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112お外で遊べない!?

 クフス改めブルーベルって名前が決まって、今まで意地悪されて閉じこめられてたブルーベルには、これから一緒にあの美味しいクッキー屋さんや、いろいろな所に連れて行って、たくさん遊ばせてあげなくちゃ。


 僕達はみんなで集まって、どこで遊ぶかお話し合いです。噴水の所が良いよとか、スタジアムの周りで遊ぶとか、お店をたくさん周るとか。いろいろ意見を出してもらいます。

 

 みんなでワイワイこれからの事考えて、楽しくてニコニコしてたら、お父さんが待て待てって僕達の中に入って来ました。何かとっても慌ててます。顔を上げたらお母さんとグレン達が困った顔してるの。どうしたの?


「ハルト、まだブルーベルを連れてお外は歩けないぞ」


「どちて?」


「今ブルーベルを連れて歩いて、ドルサッチにそれを見られたら、だれがドルサッチの部屋に入ったかバレるだろうし、それに…」


 それにって続けるお父さん。お父さん達が掴んでない闇取引の証拠を捨てられて、先に部屋に侵入したことを訴えられたら大変だって。僕達の方には完全な証拠があるわけじゃないでしょう? ブルーベルのお話だけだとダメなの。ちゃんとした証拠がないと。


 もしも証拠が出せないでブルーベルを返せって言われちゃったら、ブルーベルを返さなくちゃいけなくなっちゃいます。

 そんなことはダメ。もうブルーベルは家族なんだから。ドルサッチの所に返すなんて。


「ブルーベルには可哀そうだが、当分この屋敷の中にいてもらわないとな」


 ブルーベルがしょぼんってしちゃいました。僕達もしょんぼりです。


 そんな僕達を見てたイーサンさんが、バッて立ち上がって、少し時間をくれって。良い物作ってやるって言って部屋から出て行っちゃいました。

 そしたらグレンも、私にも考えがって言って、やっぱりお部屋から出て行っちゃいます。


 僕達はお外に行けなくなっちゃったから、イーサンさんが作ってくれた人口芝が引いてあるお部屋に、ブルーベルを連れて行ってあげます。あそこなら少しはお外に居る気分になれると思ったの。


 行く前に泊まってるお部屋によって、この前買ってもらって残ってたクッキーとか他のお菓子を持ってから移動しました。それからお母さんにシートないって聞いて、お母さんがお庭でたまに使ってる、ゆっくりするときに使うシート持ってきてもらいました。


 お部屋に入ってブルーベルがビックリしてます。お部屋の中に草が生えてるって。少ししょんぼりが直ったみたい。フウ達がブルーベルにお部屋の説明してる間に、僕は準備です。ちょっとでもお外気分を味わってもらわないと。


 人工芝の上にシート引いて、他にもお母さんに借りた、バスケットを開きます。その中に持ってきたお菓子をいれて、みんなのお皿とコップを並べて。

ブルーベルのはまだないから、今度僕がお店で見つけてきてあげるね。本当はブルーベル本人に選ばせてあげたいけど、いつお外に行けるか分かんないから。今日は僕のお皿で我慢してもらって。僕はオニキスと一緒に使うから。オニキスのは自分で選んだあの大きいお皿です。だから僕のお菓子乗っけても余裕だよ。


 そこまで用意出来たら、メイドさんが飲み物持ってきてくれました。その飲み物をコップにお母さんと一緒に注いで。うん、これで良いかな。僕はフウ達を呼びました。


『ハルト、これなぁに?』


「おしょとで、ときどきゆっくり」


 う~ん、上手に説明できてない。僕の代わりにオニキスが説明してくれました。


『ふ~ん、ハルト達ってこういう事するんだね。とっても楽しそう!! あいつはいつもぶつぶつ言いながら、何か飲んでたよ。それから他の人の事怒ってるの。僕はちょっとの水だけだったんだ』


「これおいちいよ」


 まだお昼前でぜんぜんおやつの時間じゃないけど、今日は良いよね?

 僕はお母さんの方見ました。優しいお顔で笑ってるお母さんがうんって頷いたから、午前中だけどおやつタイムです。

お庭おやつのゴロゴロ体験。ブルーベル気に入ってくれるかな?


      *********


「誰だ! 誰がこんなまねを!!」


「ドルサッチ様、今騒いでは!」


「見つけてこい! 見つけて俺の前に連れてこい!!」


部下が急いで部屋から出て行く。

どうしてこんな事になった。朝方帰ってくれば、部屋の中にあった、今回集めたはく製は壊され、クフスを入れてあった特別製のカゴも壊され中身が居なくなっていた。


今日にはあのクフスを痛めつけ苦しめ殺してから、はく製にしようと思っていたのに! 

もちろん痛めつけると言っても体を傷付けるわけではない。そんな事をしたらはく製にしたとき、綺麗ではないからな。

精神的に痛めつけようと思っていたのだ。イライラを解消させるには、これが1番だからな。それなのに…。


 本当だったらすぐにでも役所行き訴えたいところだが、今はまずい。まだいろいろ証拠が残ってしまっている。まったく忌々しい事だ。

 私は近くに積んであった本の山を叩き落とした。


『…馬鹿な男だ。だが誰がこんな事をしたのか。私もいろいろ急いだ方が良いかもしれない』


「グイダエス! どこだ!!」


「ドルサッチ様」


「あの商人に連絡をとれ、少しでも元の状態に近いものに戻したい」


「畏まりました」


 絶対に、絶対に見つけてやるぞ。犯人も、あのクフスも!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様ですm(_ _)m ドルサッチ、性格がエグいですね( ;-`д´-) これは早く証拠を揃えなきゃ大変そうですね。
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