127テイリーさんごめんなさい
「ごめんなしゃい! これどじょ」
「え~と、これは」
僕は今テイリーさんの前でお辞儀して、それからお詫びの品を差し出してます。
「ちゅあ、ごめんしゃい。ちがうひ」
「今日に見学ツアーをずらした事謝ってるんだ、それからお詫びの品らしい」
「そんな見学ツアーの日程がずれることは良くあることですし、そんなに気にしなくても」
「それでもハルト達はかなり気にしていてな。頑張ってきのう選んだんだ。貰ってやってくれないか」
僕達を見つめてくるテイリーさん。最初は困ったお顔してたけど、少しして困ったお顔のまま笑って。僕達からのお詫びの品貰ってくれました。テイリーさんに群がるフウ達。
「あの、これは?」
「ああ、プレゼントを開けてほしいと」
「では」
テイリーさんが袋を開けて。
僕達がテイリーさんに選んだプレゼント。先っぽにドラゴンの人形が付いてるペンを選びました。
昨日あれから慌ててお店通りに行った僕達。やっぱり食べ物は好き嫌いがあるからやめようって思って。それで僕思いついたんだ。テイリーさんいつも何か書いてるの。
大会の申請する場所でも、それから僕達がツアーしてる時も、ツアーしてて、僕達が自由行動してる時も。いつも何か書いてるの。だからプレゼントペンが良いと思って。
そにお話したらお母さんが良いお店を知ってるって、すぐに雑貨屋さんに連れて行ってくれました。その雑貨屋さんは街で1番大きい雑貨屋さんで、何でもそろってるんだって。
それでお店の前に行って、お店の大きさにビックリ。中に入ってビックリ。お店の中隙間がないほど物で埋まってるの。でもちゃんと人が通る道は開けてあって。
何で今までお店に気づかなかったって言うと、僕達がいつも遊びに行ってたお店通りと、反対側のお店通りにそのお店があったから。反対側のお店通りは専門のお店が多くて、僕達にはあんまり関係ないから行かなかったんだって。
お母さんにペンを売ってる売り場に連れて行ってもらって、ここでもさらにビックリ。天井までペンが並べてあって幅も凄い事に。
その中から探すの大変だったよ。どんなペンが良いかもう決めてたんだけど。テイリーさんはスタジアムで働いてるでしょう。スタジアムにはドラゴンの印が。だからやっぱりここはドラゴンの絵が描いてあるか、それとも人形が付いてるとか。そういうの探してって。
みんなで手分けして探しました。フウ達やブレイブ達は飛んだり上ったりが得意だから上の方を、僕とスノー、カバンの中のブルーベルは下担当。オニキスとヒューイには全体的に探してって。
それでもなかなか見つけられなくて、ちょっと休憩と思ってしゃがんだ時でした。まさかそのしゃがんだ所にあるなんて。ペンの先っぽにドラゴンの人形が付いた、赤と黒のペンが。2本セットで売ってました。それをお店の人に可愛い袋に入れてもらって。
お店出たらお外暗くなるちょっと前。急いでお屋敷に帰りました。危なく見つけられないところだったよ。
帰ってからすぐにご飯食べて、これまたすぐにおやすみなさいした僕達。今日はちゃんと朝起きれて一安心。それで今こんな感じです。
「君はいつも何か書いているからと、ハルトが言っていてな。確かに君にはペンが必要だろう」
テイリーさんは困ったお顔の笑から、ニコニコだけに変わって、僕達の前にしゃがみます。
「ハルト君、それにみんなもありがとう。このペンは大切に使うからね」
そう言って僕の頭をなでなでしてくれます。良かったぁ。喜んでもらえたみたい。
お詫びの品を渡し終わって、さぁいよいよスタジアム見学ツアー、1日遅れの2日目開始です。
今日も僕達がスタジアムに入る入口は裏の入口から。裏口にはこの前みたいにたくさんの人達が働いてます。でもこの前よりも大きな荷物運混んでる人達は少ないかも。
聞いてみたら、大体大きなものは運び終わって、設置もほとんど完了してるんだって。後は細かい作業が残ってるの。飾りつけしたりとかね。
まず中に入って向かうのはお父さん達の控室。何とお父さんの控室は個室なんだって。お父さんもグレンも、前に優勝したことがあるでしょう。そんな強いお父さん達には個室の控室が用意してあります。もちろん他にも優勝したことある人には個室が。
また今回も優勝できるように、試合が開始されるまでリラックスして待てるように個室が用意してあるんだって。他にも数人用の控室とか。これは団体戦の人達用の控室ね。あと、他にもあるんだけどって、でもそれは教えてもらえませんでした。どんな人達の控室なのかな?
廊下を進んで行って、お父さんの控室の前に。廊下はこの前通った控室がある廊下よりもとってもキラキラ。ゴージャスなの。これも優勝した人達しか通れない廊下です。でもまだ完成じゃないんだって。
確かに廊下歩いてた廊下の絵を描き直してるのか、綺麗にしてるのか。並んで作業してました。
「大会が始まるときにはもっと豪華になっていますよ。でもそれを見ることができるのは、ここの控室に入れる方々です。ツアーでも見れないんですよ」
そうなんだ、残念。僕も大きくなって、お父さんやグレンみたいに強くなって大会に参加して、もし優勝出来たら…。うん、いつか優勝できるように、頑張って訓練しよう!!
テイリーさんが控室のドアを開けました。