3.ムクの意志
すみません、平成29年10月27日に上げたのを再アップしただけです。違うところに投稿してしまったので、再度よろしくお願いします。
「なら、まずはバードを探してほしいんだ」
((((えっ!?)))))
「雨も降るかもしれないし、なるべく早く探してもらってもいいか?」
5人は目を丸くする。
「ん? どうした?」
その反応を気にしたムクは問いただす。
それもそのはず。今まで、ムクの方からこの提案を切り出したことがないからだ。5人の夢残たちは困惑してしまった。
「あ、あのうムクさん……?」
そのうちの一人が恐る恐る手を挙げ、発言した。
「何だ?」
ムクは無表情にその発言を許可する。いつもであれば、不機嫌そうに答えていただけに、現生人たちは余計何事かと戸惑いを隠しきれなくなってきた。
「な、何故急に、バードを探そうと思ったのですか?」
あぁそういうことか、といった表情でムクは腕を組み、
「いやなに、そろそろ決着をつけようかなと思ってさ」
その質問に答える。5人は得心したのか、目を見開き細かく何回も頷いた。
「良いですねぇ。蹴散らしちゃいましょう!」
一人がこう答えると、堰を切ったように他の夢残たちも言い出す。
「この体制にはウンザリしてましたから、いい機会です!」
「あの調子乗り夢残に一泡吹かせましょうよ!!」
「全面戦争なら受けて立ちますよ!!」
彼らが協力する理由はこの辺りにもある。ムクの仲間となった者たちはいずれも治安統括局に不満を持っていた。
出世できない、年功序列ではない、自分を生かし切れていないetc.……。
ムクは言葉を巧みに操り、彼らのそういった不満を利用し、そして仲間にしていった。だからここにいる夢残たちは、そういったことに協力を惜しまないのである。
しかし、ムクは少し止めた。
「違う違う。ヒバリとだ。治安局まで攻めるわけじゃないぞ」
その言葉を聞いてみんな落胆したが、ムクは落ち着いたと見るや、更に付け加える。
「ヒバリと真正面から勝負を仕掛ける。そして、俺が勝てば二度と干渉しないと約束させるんだよ。治安局を潰すことに関しては、とりあえず置いとけ」
全体に指示が通っているか確認すると、もう一度口を開く。
「いい加減、ヒバリとの追いかけっこにも飽きた。というより疲れたからな。ここらで一区切りつけておきたいんだ。協力してくれるか?」
その丁寧な口調から、ムクの本気度が窺える。
だからこそ、聞いて頷かない者はいなかった。




