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107監視といろいろ申請

 オニキス達が帰ってきてからしばらくは、お父さんもレイモンドおじさん達も、大会の練習どころじゃなくて、ドルサッチ達について調べてました。

 オニキスに詳しい話を聞いた僕。お父さん達が忙しいのは当たり前だよね。だって、ヒューイやオニキス達の話は本当なら、街が大変な事になっちゃうもん。


 穢れを操れるかもしれないドルサッチ。今まではドルサッチにくっ付いてただけのお付きだと思ってたグイダエスが、もしかしたらドルサッチ家の関係者で、もしかしたらあいつも穢れが操れるかもしれない。

 そんな情報を聞いたらお父さん達が、動かないわけにはいかないよ。

 

 大々的には動けないけど、そこはお父さんとレイモンドおじさん達、気づかれないようにしっかりドルサッチ達の近くまで入り込んで、いろいろ調べてるみたい。オニキスがそう言ってました。


 オニキス達が帰ってきて2、3日して、ゆっくりしたオニキス達は、お父さん達とは別に、ドルサッチ達の事を調べに行きました。

 2人に絶対無理はしないでって約束させて、それから時間を決めてちゃんと僕の所に帰ってきてって。もし帰れないようなら、帰ってきた時、ちゃんと僕に何があったか報告。


 そう言ったらオニキスが、僕がお母さんに似てきたって言ってました。だって大切な事だよ。オニキスは僕の大事な家族なんだから。僕、もう家族が居なくなるのは嫌だからね。ヒューイは家族じゃなくても、マロン達を守ってくれてる大事な存在。それにヒューイにだって家族がいるんだから、もしヒューイに何かあったら、森で待っててくれてるヒューイの家族に何て言えば良いか。


 そんな生活が続いて、10日くらい経った日、お父さん達はドルサッチ達を監視してるものの、今までみたいに調べるのは一旦終了になりました。いろいろ調べたけど、これといって情報が出てこなかったみたいです。


 ただレイモンドおじさんが、ドルサッチ達が住んでる街に誰か送ったって。ドルサッチの一族の事を調べるには、やっぱり奴の一族がずっと暮らしてる街にいって調べるのが1番。その報告を待ってから、また考えるって話になったってオニキス達言われたみたいです。


 そしてオニキス達が落ち着いたから、僕は早速オニキスを連れてスタジアムに。オニキスの魔獣自慢大会に出る登録まだしてません。今僕にとって1番大事な事です。


「オニキスいこ!」


「何だ? 何しに行くんだ?」


 ニコニコしながら、人型で僕達についてくるヒューイ。僕達が行く所に絶対付いてきます。そして興味があるものは何でも聞いてくるの。

 森が大変なことになるかもしれないからって、オニキスについてきたって言ったけど、実は遊びに来たんじゃってくらい。


「しっかり監視や調べごとはしている。それ以外の時間を有意義に使わなければ」


 まぁヒューイが監視とかのストレス発散になれば良いけど。今日オニキスの申請が終わったら、あの美味しいクッキー買って貰って、オニキスとヒューイに多くあげよう。オニキスはもちろんだけど、僕達が寝てる時、そっと屋敷から抜け出して、ドルサッチ達を見張りに行ってくれてるんだもんね。それで朝方帰ってきて、ちょっとだけ寝て、僕達と遊んでくれてるんだから。


 1度、お昼寝たっぷりして、夜中寝たふりした事があります。その前日と前の日に、ヒューイが昼間とっても眠そうにしてた時があって。ヒューイがいない時にオニキスに聞いてみたんだ。どうして眠そうなのって。

 それでオニキスに夜中の監視のこと聞いて、本当かどうか確かめました。


 朝ヒューイが帰ってきた時、今起きたフリして、どこ行ってたの? ゆっくり寝てねって、それからありがとうって言ったら、ヒューイはニッコリ笑って、僕の足元で寝て。

 ヒューイの事だから、僕が寝たふりしてた事ぐらい分かってただろうけど、ありがとうって言いたかったんだ。

 言葉ではありがとうって言ったけど、今度はものでもありがとうしたいです。それにはあの美味しいクッキーが1番だと思うんだよね。


 申請の場所に行ったら、この前より並んでた人が少なくなってました。だいぶ落ち着いたみたい。これからも申請する人達の列はできるけど、長い行列はもうできないだろうってお父さんが言ってました。


 今回僕の申請を担当してくれた人は、この前僕の申請の担当してくれたお兄さんで、僕のこと見てああって。すぐにオニキスの登録してくれました。


「はい、これで申請は終わりです。オニキスもちゃんと申請できましたからね。頑張ってください」


「うん!!」


 ふふふふ、これで完璧。オニキスとブレイブとアーサー。フウ達は出れなくて残念だけど、でもそれでも僕達の優勝間違いなし! 僕が緊張しなければ…。

 それから子供の競技の練習もしなくちゃ。頑張って1番取りたいもんね。


 申請が終わったから、クッキーを売ってるお店の方に行こうと思って、お兄さんにさようならしたら、お父さんがまだだぞって。だって申請終わったよ?


「ハルトはまだ楽しみがあっただろ」


 楽しみ? 何のこと?


「スタジアムの見学に行くんじゃなかったのか? スタジアム見学ツアーもここで申し込みだぞ。ついでだから今していこう」


 スタジアムの見学ツアー!! そうだ、それもあったんだった。もういろんな事があったから忘れちゃうところだったよ。


 見学ツアーには僕の家族みんなが参加します。他の人は不参加。レイモンドおじさんやペインおじさん達は見学ツアー行ってもしょうがないからね。お父さんとお母さん、それからグレンやロイは、僕達の監視役だって。僕達がどこかに行っちゃったり、余計なことして問題を起こさないように。

 そして僕の家族以外にもう1匹参加です。ヒューイが一緒に見学ツアーについて来るって。


 見学ツアーに参加する人の名前書いて、オニキス達の名前も書いて、見学ツアーは来週です。参加の記念にまたバッチ貰っちゃいました。

 それから見学ツアーの最後、解散する前にも何か記念品が貰えるんだって。バスツアーみたい。いろいろお土産付きの。


 僕はオニキスの参加申請と見学ツアーの申請ができて嬉しくて、クッキー屋さんまでスキップです。それでいつも通りみんなに笑われて。それでも今は嬉しいから良いんだ。


 クッキー屋さんは相変わらずの、長い列が出来てました。列の1番後ろは…あ~あ、あんなに遠い。でも2人に食べさせてあげなくちゃね。僕が列の1番後ろに行こうとした時、オニキスが僕の洋服咥えて、ヒューイが僕の八の洋服の帽子掴んで止めました。

 ぐえっ、ちょっとヒューイ、急に掴むのやめてよ。


「ハルトは今はやめておけ」


「オニキス?」


「オニキスの言う通り、今はやめた方が良い。お前達は目をつけられているんだろう?」


「何だ? どうした?」


 オニキス達の様子にお父さんが話してきました。


「あ奴らでもちゃんと列に並ぶ事があるのか?」


 ディアンがふんって鼻を鳴らしながら言いました。


 列の1番後ろにね、ドルサッチ達が並んでるんだって。しかも静かに。僕達それ聞いてビックリ。ドルサッチ達がいた事じゃなくて、静かに並んでるって事にね。本当にドルサッチ達なの? 似てる誰かと間違ってるとか。


「ああ、あいつらなら、さっきゴードンにやられたんだよ。だから静かに列に並んでるのさ」


 僕達の話が聞こえたらしい、列に並んでたお兄さんが教えてくれました。

 お父さん達はゴードンさんを知ってて、ゴードンさんもペインおじさんと同じなんだって。貴族で冒険者。

 しかもちょっと前の大会で、ドルサッチはゴードンさんにボロボロにされて負けたんだって。


 お兄さんがほらって。指差した方見たら大きな男の人が、ドルサッチ達の近くに立ってました。あの人がゴードンさん?

 ドルサッチ達を懲らしめてくれる人がいるのは嬉しいけど、大会もあるし人が多すぎて、今のお子様な僕じゃ、そろそろ覚えきれなくなりそう。


 ゴードンさんが見張ってるとはいえ、ディアンは完璧に目をつけられてるからね、ペインおじさんとロガーが並んでクッキー買ってきてくれるって。

 ペインおじさんにお願いして僕達は先に、今日お昼ご飯食べる食堂で席を取る事になりました。


 食堂に向かって、歩き出そうとした時でした。ヒューイが動かずドルサッチ達の方を見てます。それからオニキスと内緒話し始めたんだ。どうしたのかな?

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様です(* ´ ▽ ` *) ヒューイ、夜中も監視するなんて凄いですね(o`・∀・´)ノ ハルトの事を大事に思ってくれてるんですね。
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