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のじゃ神さまとおしゃべり  作者: 半信半疑
3/4

3 ぜつぼーときぼー

 僕は悲しみにくれた。ついでにぜつぼーした。

 神さまの言う通りにしても、ばんばんポイントが付くとは限らない現実にぜつぼーした。


「まぁ、そう落ち込むな」

「そうは言いますけど、これは悲しいことですよ」


 心の底からそう思いますよ。


「良いことを教えてやろう」

「イイコト?」


 悲しみ、ぜつぼーする僕に、神さまがイイコトを教えてくれるらしい。何だろう、とても楽しみだ。

 もしかすると、あはーんでムフフなことかもしれない。可能性は…諦めない限り存在する。

 ワクテカする僕に、神さまは言った。


「優れた小説がポイントを得られるとは限らない」

「……え?」

「だーかーらー、優れた小説がポイントを得られるとは限らないのじゃ!」


 ちょっと想像していたものとは違っていたけれど、なるほど、神さまの言うことは正しい。僕が好きなネット小説の中には、明らかにプロレベルの人が何人もいる。けれど、その人たちの小説がたくさんのポイントが付いているかというと、そうでもないのだ。逆に、よく分からない内容の小説にたくさんのポイントが付いていたりする(そして僕は嫉妬し、苦しむ)。


「ワシがハーレムものを好かないように、人の好みも十人十色じゃ。何が他者の琴線に引っかかりポイントを得るのか、それは分からぬ」

「ふむふむ」

「あえて言うなら、『流行』が分かりやすい琴線なのかもしれぬな」

「なるほど」


 神さまの話は為になるなぁ。


「ポイントといえば、お主はどういう小説にポイントをつけるのじゃ?」


 今度は神さまから話題が振られた。

 僕は嬉々として答える。


「僕はやっぱりハーレムものですかね。お嫁さんがいっぱいというのは男として憧れますし、そういう話が好きですから」

「お主が好きなのは『お嫁さんがいっぱい』ではなく、『お嫁さんのおっぱい』ではないのかのぅ?」


 意地悪な…いやらしい顔で皮肉を言ってくる神さま。中々的を射ている。


「まぁ、おっぱいは好きですね」


 ここで変に言い訳をしては、ずっと揶揄われるだろう。そう判断した僕は、とても恥ずかしかったけれども、素直に神さまの皮肉を認めた。


「もう、この世に存在するありとあらゆる女性のおっぱいが好きです」


 するとどうだ。神さまの顔が赤くなったではないか。おやおや?


「お主、意外と、オープンなスケベなのじゃな…」


 下ネタを言われた時の、上の妹のような反応だ。神さまは、とても可愛らしい。それと、神さまも案外初心なのですね。


「男は皆スケベです。狼なのです。…それよりも、神さまはポイントを付けたりするのですか?」


 ネット小説を読み漁っていると言っていたから、可能性はなくはない。


「うーむ。ワシも一応ユーザー登録しておる身ではあるが、ポイントとなると、ブックマークくらいしかしとらんのぅ」

「評価はしてないのですか?」

「評価なぁ…」


 お? 何やら語りたいことがあるご様子。


「たまになら、本当にたまになら付けるのじゃぞ? それも短編や短い話ならな。しかしのぅ…」

「しかし?」

「しかし、百万文字とか書かれとる小説にポイントを付けるとなると、それはワシにとっても至難の業なのじゃ。よっぽどその小説を読みこんでおらんと、ポイントは付けられぬ」


 神さまの言うことも一理ある。


「もしかすると、神さまみたいに真面目な人が多いから、小説にポイントが付きにくいのかもしれませんね」


 そして多くの小説が埋もれていくと…。


「そうじゃなぁ。評価の付け難さが、数多の作家を苦しませておるのやもしれぬのぅ」

「書く側は気軽に評価してもらっても良い雰囲気づくり、読む側はできるだけ評価に協力する姿勢が必要ってことですかね」


 僕たちは、しみじみとお茶を啜った。


 ぜつぼーしたー!

 神さまの言う通りにしても、ばんばんポイントが付くとは限らない現実にぜつぼーしたー!

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