123スタジアム見学ツアー5
「みんな、ちゃんと、ほちいものしゃがちてね。いくよ! とちゅげきぃ!!」
『『『わあぁぁぁっ!!』』』
みんなが凄い勢いで、飛んで行ったり走って行ったり、
「オニキスはぼくといっちょ!!」
「行くぞハルト!!」
僕もオニキスに乗っかって突撃します。そうお土産屋さんに。
昨日イーサンさんから聞いてたの。1日目のツアーの最後に、お土産を買う時間があるって。ツアーは2日目もあるけど、買い物できるのは1日目。何でって聞いたら、明日はお土産買ってる時間がないくらい、見学がいっぱいなんだって。だからゆっくりお土産が選べるのは今日。
大会の時でも大丈夫だけど、僕達だけで、しかも大会前に買えるから、欠品が絶対にないでしょう? 大会が始まると早くなくなっちゃう商品もあるんだって。だから確実に買える今日は、僕達にとって、とっても大切な日。
僕はオニキスに乗っかったまま、あるものを探します。イーサンさん情報によると、アレは魔獣関連コーナーにあるみたいです。僕はお店に入って上の板に書いてある文字を見ます。だめ、全然読めない。僕ちょっと焦っちゃいます。だって早くその場所に行って選んで、次は別のもの探しに行かなくちゃ。
「向こうのようだぞ」
その時後ろからディアンの声が。グレンに字を習ってるディアン。ちょっとした文字や文章だったら読めるようになったみたい。
「さぁ、向こうだ。行くぞ」
「ディアン、ありがちょ!」
急いでいわれた方向に。すぐに魔獣関連コーナーに到着です。そこからは見落とさないように慎重に…。
あっ!! あった!! 僕が探してたもの発見です。僕が探してたもの、それは大会限定のドラゴンの鱗模様が書かれてる、カッコいい首輪でした。
前にイーサンさんのお友達のクロウリーさんのパティーとか、他にもこの首輪付けてる魔獣達がいて、カッコいいなぁって思ってたの。その事グレンにお話したら、大会限定の首輪だって教えてもらったんだ。
でも大会が始まるとすぐに売り切れちゃうって聞いたから、僕絶対に今日買おうと思ってたの。
首輪のサイズはいろいろ。それから色は赤、黒、しろ、青、黄色、水色、緑、オレンジ、うん、他にもいろいろ。オニキスにどの色が良いか聞きます。僕が選ぶより、オニキスが気に入ったもの選んだ方が良いもんね。
オニキスがじぃっと見つめます。オニキスが選んだのは赤い首輪でした。赤い首輪は他と違って、ちょっとツルツル光沢があります。
僕はその首輪を、後から来たグレンに取ってもらって、オニキスにつけてみました。うん、オニキスにサイズも色もピッタリです。
次にグレンに取ってもらったのは小さい、でもオニキスとおんなじ色の首輪です。それを1番お気に入りで大切な、オニキスぬいぐるみに着けます。うん、こっちもバッチリ。1番大切なぬいぐるみだから、オニキスとお揃いにしたかったの。だから今日持って来たんだよ。
僕は今日1番大切なミッションが無事に終了してニコニコです。
そんなニコニコの僕の後ろで、
「オレはこれが良いな」
いつの間にか僕の後ろにはヒューイが。それでヒューイが、今度はツルツル光沢じゃなくてキラキラのラメが付いてる、青色の首輪を咥えてお座りしてました。
ん? 首輪? ヒューイが? だってヒューイは野生の魔獣だよね。それなのに首輪? 僕が考えてたら、オニキスが僕に先に別の買い物してろって下ろして、ヒューイとどこかに歩いて行きます。
「すぐ戻る」
僕は不思議に思いながら、グエンと一緒に今度は別の場所に。早く戻って来てね。まだ買い物いっぱいだよ。
僕が次に向かったのはおもちゃ売り場。そこには先に来てたフウ達が、お父さんと一緒におもちゃ選んでました。おままごとで使う道具や、自分が遊びたいおもちゃ。ビアンカが持ってるカゴの中は、もう半分くらいおもちゃが入っちゃってます。
「お、来たな。ちゃんと選べたか? そのぬいぐるみに付いてるやつと一緒か? 似合ってて良いじゃないか」
「うん!!」
「で、その選んだオニキスはどうした?」
「それが…」
お父さんとグレンがお話始めて、僕は僕で、今度は僕のお買い物です。選んだ物をどんどんカゴに入れていきます。
少ししてオニキスとヒューイが戻って来ました。ヒューイはあのキラキラ青い首輪を咥えて。オニキスはとっても嫌そうなお顔してます。
「かう?」
「ああ。ハルト付けてくれ」
僕はヒューイに首輪付けてあげます。うん、この首輪もヒューイにピッタリ。でもほんとに良いの? ニコニコのヒューイ。まぁ、本人が良いなら良いけど。人の姿の時はどうするのかな? ん?
僕はあることに気づきました。ヒューイさっきまで人の姿だったよね。え? 魔獣の姿になっていいの? 僕が思わずヒューイにそう聞いたら、お話してたお父さん達が慌てて僕達の方に。それで急いでヒューイに人間になれって言いました。
人の姿に変身するヒューイ。お父さん達はテイリーさんが居る方を見ます。それからお店の人がいる方も。テイリーさはお店と反対の方を向いて椅子に座って何かしてて、お店の人は、お母さんの相手してて、こっち見てませんでした。
「何で魔獣の姿になってるんだ!」
「いや、どうしてもこれが欲しくてな」
魔獣の姿だったらピッタリな首輪。人の姿だとゆるゆるで、それをヒューイがすっとくぐらせて取ります。
「はぁ、もう魔獣の姿のならないでくれ」
「ああ、気を付けよう」
ちょっとバタバタしたけど、お買い物継続です。