115新しいオニキスカバンとカゴの秘密
凄いすごい!! ってブルーベルの声。僕達はグルグル、オニキスカバンの周りをまわります。でもどうして中からブルーベルがお外が見えるのか、どうしてもわかりません。
グレンが1度ブルーベルの入ってるカゴをカバンから出します。それから僕達にカバンの説明してくれました。
グレンがポケットの中から布を出します。
「良いですか。この布は特別な布です」
まずは表から見てくださいって、みんなで表から布を見ます。ただの布です。変わってる所はありません。
次に裏から見てくださいって。言われた通りに裏から見て、僕達みんなでグレンから布を貰って表裏を何回も見ちゃいました。
表から見たときは普通の布だったのに、裏から見たら向こう側が透けて見えたの。それもこうモザイクがかかってるみたいじゃなくて。とっても綺麗に向こう側が見えたんだ。
「グレン! これなに!!」
「凄い! フウ、こんなの見た事ないよ!」
「オレも!!」
『ボクもはじめちぇ!』
『『キュキュイ!!』』
「ほう、これは凄いな」
オニキスとヒューイも見たことがないって。
「久しぶりに見たな。良く持ってたな」
「ここへ来る前に、ある所から入手いたしました。ハルト様はいろいろとおありですからね。何かの役に立つのではないかと、多めに仕入れていたのです。早速役に立ちました」
お父さん達はこの布の事知ってました。それで僕達に教えてくれます。
この布はとっても珍しいもので、この辺の街にはなかなか売ってないの。ずっと遠い国にこの布の材料になる木が生えてて、その木じゃないとこの布はできなくて、しかも布の作り方は、その国の作ることを許されてる人しか知りません。
出来た布は長い旅をしてその国から、僕達が住んでる国に売りに来ます。
でもこの布は珍しいからとっても高くて、普通の人達は絶対に買えないんだって。買えるのは僕のお家みたいだったり、そう、あのドルサッチみたいな家だったり、たまに冒険で稼いだ冒険者達が買ったりします。
「ハルト様、ですがこれはもっと珍しい物なのですよ。普通この布は白色なのですがこれは黒なのです。だから目立たずオニキスカバンに使う事ができました」
珍しい布を前と両脇に使って、上手にオニキスの毛も作って。そんな珍しい布、こんなにたくさん使っちゃって良かったの。てかそもそも、グレン僕のために買ってくれたって言わなかった?
僕はグレンのお顔見ます。高価なもの買わせちゃって、ごめんなさいするべき? 僕なんかお話聞いて不安になっちゃったよ。
グレンは僕やブルーベルみんなのことを見た後、いつもみたいにニッコリ笑います。僕達だけにはいつもニッコリのグレン。
うん、これはごめんなさいじゃない、ありがとうって言うべきだよね。布を買ってくれてありがとう、それからかばんを作ってくれてありがとう。
「グレン、めじゅらちい、ありがちょ! カバン、ありがちょ!!」
僕がそう言ったら、ブルーベルやみんなもグレンにありがとうしました。グレンもっとニッコリです。
「しばらくは外を飛び回ることはできませんが、このカバンの中からなら、ハルト様方と一緒に街歩きができるでしょう」
そうだ!! このカバンに入ってれば、ブルーベルもお外に行ける!! お菓子とか買ったら、僕がそっとカバンの中に入れてあげれば。
「それにつきましては、カゴの方におやつを入れる部分を付けてあります。お水も」
今度はみんなでカバンの中に入れるカゴを見ます。カゴの中に小さな入れ物と、ちょっとだけ長細い箱が付いてます。
小さな入れ物は、僕がカバンに入れたお菓子やアメをブルーベルが受け取って、この小さな入れ物に入れて、食べたりそのまま入れて置いたり。
長細い箱にはお水が入れられて、箱に付いてる棒を突くと、そこからお水が出てきて、ブルーベルがいつでもお水が飲めるようになってるんだって。
いいですかって、グレンが箱に外側からお水を入れて、ブルーベルに棒を突いてみてって。それで棒を突いたらお水が出てきて、それをブルーベルが飲みます。ハムスターとかうさぎさんがお水のむ時に使う道具みたいです。
グレン凄い! こんなのまで作っちゃうなんて。僕達みんなでグレンに拍手です。ふとお父さん達の方を見たら、お父さん達みんな、驚いてるお顔と変な物見たみたいな変なお顔してました。
何? みんなどうしたの、そんな変なお顔して。グレン凄いじゃん、お父さん達もグレンに拍手してよ。
「お前凄いな」
「うちのイーサンもいろいろ作ると思っていたが、お前少し、いやかなりおかしくないか?」
「私はハルト様のために考えたまでのこと。これからもハルト様のためならどんな事でも」
うわっ、何かグレンが輝いて見えるよ!
「ですがすぐにカバンを作ることが出来て良かったです。初めてのことでしたので、どれだけ時間がかかる事かと。しかしこれでもしブルーベルが外を飛べなくても、カバンの中に居れば、スタジアム見学に一緒に行けます。スタジアム見学ツアーは3日後ですからね」
はっ!! そうだ! スタジアム見学ツアーもうすぐだった! これでブルーベルも一緒に見学ツアーに行けるね。グレン、本当にありがとう!!
僕達は拍手だけじゃなくて、万歳しながらスキップしたり飛び跳ねたり、グレンの周りをグルグル周ります。
そんな僕達に、グレンがニコニコしながら、1つだけ注意してくださいって言いました。