138スペシャルなでなで、そしてついに大会が始まる!
それから数日、僕達は外で練習したり、部屋の中で練習したり。あっ、勿論あの日の夜。みんなにスペシャルなでなでしてあげました。夜のご飯を食べた後、休憩の部屋に行ったら、僕の横を駆け抜けていった、オニキスとヒュー。それからそれに続いて、フウ達も僕の横をすり抜けて行って。最後におもむろにディアンが。
それでオニキスとヒューは絨毯の上でお腹を出してスタンバイ。フウ達はソファーに上でスタンバイ。ディアンは小さいドラゴンになって、オニキスとヒューの間に座りました。
僕みんなにスペシャルなでなでするって言ってないんだけど。これは特別な事があった時に、してあげるはずでしょう? 今回は2匹を大人しくさせるためだったけど。
それでその後ずっと順番に、スペシャルなでなでをしてあげた僕。最後には腕が痛くなっちゃって。それに疲れてぐったり。回復の薬を貰ってなんとかなったけど。
次の日、スペシャルなでなでをしてあげて、ニコニコだったオニキス達。でも起きたとき、何かぐったりしてて。どうしたのかなって思ってたら、お兄ちゃんが教えてくれました。
僕が回復の薬飲んでも、疲れは全部取れなくて、その後すぐに眠っちゃった僕。僕が寝た後に、オニキスとヒューはお母さんにとっても怒られたんだって。
小さい僕を、あんなにぐったりするまでなでなでさせるなんて。それからみんなの、僕やフウ達、小さい子達のお手本にならなくちゃいけないオニキス達が、大人気なくケンカして、僕を困らせてって。
お兄ちゃんも途中で寝ちゃったから分かんないけど、それから1度起きてトイレに行ったお兄ちゃん。お母さん達の部屋の前を通ったら、ビアンカが部屋からお茶のセットを持って出て来て、その時中からお母さんの怒ってる声が聞こえたって。
一体どれだけ怒られたんだろう? それでその日から、大人しく僕と練習したオニキス達。ヒューは僕の練習見てて、アドバイスくれたり。みんな一緒に頑張ってくれました。オニキス達がこんなに静かになるなんて。みんなこれから、お母さんを怒らせないようにしないとダメだよ。
そして数日後、明日ついに大会が始まります。明日の予定は開会式だけ。すぐに僕達の競技があるのかなって思ってたら、開会式だけで1日終わっちゃうんだって。そんなに長い開会式って何するんだろう?
そうだ! 王様来るんだよね? 僕王様見るの初めてだよ。どんな感じかな。こう威厳のあるお爺さん? それともダンディーなおじさまって感じ? 楽しみだなぁ。
開会式の 次の日から順番に競技が進められていきます。最初の2日間が、僕達ちびっ子の大会ね。どんな競技をするかは、その時のお楽しみ。オニキスフウ達といっぱい練習したから、みんなで出られる競技が多いと良いなぁ。
僕達ちびっ子大会が終わったら、いよいよお兄ちゃん達の大会が始まります。何歳から何歳までって別れてて、それから剣と魔法でしょう。細かく分かれてるけど、お兄ちゃんは剣の部門に出ます。
そうやって、子供から地球で言う中学生の歳位までの大会が終わったら、その後はお父さん達の出番。出番って言っても、それこそ色々分かれてるから、お父さんの試合は大会が半分過ぎたころみたい。その前にアシェルの試合があるの。
それで大会の折り返しに入る前、魔獣自慢大会が。これも僕いっぱい練習しました。外で使用人さんやメイドさん達の前で、隠れないでオニキス達のこと自慢して。最後の方は隠れないで出来るようになったんだよ。これが本番でも出来ると良いんだけど。
「ほらハルトちゃん、みんなも、そろそろ寝る時間よ」
僕達は部屋の中を言ったり来たり、明日から大会が始まると思うと、ドキドキしちゃって、何か動いてないと落ち着かない。
「明日は開会式だけだぞ。そんな事で競技が始まっても大丈夫なのか?」
「始まれば少しは落ち着くわよ。フレッドもそうだったでしょう?」
みんなで寝る部屋に。あーもう、ホントにドキドキする。それにわくわくも。結局僕達が寝たのは、何時もの寝る時間より、かなり遅く。当然次の日。僕がちゃんと起きられるわけなくて。
『ハルト朝だぞ。フウ達も起きないか』
「ねみゅ~」
『まだ 眠い~』
『もう朝ぁ?』
僕は着替えをして、そのままオニキスに咥えてもらって食堂に。いうまでもなく、朝ごはんは食べられませんでした。でも大丈夫。今日から大会が始まるから、スタジアムの周りと、それから街の中も、今までで1番お店が多い状態に。大会も楽しみだけど、お店を周るのも楽しみの1つ。いろんな食べ物屋さんもあるから、食べるのには困らないよ。勿論スタジアムのご飯も美味しいしね。
でもまぁ、最初はね。オニキスに倒れるように乗っかって、スタジアムまで向かいます。クレインおじさん家族と、ペインおじさん家族。それから僕の家族。玄関前に全員が集まったら大人数に。
「よし、じゃあ行くぞ」
レイモンドおじさんが先頭で歩き始めます。パンパン、パンパン。花火みたいな音がスタジアムの方から。
はぁ、本当に大会が始まるんだ。ふふふ、楽しみだなぁ。僕、賞もらえるかなぁ。でも今はスタジアムに着くまでおやすみなさい。すぅ。