろう。待っててくれハルト!


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