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146 それぞれの戦略

 残り2人になってから、かなり時間が経過しました。2人とも互角で、なかなか勝負がつかないんだ。でも、その戦いが激しいから、みんな時間なんて気にせずに、ずっと大きな声で応援しています。もちろん僕達も。


 ただ僕の体力のほうが問題でした。最初にいっぱい応援しすぎて、ちょっと疲れて来ちゃったの。今日1日、朝からずっと騒いでてて、今日メインの試合に興奮は最高潮に。それで途中で疲れて来ちゃって。


 だから今は腕だけ振って応援しています。試合が終わった後に、勝った人にはおめでとう。負けた人にも良い試合だったって、大きな声で伝えられるようにね。だってこんなにすごい試合をしているんだから、最後はいっぱい、そういうのは言いたいでしょう?


 またバシッ!! と剣と斧がぶつかり合います。それにしても剣の人、あんなに強いのに、何で最初は魔法使いの人と手を組んで戦っていたのかな? 1人でも大丈夫なはずなのにね。


『なんでちゅよいのに、いっちょにたたかってたのかにゃ?』


 そう言ったのはスノーでした。それでオニキスがスノーに詳しく話しを聞いたら、スノー、僕と同じ事を考えていたんだよ。そしてその話しを聞いていたフウ達も、自分達もそう思っていたって。考えたのは僕だけじゃありませんでした。


『ああ、もしかしたら、後半に体力を残しておきたかったのかもしれないぞ。それから自分が確実に最後まで残るために、あの魔法使いを使ったのかもしれん』


 剣の人は斧の人が強いのが分かっていて、最後戦うことになったら、絶対に長い戦いになると考えて。そのために最初の方は魔法使いと手を組んで、自分の体調をなるべく使わないようにして、前半戦ったんじゃないかって。


 それからただ単に、楽して最後まで残りたくて、魔法使いと手を組んだか。それもいかに自分が楽できるかを考えて、1番自分がやりやすい相手をきちんと選んだんじゃないかって。


『おそらくここに来て決めたことじゃないだろう。試合前に色々調べていて、初めからあの魔法使いを使おうと考えていたはずだ。まぁ、あの剣の男が強いのは本当だろう。が、斧の男の方が上のようだ。ここまで1人で戦って来て、しかもこれだけ戦っていても、まだまだ余裕があるようだからな』


『余裕なの?』


『ああ。そして少しずつだが、剣の男の動きが遅くなってきている』


 オニキスの話しに、みんなが剣の人を見ます。


『魔法使いの人は? 強かった?』


『そこそこか。それでもあの2人に比べれば弱かった。魔法使いが残れたのは剣の男のおかげだ。で、さっき剣の男が魔法使いを庇わなかったのは、もう魔法使いが必要なくなったからだろう』


『ええ!? なんかそれ酷くない?』


『だって、みんな優勝するために頑張ってたんだろ?』


『キュキュイ?』


 今のは、魔法使い可哀想、って言ったらしいよ。


『そうだな。だがこれも戦いの中ではよくある事だ。情報収集も、自分が誰を信用するかも、そしてどう状況を判断するかも、全て自分の責任だ』


『なんか嫌だな、そういうの』


『僕、みんな仲良しが良いよ』


『な、みんなで一緒に冒険したり戦ったり』


『ぼくたち、みんないっちょ』


『『キュキュキュイ!!』』


 今のは、ずっとみんな一緒、だって。


『みんな嘘つかない!』


 うん、僕だってみんなに嘘なんかつかないよ。それにもし僕が大きくなって、冒険に行ったり探検をしに行って戦うことになっても、みんなで協力して戦うよ。


『そういう者達も多いということだ。お前達はお前達で協力する時は良いが、別の知らない者と共に、何かをする時が来たら気をつけるんだぞ。まぁ、我等がいるから問題はないがな』


 まぁ、オニキスやディアンがいれば、問題はないよね。でも気をつけなくちゃ。


『だが、どんな理由でこうなったかは知らんが、今回に関し、魔法使いときちんと話し合いをしていたのならば、それは奴らのきちんとした作戦だからな。だからお前達は最後までしっかり、2人を応援してやれ』


『そっか、どんな理由か分かんないもんね』


『なら、最後まで、ちゃんと応援だな』


『うん、おうえんしゅる』


 みんながまた応援を始めました。戦うだけでも色々あるんだね。でもオニキスやみんなが言う通り、最後までしっかり応援しないと。それで後で理由が分かっても、まぁ、その時はなんだよって思えばいいし。


 僕もまた応援を再開します。それでね応援を再開して少しして、初めて剣の人が、少し後ろの飛ばされたんだ。

 そういえばさっきオニキスは、剣の人の動きが遅くなってきているって言ってたよね。もしかしてそろそろ決着がつく?


 1回飛ばされた剣の人。でもそれからすぐにもどって、また戦い始めて。だけどそれから2回飛ばされました。1回なんか、とっても遠くまで飛ばされたんだよ。結界スレスレまで。


 でも飛ばされた方にいた、会場を直していた係の人達は、誰1人驚いていませんでした。あれくらいで驚いていちゃ、執事はつとまりませんって。執事って? なんか僕が考えていた執事と、どんどん違ってくるような。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様ですm(_ _)m この世界の執事はハイスペックじゃないといけないんですね(^o^;)
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