111新しい家族
さぁ、取りあえず、ドルサッチ達のことはお父さん達に任せて、僕達はクフスとお話し合いです。まずはこれからクフスにどうしたいか聞かないとね。どの森から連れられて来たか、クフスちゃんと覚えてると良いけど。
「くしゅふ、もり、もどりゅ?」
「これからどうしたいかハルトは聞いているんだ」
僕の話をオニキスが的確に伝えてくれます。
『う~ん、僕、捕まってからずっと森に帰りたかったんだけど…でも今は、ハルトやみんなと一緒に居たい気分。ねぇねぇ、僕もみんなの家族になれる?』
なんかディアンがここに連れてきてくれるまでと、それから僕が起きるまでに、僕達のお話聞いたみたい。
僕達の契約は、契約主の僕がみんなに命令するために契約してなくて、家族になるために契約してること。それからおいしいご飯やお菓子を食べられること、いろんなお話聞いたみたい。
それでその話を聞いたクフス。僕達の家族になりたいって思ったんだって。
『だって、とっても楽しそうだったんだもん』
森に住んでたクフス。クフスの仲間に仲間外れにされてました。色が違うからってずっといじめられて。ドルサッチ達は別として、僕達家族はみんなクフスに優しいから好きだって。他の人間のことはまだ分かんないけど、僕の家族は大丈夫。
それから声もちょっと違うて、オニキスが教えてくれました。さっき僕の頭の上でお歌うたってたクフス。それ聞いて気づいたみたいです。こんなにきれいなお声で歌えるクフス会った事がないって。ね、とっても綺麗なお声だよね。
クフスはこのお声でもいじめられてたみたい。
僕達の話を聞いて照れるクフス。えへへって言ってお羽で自分のお顔を隠します。か、可愛い。僕思わず抱きしめちゃったよ。
『それにね、僕さっきハルトがしてくれたなでなで、とっても気持ちがよかったの。毎日なでなでしてもらいたいんだ』
そっか、僕のなでなで気に入ってくれたんだね。そんなに喜んでもらえるなんて、僕とっても嬉しいよ。もちろんオニキス達が喜んでくれるのも嬉しいよ。
僕はクフスと家族になるのは別に嫌じゃありません。家族が増えるのは良い事だもん。でも、僕だけが良くてもダメです。ちゃんとオニキス達の考え気持ちも聞かなくちゃ。
なので、これからクフスと家族になって良いかみんなに確認です。
「ぼく、かじょくいい。みんなは?」
家族良い人手を挙げて。僕がそう聞いたら、オニキスもフウ達もブレイブ達も、全員手を上げました。僕の隣に座ってるお兄ちゃんも。それ見てクフスが喜んでお部屋に中飛び回ります。良かったねクフス。
僕達のお話をずっと黙って聞いててくれたお母さんにご報告です。ちゃんと言わないとね。だって家族が増えていろいろ必要になるでしょ。ベッドとか。遊ぶおもちゃとか。まぁ、ベッドに関しては、僕と一緒に寝たり、小さいクッションとかで良いかもだけど。でも用意してくれるのはお父さん、お父さんお母さんやビアンカ、それにグレンだもん。
「おかあしゃん、かじょくふえりゅの、いい?」
「ふふ、そんな心配そうなお顔しなくても大丈夫よ。じゃあお母さんこれからクフスちゃんのを用意してくるわね。ビアンカと出かけてくるから、ハルトちゃん達はクフスちゃんのお名前考えてあげて、家族になってあげていてね」
お母さんがニコニコしてお部屋から出ていきます。若干スキップしてたような?
家族になることは決まったから、今度はみんなでクフスのお名前考えます。一応クフスにしてほしいお名前ある?って聞いたんだけど、僕達がお名前つけてって。でもカッコよくて可愛いお名前が良いって言いました。
カッコよくて可愛いお名前? 難しいこと言うね。何が良いかな。
僕は可愛い名前が良いと思ってました。だって姿が小さくて可愛いから。だけどそれにカッコいいも考えないといけません。
「フウは、くーちゃんが良いと思うの」
「え~、オレはクッスが良いと思うな」
『キュイキュイ!』
『キュキュイ』
「ブレイブ達はスーが良いと言ってるぞ」
「しゅのーはねぇ、ぴゅーちゃん!」
僕が考えたのみんなが言いました。それ聞いてじぃ~って見てくるクフス。待ってね、もう少し考えるから。
どうしようかな? 綺麗な青い色にちなんだ名前が良いかな? 青、ブルー? あっ、そういえば…。
僕のお母さんとお父さん、えっと地球の方の、2人が好きな花があって、その花が可愛い青い花だったっけ。確かブルーベルっていう花で、花言葉が変わらぬ心だったかな?
お父さんもお母さんも、僕が大切で大好きって心は、ずっと一生変わらない。そう話してくれた次の月に事故で…。僕、2人がこの花の写真見てるとき、とってもニコニコ笑ってたの今でも覚えてるよ。
よし!
「ぶりゅーべりゅは?」
『ぶりゅ?』
オニキスが通訳してくれます。
「ブルーベルだ、なかなか良いんじゃないか?」
『ブルーベル…うん、なんか可愛いしカッコいい。僕ブルーベルが良い』
ブルーベルに決定です。
すぐに契約する準備します。魔力を溜めてクフス、ブルーベルの前に座って、頭なでなで。
「かじょくなっちぇ」
『うん! 僕家族なる!』
いつもの契約みたいにブルーベルがぽわって光って、その光が消えるとさらにキラキラ輝いてるみたいな青い色したブルーベルがいました。
みんなで拍手して万歳します。窓から見てたロガーもがおぉぉぉって吠えて、それから拍手してくれました。
これからずっと一緒だよ。