表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/150

120スタジアム見学ツアー2

「ここが1番高い客席になります。確かに試合をしている人達の表情をよく見ることはできませんが、試合全体の流れを見たい方に、こちらの席は人気があります。ハルト君。君たちが座る席は3階の、ちょうど反対側だよ」


 テイリーさんの指さす方を見ます。そこにはみんなが座るお椅子じゃなくて、箱みたいな塊が見えました。

 僕達みたいな家の人達は、テイリーさんが今言った、人の表情が見えて、試合の流れが見える、ちょうどいい場所に、家族で楽しめるように、ボックス席になってるみたい。家族でゆっくり試合を観戦できるから、騒いでも邪魔になりません。


 説明が終わって、またテイリーさんの後ろをついて行きます。僕のオニキス着ぐるみの帽子をお父さんが掴みながら。


 思いっきり転んだ僕。手とおでこを擦りむいて、テイリーさんが薬を持ってきてくれて、怪我はすぐに治ったんだけど…。

 お父さんは僕がまた走って転ぶといけないからって、僕の帽子掴んで走れないようにしちゃいました。お父さんはずっとブツブツ。


 それからブルーベルにも、テイリーさんに気づかれないように、とっても怒られちゃったよ。そうだよね。僕がブルーベルのオニキスカバン持ってるんだもんね。ごめんねブルーベル。

 グレンがそっとカバンを見て壊れてないか確認してくれて、どこも壊れてないって聞いてホッと一息。後でブルーベルに僕のお菓子あげて、もう1回ごめんなさいしよう。


 テイリーさんが次に向かったのは、2階にある、このスタジアムの歴史が描かれてる絵が飾ってある所です。


「このスタジアムができたのはもう何百年も昔で、代々修復しながら、1度も大きな損傷無く、ずっと使われてきました。ハルト君分かるかな? お父さんやお爺ちゃん、みんなが生まれるずっと前から、このスタジアムはあるんだよ」


 飾られてる絵には、古くなって、色が薄くなって見えなくなっちゃってるところもあるけど、そういう絵は、飾られてる絵の中で1番古いからしょうがないんだって。絵は修復するのが難しいから、なるべく手を付けずに、ケースの中にしまって飾られてます。


 絵にはどんな人達が、どんな風に、どんな道具や魔法を使って、スタジアムを作ったか描いてありました。それでその所々に丸い模様が。僕がそれをじっと見てたら、テイリーさんが丸い模様を良く覚えておいてくださいねって。何だろう?


 スタジアムの歴史の説明が終わって、僕達はもう1回観客席の方に。これからお昼の鐘がなるまで、自由に見て良いって。午後からはまた別の所を回るみたいです。

 僕はそこでお父さんに、絶対に走るなよって、何回も注意されて、やっと放してもらえました。自由だあぁぁぁ!!


 走らないように気を付けて、僕は観客席を見たり、1番前の席まで行って、グラウンドを見てみたり、あっちに行ったりそっちに行ったり大忙し。そんな僕の後ろをフウ達もぞろぞろついてきます。


 お兄ちゃんはテイリーさんにいっぱい質問してました。質問し過ぎてお母さんに注意されてたよ。お兄ちゃん質問すること、一昨日位からたくさんメモ帳に書いてたからね。僕それ見て、そっとお兄ちゃんから離れたもん。


 もっといろんな所見ようと思ったら、もうお昼の鐘が。もう自由行動終わり? 僕がしょんぼりテイリーさんの所に戻ったら、午後も自由時間あるから大丈夫って。

 みんなご飯を食べる場所に向います。今度は4階ね。4階にはご飯を売る売店が何個かあって、お客さんはご飯を持ち込んでも良いし、売店で買っても良いし。

 

 今日は1番人気のメニューをみんなで食べます。売店の周りには食べる机と椅子が置いてあって、でも試合当日は混んでて座れない方がほとんどだから、客席で食べる人が多いんだって。今日はそんなことないから、ここで食べます。


 椅子に座って待つ僕達。テイリーさんやグレン達がご飯を取りに行ってくれます。少しして匂いがしてきたんだけど、僕ドキドキです。まさか、まさかアレなの? 気づかないうちに僕は足をバタバタ。だってアレの匂いがしてきたんだよ。


「お待たせいたしました」


 お父さん、お母さん、みんなの所にお皿が置かれていきます。そして僕達の前にも。それから飲み物とスプーンとフォークが置かれて、みんな一緒にいただきます。

 

 僕はすぐにスプーンを持って、それをすくってひと口。そして叫びました。


「うみゃあぁぁぁぁぁぁ!!」


 やっぱりそうだよ! この色、匂い、味。今僕達の前に置かれた料理、それはカレーでした。


「おいちっ!!」


 パクパク、どんどん口に運んじゃいます。まさかカレーが食べられるなんて!! 


「何だ、ハルトはこの料理が気に入ったのか。お前は変わった料理が好きだよな」


「良いじゃない。好き嫌いがない事は良い事よ。」


 パクパク食べる僕の周りで、一緒に食べるフウ達。ブルーベルにはこっそりグレンがあげてくれてます。魔獣とか妖精って、何でも食べられるんだね。玉ねぎがダメとかないのかな? 確かイヌとかって、玉ねぎとかダメだったよね。でも今まで出してもらった料理はぜんぶ食べてるし…今度聞いてみよう。


 嬉しくてどんどん食べてたらもう半分に。


「あら、ふふふっ」


「ハハハっ、相変わらずだな」


 お母さんとお父さんが笑い始めました。それからディアン達も。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様です(* ´ ▽ ` *) カレーが登場ですねd(*´ェ`*) こっちの世界ではカレーは変わった料理の部類なんですね⁉️
[一言] お疲れ様ですm(*_ _)m おお!カレー!いいですね~
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ