表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自称女神と異世界生活  作者: 水野清一
第1章 出逢い
6/34

第6話 武器

 店を出てから直ぐアテナは露店へと引き返していた。


「先程はありがとうごございます」


「おう、さっきの嬢ちゃんか別に気にするな」


 店主のオッチャンはかなり気さくの様だ。


「それで、目的は達成出来たんか?」


「はい、お陰さまで、何とかなりそうです」


「そりゃ、良かったな。ところで、坊主…おめぇ嬢ちゃんのこれなら女の一人位てめぇの稼ぎで養ってやれや」


 店主は一樹にそんなことを言ってきた。

どうやら男なのだから彼女であるアテナ一人位養えと言いたいらしい。


「ちょっと待て、俺達はそんなんじゃ…」


「んな事言うんじゃねぇ。なぁ、嬢ちゃん」


 店主は一樹の遮ってまで一樹とアテナをくっ付けたいらしい。


「えへへぇ(照)」


「お前なぁ…」


「んで?、嬢ちゃん。店を紹介した礼をするためにオレんとこにきたのか?」


「あ、そうでした。さっき見たときに剣と盾を買いたいと思ったんですよ」


「なんでぇ、嬢ちゃん…ハンターになるのか?それとも、坊主がか?」


(ハンター?…狩人って獣でも狩るのか?)


 疑問に思っているとアテナが店主に聞いた。


「二人でハンターになろうと思うんですけれど、どうすれば良いか教えて貰えますか?」


(おい、ハンターになるなんて聞いてないぞ!)


「ハンターギルド…組合は知ってるか?」


「組合?」


「なんでぇ、もしかして何も知らないのかよ」


「悪かったな…、こっちに来たばかりなんだよ」


「なるほどな、着いたばかりってんなら住むところも決まってねぇのか…」


「あぁ」


「登録もまだなんだろ。だったら、ハンターの登録ついでに組合で聞いてみるといい。どっか紹介して貰えるからよ」


 どうやら組合で色々出来るらしい。

住むところを紹介して貰えたり、ハンターの登録も出来る様だ。

しかし、問題がある二人とも組合の場所を知らないのだ。


「そうしたいのはやまやまだが来たばかりなんだ組合の場所なんかしらない」


「ま、当然だな。場所は教えてやるよ。だが、その前に装備を買ってけ」


 さすが商売人さり気無く買わせようとしている。


「ハンターにはランクがあんだよ、最初はFランクから始まるんだが、登録ってもタダで出来る訳じゃねぇ。試験があんだ」


 どうやら只商売根性で買ってけと言っている訳でわ無い様だ。


「試験ですか?」


「おうよ、大体はその場で試験をやって、魔物を狩る実力を見るんだが、そん時に武器を使う」


(試験で使う武器は自分達で用意するのか…それとも持ち込みが基本なだけか?。それにしても、今魔物を狩るって言ってたな…ミノタウロスみたいなのがこっちには溢れてるのか…)


「たまに素手で受ける奴がいるが大抵、実力不足で追い出されてるぜ。んで?、嬢ちゃんは剣と盾だったか…、坊主はどうすんだ」


(あぁ、アテナは欲しいって言ってたけど。俺は、言って無かったからか…。だが、武器の良し悪しなんて分からないぞ…それにこの金はアテナのだから使えない)


 普段から魔物の脅威に晒されている彼らとは違い、一樹の世界には武器を使う戦いそのものが余り存在しない。

その為、彼には良し悪しの判別は困難なのだ。


「一樹さんが使うなら。これが良いと思います」


 アテナがそう提案して来た。どうやら、一樹の様子からどうすれば良いか分からないのが伝わった様だ。

そうしてアテナが選んだ武器を見て一樹は驚いた。


(なんで刀が在るんだ…)


 店に並んでいる武器は殆どが直剣かナイフ、レイピアの様な西洋式の武器ばかりなのだ。

この中でたった一つだけ刀が在るのだ。


「ほぉ、嬢ちゃん良い目してんな。確かにソイツは良い剣だぜ…。だだ坊主に扱えんのか?」


 テラの剣技は西洋剣技が中心で刀を使うことに適してはいない。

しかし、一樹は元々刀による剣技を使う。

その為、こちらの剣は直剣だったので、一樹の剣技には合わなかった。


「振ってみても良いか?」


「おう、良いぜ」


 店から少し離れ、刀を左に腰だめに持ち構えた。「すぅ…はぁ…」軽く深呼吸し、体から力を抜いて。次の瞬間刀を抜き放ち横一閃。そのまま数回に渡り様々な角度で刀を振るった。


「ほぉ、なかなかだな」


 店主が感嘆の声を漏らす。


「良い刀だ」


 刀身の重さ刃の鋭さ柄の握り安さどれも一級品であった。振ってみて尚更それを感じた。


「で…、坊主…お前さんはそいつで良いのか?」


(確かに良い刀だが・・・)


 彼が買うのを躊躇っているのは、今持っているお金はアテナから預かっているだけで、彼自身はお金を持っていないからだ。


「嬢ちゃんは決まっているか?」


 彼が躊躇っている事に痺れを切らし店主はアテナの方に聞いた。


「はい、この鋼鉄の剣と鋼鉄の盾を下さい。それと、一樹さんの持っている刀もお願いします」


「ッ!!」


 彼女は一樹が何に躊躇っているのか分かっていた。だから一樹の代わりに刀を買うと言ったのだ。


「嬢ちゃんは鋼鉄の剣と盾は金貨一枚に銀貨六枚だ、んで坊主の刀は金貨一枚なんだが。嬢ちゃん達にやるよ」


 何かある、そう感じた。


「まぁ、お前さんらなら試験は問題ねぇ筈だ。だからその後に依頼があるその報酬にタダでやるぜ」


(つまり、俺達なら試験は簡単だから、終わった後依頼するから報酬として武器を俺達にくれると)


「…おいおい、良い男過ぎるぜ。あんた、だけど達成出来るか分からないぞ」


「構わないさ、だだオレがお前さんらを気に入っただけなんだからよ!」


 そう言っておっさんはニヒルな笑みを浮かべた。本当に良い男だ。


「わかったよけど余り期待はしないでくれよ。それで、組合の場所なんだけど何処に在るんだ?」


「場所はそこの通りを真っ直ぐ行って交差した剣の看板があるそこが組合だ」


 こうして二人は武器を手に入れた。

これからは少しペースを落として行きます。

次回は日曜日に更新を予定してます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ