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147 いよいよ決着の時、勝ったのは?

 なんか最後の方になって、斧の人と剣の人の応援に、係の人達の応援も一緒になっちゃって、ちょっと大変になっちゃったよ。

 でも、戦っている人も大変だろうけど、直したのにすぐにまた壊されて、それで直している最中に、別の場所を壊されて。それも直している係の人達を見たら、応援しないわけにいかないでしょう? 


 しかも、さっき話しを聞いた通り、これが執事になるための試験だっていうのなら、あれだけやっているんだから、合格してもらいたいもん。だから思わず応援しちゃったんだよ。

 斧の人頑張れ、剣の人頑張れ、係の人達頑張れ!! そう僕が、もう少しだと思って、腕だけじゃなくて、声を出して応援していたら、フウ達がなんでって聞いてきて。だからささっと説明したら、フウ達も応援するって、一緒に応援を始めました。


 後少しで決まる。オニキス達の言う通りだと、剣の人は負けちゃうかもしれないけど。でも最後まで頑張れ!!


 と、係の人達の応援を始めてからすぐでした。今までで1番大きな、斧と剣がぶつかり合う音がしたと思ったら、一瞬2人が止まったんだけど。でも次の瞬間には、剣の人が後ろに吹き飛ばされて結界に当たって。

 そして剣の人はその場に少し立った後、ふらっと体が傾いて、そのまま地面に倒れました。


 し~んとなる会場の中。数秒経って司会の人が倒れた剣の人に駆け寄って、剣の人の様子を確認します。ドキドキ待つ僕達。数秒後、ううん、数十秒後。

 数十秒の間に、司会者に人は最初は剣の人に何か声をかけて。その後は剣の人の体を調べ始めて。そうしてそれも終われば、その場にゆっくりと立ち上がったよ。し~んとしている中、みんなに注目されている中、司会者の人の動きだけが頼りで。


 どう? どう? もう決着はついた? 剣の人は大丈夫? 斧の人も立っているけど、疲れているし。結果が分かったなら早く教えて。それで2人を治療してあげなくちゃ!


「ついにこの激しい戦いに、決着がつきました。斧使いのグレイリーの勝利です!!」


「「「わあぁぁぁぁぁぁっ!!」」」


 静まり返っていた会場が、一気に大歓声に包まれました。もちろん僕達もね。大きな声でおめでとうって言って、手をブンブン振って、みんなはそれだけじゃなくて宙返りしたり、逆立ちして足を鳴らしたり。もうね、本当に大盛り上がりだよ。


 そんな大盛り上がりの中、司会の人は治療をする人を呼んで、その場で剣の人の治療が始まりました。お父さんが本当は会場を出てから治療をする場所で、きちんと治療をするんだけど。そこまで行かんくても良いって判断したんじゃないかって。

 最後まで戦った2人だから、もし大丈夫そうなら、最後までしっかり2人で退場させようとしているんじゃないかって。


 斧の人はグラウンドの中をゆっくりと歩き斧を上げながら、みんなの声に応えています。さっきは辛そうに見えたんだけど、勝ったからかな。今はニコニコ、とっても元気そうに見えるよ。


 こうしてゆっくりと斧の人が歩いている間に、剣の人の治療は続いて。最初一緒にいた司会の人は、別のところへ。いつの間にか長テーブルが用意されていて、そこにはキラキラ光るものが。


「ハルト、みんなも、あれは仮のメダルなんだ。最終日に勝利者に本当のメダルが贈られるんだが、それまでの間、今から貰う仮のメダルをもらうんだ。何も貰わないんじゃ、せっかく優勝したのに寂しいだろう? 記念品も後だから、それも何かと変えるんだが。今回はなんだろうな? 毎回違うんだ」


「今回は1週間分の会場での食事が無料です。確かこれに関しては、準優勝の方にも贈られるはずです」


「そうなのか? 食べ放題か」


「いえ、確か決まっていたはずです。ま選手の中には、どれだけ食べても終わらない者達もおりますので」


「ああ、まぁ、そうなるよな。下手したら食べ尽くされる可能性がある」


 1週間分のご飯プレゼント。確かにあの大きな体の斧の人じゃ、かなりご飯食べるかも。そうしたら僕達のご飯が少なくなっちゃうもんね。お客さんもたくさんだもん。うん、決められた分がいいよ。


『ん? ハルト、そろそろあの剣の男が起きそうだぞ』


 そうディアンに言われて、みんなで剣の人を見ました。その頃ちょうど斧の人はグラウンドを1周したところで、司会者の人と何か話しをしていたよ。


『あ!! 起きた!!』


 ゆっくりと治療の人に支えられながら、剣の人が起き上がります。それで治療の人となんか話しをして、またまたゆっくりと立ち上がったよ。それから頭を振ったり、腕を回したり、足を動かしたり。たぶん大丈夫か確認してるんだね。

 それから司会者の人が近づくと、治療の人達は何かを言って、そのままグラウンドから出て行ったよ。そして。


『剣使いのビルタルトにも、大きな拍手を!!』


 司会の人の言葉に、会場は再び歓声に包まれます。もちろん僕達もいっぱい拍手。それから2人は少しの間、会場全体に手を振った後、さっきみたいにグラウンドを回らずに、それぞれ観客席の方へ。それで観客の人と何かを始めたんだ。


 あれ? 観客を守ってくれている結界は?

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