この作品を読む前に……
唐突に始まってしまったので、前置きを一番最初に置いておきます。
私達は多かれ少なかれ「夢」を見ている。
ここで言う夢というのは「dream」のことで、寝た時に見るものの事である。
では私達は、一般的にどんな夢を見るだろうか?
青い空を飛びまわり、世界のいきたいところへ飛んでいく人。
現実と夢がリンクしてしまい、夢の中でも仕事をする人。
子供の頃なりたかったヒーロー&ヒロインになりきって街を救ったり、あるいは悪役になって街を破壊したりする人。
悪い人に追いかけられて逃げ惑い、散々逃げ回るがこれ以上走れない状態まで追い詰められ、あと一歩のところで殺されそうになる瞬間に目が覚める人。
吉夢、悪夢、正夢etc.……、様々な夢が世の中にはある。
そして見るものは似るところもあるが、それぞれ十人十色であろう。
しかし、ここで考えてほしいことがある。
――あなたが見ている夢は本当に、自分が見ている夢なのか?――
それを確かめる術はないだろう。眠っている間に、誰かがあなたの夢に干渉できる訳でもないし、君の意識が意図して夢に干渉できる訳でもない。
だがこの夢がもし――
別の世界の存在を隠すために、見せられている夢だとしたら?
あなたはどう思うか?
さて、前置きはここまでにしよう。
今回話すのは、その別世界で意識を持つ者たちの話である。彼らは現実世界――つまり私達が普通に生きている世界とは別に、もう一つの世界でも共通の意識を持つ人々だ。
そして、これから話すことを決して他言してはならない。
何故ならこの話が広がってしまうと、私のみならず、あなたもろともこの世界から消されてしまいかねないからだ……。
ここから先は、夢へと続く扉。
一度知ってしまったら、その事実を一生胸に秘め、墓場まで持っていかなければいけない、とってもとっても重い扉。
では、参りましょうか。
夢の異世界:クラウドリームワールド、通称「クリム界」と呼ばれる世界へ……。