105大切な話と、トイレ見学
どんどん話を進めるオニキス達。
でも、話の途中で僕ある事思い出して、思わず話止めちゃいました。でもとっても大切なことだよ。
マロン達のことです。今ここにヒューイが居るって事は、森には今まで住んでたオニキスもいない、ヒューイもいない、もちろん僕だってここにいるし、もし誰か穢れに襲われたら誰が穢れを祓うの?
みんなが苦しむのは嫌だもんね。もし誰もいないんだったら、早くヒューイに帰ってもらわなきゃ。
「ああ、その事か。それならば大丈夫だぞ。穢れを祓えるオレの息子を置いてきた。息子はまだ若いが、オレに劣らないくらい穢れを祓う事ができる。安心しろ」
そっか、なら大丈夫かな? でも本当? 本当に大丈夫?
「この前もオレが側で確認している。まぁ、これについては色々あるんだ。それについてはこの話のあとに教えてやる。まぁ、森の事は心配するなという事だ」
う~ん。そう言うなら。オニキスの信用するヒューイだもんね、信じるよ。
話を再開するオニキス達。ごめんね話を脱線させて。でも大事な事だから。
それからの話の中には、僕の興味を引く話がいっぱい出てきました。それはもちろんドルサッチ達の事もだけど、似顔絵を描いてくれる妖精のこととか、その絵を空中に浮かせて合体させる事ができるとか。
そんな妖精が森に引っ越してきたんだね。今度遊びに行った時に画用紙持って行ったら、それに絵を描いてくれないかな。マロンと僕達が遊んでるところとか。絵が上手いグレンが、いつも一緒に森に遊びに行ってくれるわけじゃないからね。
後で妖精のこと聞いてみよう。
「それで、昔みた男の顔と、ドルサッチ達の合体させた顔がそっくりだったと?」
「ああ。俺もびっくりした。あまりにも似過ぎていたからな」
「そうか。その話が本当なら、ドルサッチはその男の血縁者という可能性がかなり高いな。それか全くの偶然か」
「ドルサッチにいつもくっついてるグイダエスは、ドルサッチ家の関係者だったか?」
「いや、そんな話聞いた事がないな」
そんなに昔森に現れた男と、ドルサッチ達を合わせた顔がそっくりだったんだね。
お父さん達が言う通り、ドルサッチがもしその男の血縁者だったら。昔の男は穢れを自由に操っていたんでしょう?
今のドルサッチは穢れを操れる感じはしないけど、もしかして隠してるだけだったりして、本当は使えて、この前も僕達には自然に体から溢れてるようにみせかけて、実は僕達に気づかれないように操ってたりして。
この前妖精達が穢れに襲われた時も、実は最初から妖精達を狙ってたら?
でもさ、昔の男って、穢れで魔獣達を襲ってどうするつもりだったんだろう。だって穢れに襲われたら、暴走してみんなを襲って穢れを広めて、でも最後にはみんな穢れのせいで死んじゃうんだよね。
森から魔獣を消そうとしたとか? う~んよく分かんないや。
お父さん達も同じこと考えてたみたい。昔の男が何をしてたかヒューイに詳しく聞いてます。
「男が穢れで魔獣を襲っていたのはオニキスからきいていたが、襲ってからその男は何をしていたんだ?」
「弱っていく魔獣を見ていただけだ。たまに契約しようとしていたみたいだが、上手くいかなかった。それはオレもおかしいと思ったんだが、穢れで弱った魔獣と契約してどうなる。男には穢れを祓う力はないようだったからな」
少しの間でも契約したかったとか? 本当によく分かんない男だね。
それからも話を進めていくオニキス達。でも僕は…。
昨日もオニキスが帰ってくるって、ソワソワして夜中に何度も起きちゃったし、本当に帰ってくるか心配でドキドキして疲れちゃったんだ。
オニキスに乗っかったまま、こっくりこっくり。誰も僕がこっくりしてるの気づきませんでした。
ズル、ズル…ドシャッ!!
「ハルト!!」
オニキスがすぐに僕の洋服引っ張って起こしてくれます。
「ハルトちゃん!!」
「いちゃ…いちゃい、ふえ…」
オニキスからずり落ちて、顔の半分と体の半分、おもいっきり地面にぶつけちゃった。
「ひっく、うぇぇ」
「ハルトちゃんどこぶつけたの!?」
お母さんが急いで僕のこと抱っこして、体とか頭とか確認してます。応えようとするんだけど、でもけっこうおもいっきり落ちたみたいで、どこが痛いとか言えなくて手で摩ったりして伝えます。
「待ってろ。使用人の中に、回復魔法を使える奴がいる」
レイモンドおじさんが急いで部屋から出て行きます。
久しぶりにオニキスから寝ぼけて落ちたな。森にいた時とか、お父さんの家で暮らし始めて最初の頃は、よく落ちそうになったり、まぁ落ちてたけど。
痛くてどうしようもないけど、なんかオニキスがいるって感じるよね。
すぐにレイモンドおじさんが、使用人さん連れて戻ってきました。僕がやっぱり痛くて答えられないから、手で摩って痛いところ伝えました。
「大丈夫ですよ。すぐに痛くなくなりますからね」
使用人さんが手をかざすと、あったかいモノが体の中に入ってきます。そうしたらすぅって、痛いのが消え始めました。頭、顔、体、順番に痛みが消えていきます。
そして使用人さんが言った通り、すぐに全部の痛いところが治っちゃいました。
「ありがちょ!」
「いえ、これくらい」
治った僕の顔を心配そうにお母さんが覗き込んで、
「あとはお兄様達にまかせて、ハルトちゃんはもう寝ましょう。オニキスと遊ぶのは明日にしましょうね」
うん。そうする。もうね、眠くて。
みんなにお休みなさいして、フウ達と一緒に泊まってる部屋に行きます。本当はこのままオニキスと一緒に寝たかったけどね。大切な話してるからしょうがない。それに明日からはまた、いつもみたいに一緒に寝れるもん。今まで我慢したんだから、今日くらいなんて事ないよ。
次の日の朝、パッと目が覚めた僕。カーテンの隙間から少しだけ薄い光が部屋の中に差し込んでまた。太陽が登り始めてちょっとかな。
はっ! として僕は周りを確認します。僕の隣にはお兄ちゃんとフウ達がいつもみたいに寝てて、それから僕の足元には。
良かった。オニキスちゃんといる。夢じゃなかった、本当に帰ってきたんだね。
そんなこと考えてたら、オニキスが僕が起きたのに気づいて、のそっと起き上がると、お腹を出して寝てるフウ達を踏まないように、僕の側まで歩いてきて、僕の顔をスリスリしてくれました。
「どうした、こんなに早く起きて。トイレか?」
違うよ。多分オニキスの事が気になっちゃって起きちゃったんだよ、って言おうと思ったんだけど、トイレって聞いたらトイレに行きたくなっちゃったよ。
オニキスに乗ってトイレまで連れて行ってもらおうと思って、オニキスの背中に乗る僕。
その時、ベッドの横の方から声が。ヒューイの声です。ベッドの上から声のした方を覗いたら、クッションを用意してもらって、その上でだらけてるヒューイがいました。
「どこへ行くんだ」
「おちっこ」
「ここでして、浄化して貰えば良いだろう」
あのね、森や林にいるんじゃないんだから、トイレがあるんだからちゃんとトイレに行くよ。オニキスも人間にはちゃんとおしっこをするトイレという物があるって説明してくれます。
と、ここでトイレに興味を持ったのか、ヒューイが自分も一緒に行くって言い出しました。
「街にはたまに行っていたが、トイレとかいう物を見るのは初めてだからな。面白そうだ」
何が? トイレの何が面白そうなの?僕達の後ろからついてくるヒューイ。トイレに面白いものなんてないのに。
トイレのドアを開けてすぐにドアを閉めようとします。もちろん僕が入るのは子供用ね。だけど閉めようとしたらヒューイがドアに所に足を入れてきて何で閉めるんだって。いやいや、トイレだよ。おしっこだよ。閉めるに決まってるよ。
オニキスが仕方なく、僕がおトイレに行っている間に、隣の大人用トイレでトイレの使い方を教えます。
隣の個室からヒューイの喜ぶ声が。魔獣の興味引くものってよく分からないや。
トイレから出るとニコニコ顔のヒューイが、その隣には嫌々そうな顔したオニキスが立ってました。
「ハルト! トイレとは面白いな! オレは感動したぞ!」
「………そう? よかっちゃ」
その感想に僕はどう答えれば?
でもこの世界にはウォシュレットとかないから、そういうの開発したらみんな感動しそうだよね。僕にそういう知識があればなぁ。僕のこと大切な家族って言ってくれてるお父さん達のこと、喜ばせてあげたいよね。




