131今日のお昼ご飯は? スタジアム見学ツアー2日目
鼻血を出して、熱まで出ちゃった僕。でもゆっくりしてたらすぐに鼻血は止まって、熱もテイリーさんが持ってきてた回復の薬を飲んだら、すぐに熱も引いて。
「熱は下がったし、鼻血も止まったな。ハルト、他に具合の悪い所はあるか?」
「だいじょぶ!」
「そうか。良し、じゃあ見学ツアーの続きをしよう」
やっと見学ツアー再開です。良かったぁ。このまま寝たままで見学ツアー終わっちゃったら、この前みたいに僕泣いちゃうよ。きっともう見学ツアーできる日ないと思うし。
ここからは自由時間です。ほとんど立ち入り禁止の場所がないから、気になったところはどんな所でもって感じ。みんな僕から離れて、好きな所に飛んで行っちゃったり走って行っちゃったり。お母さんとグレンが付いて行ってくれてるから大丈夫だと思うけど。
お兄ちゃんはテイリーさんにたくさん質問しながら、グラウンドの中に入って行って、僕はお父さんとオニキス、ディアンにヒューイと一緒にさっきまでお父さん達が戦ってた場所に行きました。ロイは勿論僕と一緒ね。
お父さん達の模擬戦の結果、グラウンドの砂はあちこちが薄い状態に。それだけ激しかったって事だけど、その攻撃が観客席に飛んできた時、守ってくれたスタジアムの結界は凄いね。どこも物が壊れてないもん。
もちろんディアンの結界とかよりは弱いんだろうけど、それでもディアンだからね。一緒にしちゃダメだよね。
「ハルト、お父さん達がこれだけ砂を掘り返しても、良いか、よく見てろ」
ロイが何処からか箒を持ってきて、砂をサッと1回掃きます。そしたら砂がすぅ~って、綺麗に平らになっちゃったんだ。
「どうだ? この砂はすぐに整地できるから、次の試合までそんなに時間はかからないんだ」
へぇ、凄いね。戦いも戦う人達が戦いやすいすなで、お片付けも楽なんて。
僕は砂を少し掴んでみます。それからその砂をサラサラ落としてみて。思ってたよりふわふわの砂でした。
そんな事してたら、お兄ちゃんと一緒に居たテイリーさんが僕の所に。お兄ちゃんの方見たら、何かノートに書いてるところでした。
「ハルト君、これを」
テイリーさんが僕に何か渡してきます。僕の小さな手で握れちゃうくらいの、小さな蓋つきの瓶でした。
「その瓶に、ここの砂を入れて持って帰れますよ。それから、このグラウンドにも、この前のように、模様があります。良かったら探してみてください」
そう言って、お兄ちゃんの方に戻っていくテイリーさん。僕はバッてお父さんの方を見ます。お父さんが頷いて、僕は瓶の蓋を開けて、お父さん達が戦ってた所の砂を瓶に入れました。これ、お守りにしよう! お父さん達が試合で勝てますようにって。優勝できますようにって。
僕が瓶に砂を入れ終わったら、お父さんが砂が零れないように、しっかり蓋を閉めてくれます。それから落とさないようにって、すぐにブルーベルの入ってないオニキスカバンの方にしまってくれました。
ニコニコの僕は、その後少しグラウンドの中を歩いて、それから模様を探そうとしたんだけど、ここで一旦休憩。お昼の時間になりました。
今日のお昼のご飯は何かなぁ。マレーが良いけど、その他のご飯も食べてみたいし。
お昼はお父さんの使う控室で食べます。お椅子に座ってご飯を待ってたら、運ばれてきたのは、ミートソーススパゲッティでした。
「しゅぱげちー!!」
「しゅぱげちー? これはうどんだぞ」
ってお父さんが。うどん!? だって匂いも料理自体もミートソーススパゲッティだよ。肉団子が乗ってる。
お母さんがフォークでまぜまぜしてくれて、それを小さいお椀に入れてくれます。洋服が汚れないようにって、何時もより大きめのハンカチを胸に付けてくれて。
僕はフォークで何本かうどんと言う名のスパゲッティをすくってみます。…つるつる。もう1回…つるつる。うどんが僕のフォークから逃げていく…。そのたんびにソースが僕の胸やいろんな所に飛んで。3回目にはお父さんの顔の方に飛んじゃいました。
お父さんが急いでお顔を拭いて、そんな僕とお父さんを見たテイリーさん。
「ハルト君にはまだ早かったですね。これはこういった種類の素材の中で、ツルツルしてて、食べにくい部類に入りますからね」
大丈夫。大丈夫だよ。もともとスパゲッティは食べてたんだから。僕は一生懸命、何とか食べようとチャレンジ。そして…。
結局先にさっさと食べ終わったお父さんに食べさして貰いました。フウ達はお母さんやロイに食べさせてもらって。それでも僕の体中と顔中トマトソースだらけに。チラって見たらお兄ちゃんも、なかなかのお顔になってました。こんなに食べにくいの? こっちのスパゲッティじゃなかった、うどんは!?
やっと食べ終わって、もちろんお土産にこのうどんのお料理セットを貰って。食べられて嬉しいけど、食べにくいのがなぁ。マレーの方がやっぱり好きかな。でももう少し大きくなったら、お兄ちゃんよりも大きくなったら、きっと上手に食べられるようになるから、そしたらいっぱい食べよう。
お昼が終わって、午後の見学ツアースタートです