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自称女神と異世界生活  作者: 水野清一
第2章 最初の…
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第30話 緊急会議2


 さて、どう説明していくか………。

そう、俺が悩んで居ると奥に座っていた人物が立ち上がって怒鳴り始めた。


「貴様!ふざけるな!俺達だけでやるだと!!?舐めるのも大概にしろ!たかがキマイラ1匹を倒した程度で粋がるなよ小僧!!?ゴブリンキングも同じだと高を括ってる積もりだろうが貴様程度では直ぐに殺されて終わりだ!我々騎士団の力を見くびりすぎだ!ゴブリンキングの前に出る必要すらない!今ここでこの私が叩き切ってくれる!!?」


 ヤッパリこうなるか………。

もしかしたら穏便に………何て思ってたけど。

あの時に居た騎士団長がここに居た時点でこうなるだろうとは思って居た。

フィリアの事ですらあれだけ国王への忠義を示していたんだ。

国の一大事にお前の力は必要無い等と言われれば食って掛かって来るのも当然だろう。

それでも言わせて貰おう………。


「ふざけてなどおりせんよ………事実俺達だけで戦った方が勝てますから」


「貴様!」


「止せ!イグニス!彼の話はまだ終わっておらぬ………」


「しかし!!?陛下!」


「イグニス……私の命令が聞けぬのか?」


「っ!!?そ、その様な事は………」


「ならば最後まで聞いてからでも問題なかろう?良いな?」


「はっ!」


「カズキと申したか?続けるが良い」


「ありがとう御座います………。それでは何故俺達だけでやると言ったかと言う理由を説明します………。まずは俺達の戦力に付いて話します。ご存じの通り俺はこの間ここのランク試験を受けた時に何らかの事故で現れたキマイラを単独討伐しております。この時点で俺の強さは大体理解して頂いていると思います。ですが貴方方は俺1人が強くてもゴブリンの集団には無意味だと思われて居るのでは無いですか?」


 そう恐らくだが騎士団長はその点と自分達の実力を疑われている事に対して憤慨していたのだと思う。

だから今からその懸念を無くす為に正体を明かそう………。


「………ですが俺だけで戦う訳では有りません。ここに居るアリエスを含む10名と俺で討伐に行く予定です………」


「「「っ!!?」」」


 俺の言った言葉を聞いてフィリアたちが驚いて息を飲むのが分かる。

彼女達は自分達も一緒に戦うと思って居たのだろう。

しかし、俺は彼女達を連れて行く気は無い………フィリアはアテナのお陰でステータスは高いがこの間のウルフとの戦闘を見た感じ実践経験が少ないと思われる。

恐らくだが討伐戦は森の中に入っての戦いが基本になると思う。

森の中は見通しが悪く視界が確保し辛い為後ろや横からの奇襲を警戒しながらの戦闘になる筈だ。

その為森に慣れていない人はまず確実に奇襲を受ける………。

ではその奇襲を避けるにはどうするかと言うと答えは簡単だ。

熟練の戦士達は、経験に寄る予測で敵からの奇襲を避けるのだ。

そして、リーゼとラナはフィリアの真逆の理由で連れていけない。

フィリアはステータスこそ高いがその経験が圧倒的に足りていない。

逆にリーゼとラナは経験こそ熟練だがステータスが足りていない。

その為今回の様に強さと熟練の経験2つ供が必要とされる戦いではその強さを発揮する事が難しい。

最低でも怪我を負い危険になる………最悪は実力不足で捕虜になりゴブリンの餌食にぬるか殺されて胃袋の中だろう。

今の俺は弱い………皆を守りながらでは戦え無くなる。

そして皆をそんな目に会わせたくは無い。

3人が納得しないのは分かってるそれでも3人を連れて行く事は出来ない。

これは爺ちゃんが言っていた事だが、経験も実力も無い者が戦場に出れば生き残るのは難しい。

恐らく爺ちゃんは同じ様な経験をしたのだろう………その言葉を俺は信じている。

難しく言っているが様は俺がフィリア達を危ない目に会わせたくは無いだけなのだ。

さて、そんな俺の言葉を聞いた騎士団長はと言うと………。


「たった11人でだと!!?もう良い!貴様の言葉等聞く価値も無い!陛下!どうか我々騎士団にお任せ下さい必ずやキングを討ち取りこの地を守って見せます!」


「………………………」


「陛下!」


「………カズキよ。お主はその数でゴブリン共を通にか出来ると言うのか?」


「はい、出来ます」


「陛下!!?」


「黙っれ!イグニス……私は先程も言った筈だ!最後まで話を聞くと!これ以上続けるのならばお主はここから出て行け!」


「っ!……分かり……ました………………ですが陛下最後に1つだけ………どうか、早まったご決断だけはなさいませぬ様にお願い致します………」


 そう言って騎士団長は会議室から出ていった。

俺はその後ろ姿を尊敬の念を抱きながら見送った。

彼には俺達が自殺志願者に見えたのかも知れない。

だから彼はああ言って俺達を止めようとしたのだろう………。

他の想いも混じって居たのかも知れないが彼の言葉の殆どは優しさと国王への忠誠心によるモノだと想えた。

そうした彼の姿には俺は尊敬しか出来ない。

さてと、次はこちらの戦力説明をしないとな。


「国王陛下、まずはありがとうございます」


「良い……それよりも話の続きを」


「はい、それでは続けさせて頂きます。

先程こちらは俺を含めて11人で討伐に行くと言いましたが。俺を除いた10人の戦力を説明します。そしてこれから話す事は他言無用でお願いします」


「それ程の秘密なのか?」


「はい、対応を間違うと大変な事になります」


「………ふむ、してその内容は?」


「先ずは彼女達の種族からお話します。彼女達の種族は………天使族………つまり神の使徒です」


「「「「「「っ!!?」」」」」」


 俺の言葉を聞いて会議に参加していた国王と臣下達それからギルドマスターのガリウスとギルド職員達そしてこの場に居合わせた武器屋のおっさんが息を呑んで驚いた。

それもその筈、この世界の神の使徒とは2つの意味を持つ。

………1つ目は神の言葉の代弁者………人を導く為や人に何らかの布告をする為の神の言葉を伝える使者。

これはそのままの意味で言葉を伝えたい時に使者として送り出すモノだ。

………2つ目は神の武力の代行者………神がその怒りや悲しみ………優しさを振るう為に送る使者だ。

例えば人が神の怒りを買いその罪が武力でしか示せない様な場合神が力を振るうと世界に大きな影響を与えてしまう。

その影響を出来るだけ最小限にする為に武力の代行者として送り出すモノなのだ。

他には神がどうしても助けたい者が居た場合の盾として送り出したりもする。

そして現状彼らが思っているのは武力の代行者としてアリエス達がこの地に派遣されて来たモノだと考えて居るだろう。

しかし、実際は神に成った俺に挨拶に来て帰れなくなりたまたまここに居合わせただけなのだが…………。

まぁ、どちらにせよ彼等にとっては吉兆になるだろう。


「………………神の代行者、本当なのですか?」


 そう聞いて来たのは国王と一緒に来た臣下の1人だった。


「えぇ、但し今回彼女達がここに居るのは偶然のモノになります」


「偶然ですか?………それでは他に何か地上でやるべき事がお有りに?」


「はい、彼女達がここに居る理由は現在この地に神の一柱がいてその護衛としてここに来たのです」


「「「「「「なっ!!?」」」」」」


「………え?神様?」


「………おぉ……おぉぉ」


「何と!」


「神がこの地に………」


「一体何が起ころうってんだ……ガリウス?」


「俺に聞くなよ………」


 再びこの場に居た面々が息を飲みその後それぞれが違う反応をした。

………………それもその筈だよな、何故なら神が今この世界に降りている何て聞いたんだから。

彼等にとって神とは絶対の存在で有り最強の存在なのだから。

もしかしたら………そんな希望を抱いてしまうのも無理はない。

そして今回はその希望が現実になるのだから………。


「………して、神は今何処に?」


「この場に居ます」


「何っ!!?」


「そんな!!?」


本当マジかよ!!?」


「………あはは……ギ、ギルマス………これどうなってるんです?」


「知るか!さっきも言ったが俺に聞くなよ!!?」


「気絶しても良いですか?」


「耐えろ!俺も気絶したい位なんだ!」


 大混乱だ………。

混乱するとは思ってたけどここまでとは思わなかった………。

どうせだこの混乱を利用して一気に話をまとめて仕舞おう。


「ちなみにその神ですが彼女の中に居ます」


 そう言って俺はフィリアを前に出した。


「彼女の事は陛下ならば良くご存じの筈です」


「………やはり、フィリアだったのか………」


「陛下!!?知って居られたのですか!!?」


「どう言う事で?」


「……………私の大切な娘だぞ?気付かない訳なかろう?……………だが、女神様の魂が宿って居られるとは」


「一応、これで陛下からの依頼は完了ですね………」


「あぁ………それで?フィリア………それとも女神様とお呼びした方が?」


「どちらでも構いません。私もフィリアもここに居ますから………」


「分かりました。………フィリア、無事で何よりだ」


「お父様………ご心配をお掛けしました」


「良い………お前が無事なら」


「ありがとうございます」


 そうお礼の言葉を国王に返してフィリアは嬉しそうな顔をしていた。

さて、そろそろ纏めないとな!。





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