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自称女神と異世界生活  作者: 水野清一
第2章 最初の…
31/34

裏話1 緊急会議1の裏

sideガリウス


 ギルドマスターに就任して5年目に入った俺は今とんでもない報告を聞いている。


「何!!?ゴブリンキングだと!」


「確かです!」


「数と規模はどれ位だ!!?」


「分かりません!情報を持ち帰った狩人ハンターも仲間を失いながらも持ち帰った位ですので………」


 くそ!殆ど何も分からない状態じゃねぇか!どうする!!?何もせずに居る訳には行かない!取り敢えず会議室に向かおう………。


「分かった………なら偵察専門の連中に直ぐに確認に行かせろ!それとロイ!緊急用の転移陣を使って城へと知らせに行け!」


「分かりました!」


「ジーン!ラナはどうしてる?」


「先輩は例の狩人達と話してます………」


「そうか………なら終わったらこっちに来るな!ならこっちは直ぐにでも会議を出来る様にしとくぞ!」


「はい!」


「ハインツ!狩人ハンター達に緊急召集を掛けとけ!」


「了解です!」


「町の様子はどうだ!」


「今の所特に騒ぎにはなってません!」


「そうか………騎士団連中がしっかり仕事してるんだな………ジーン!エレナの所に行って報告をして来た狩人の様子を見て来い!大丈夫そうなら会議に参加してもらう!」


「直ぐに確認してきます!」


 そう言い残し最後にジーンが走って仮眠室の方へと向かい出した。

その姿を見送りながら俺は会議室に入り次にやらなければならない事を考えてながら奥の席へと向かった。

すると入り口から誰かが入って来る気配がして振り返ったらそこには………。


「ガリウス!ゴブリンキングが出たとは本当か!」


 そう声を荒げながら広場で武器屋をやっている兄であるシリウスが居た。


「兄貴!どうしてその事を!」


「今、俺ん所に慌てて来た奴がいてそいつがキングが出たから殺り合える武器をくれと言ってやがったんだ!」


「誰だ!そんな事をしたバカは!この忙しい時に面倒を増やしやがって!」


「………お前がその態度って事は本当のことらしいな」


「あぁ………その対策をこれから集まって話し合う所だ………」


 と言っても十中八九実力者を囮にしての国民の避難優先で狩人組合《俺達》と騎士団での護衛って方針になるだろうがな………。


「…………………兄貴、悪いんだが出来るだけ武器を俺達に貸しちゃくれねぇか?」


「………そんなに状況悪いのか?」


「正直言って最悪だ………国の中でゴブリンキング………奴と戦える程の実力者は全体の約1割以下でその殆どは今国境付近か他国に行ってる。1番近い奴でも知らせてからこっちに戻って来るまでに5日は掛かる所に居る………キング供がどれ位で動くかはまだハッキリとはしないがまず間違いなく今回の戦いには間に合わない。そして、ここに残って居る奴でキングと戦えるのは俺を含めて5人居れば良い方だ。………更に言えば取り巻き供と戦える奴も少ない………こんな事は言わないのが良いんだがハッキリ言おう民衆を逃がす為に出るのですら1時間持てば良い方だ」


「………………………詰まりは圧倒的に戦力が足りてない訳か。だが、それだと武器を与えても焼け石に水じゃないのか?」


「そう何だが気休め程度にはなる………」


「俺ん所の武器が気休め程度かよ………そう言ゃぁ2日前にウチの刀持った男と女がここに来なかったか?」


「あぁ、来たな。ってかヤッパ兄貴ん所で売ってた刀だったか………んで、そいつ等がどうした?」


「大丈夫だとは思うんだが………アイツ等合格したんだろ?」


「合格したなんてもんじゃねぇよ………女の方は試験を受けて普通にEランクになったんだが男の方は普通じゃねぇ………誰がやったのかはまだ分からねぇが召喚陣に細工がされていてキマイラが出て来ちまったんだ」


「なっ!!?」


「…………試験場は試験が開始されると安全の為に自動で結界が張られて中と外とを分けちまう………それを解除するにはギルドマスターである俺の許可による非常手段を取るか中の人間が一定以上のダメージを追う又は結界内の魔物の討伐をしないと解けない様になってる。ただしその結果にも細工がされていたその所為でこっちからは何も出来なかったんだ。………だがよアイツはその状況でキマイラを1人で倒しやがった………兄貴、どこであんな奴見付けて来やがったんだ?」


「何処でったってなぁ………俺は広場で武器売ってただけだぞ?」


「どこから来たとか言ってたか?」


「いや、何も行って無かった………」


「そうか………それじゃしょうがねぇな………所で何でアイツ等の事聞いてきたんだ?」


「あぁ、例のアレをアイツ等に頼みたかったんだ」


「アレ?………って!まさか!!?」


「あぁ、親父の最後の願い………………それをアイツに頼みたいんだ………………」


 親父が残した最後の願い………それを兄貴はアイツ等に頼む積もりの様だ。

しかし………。


「………………アイツ等にゃ荷が重くないか?」


「キツイだろうな………けどよ男の方ならもしかしたら……ってそんな期待が有るんだわ」


 確かにキマイラを1人で討伐してしまう位だ期待したいのも分かる……………だけどよぉ。


「アレはその辺の奴を狩るのとは訳が違う……………俺は今はまだ早いと思うぞ」


「分かってるよ………頼むしたって今直ぐ頼む積もりはねぇよ。それより今はキングの方が問題だろ」


「………っても、どうするも無いんだがな」


 戦力が足りてない現状では逃げるしか選択肢はねぇ。

もし、現状をどうにか出来るとしたらそれこそ神の使徒でも来なけりゃ無理だ。

どっちにしろ会議での意思統一をしてからだな。


「マスター!戻りました!それと………連れて来ました」


「あぁ、直ぐにラナも来るだろうから来たら直ぐに始めるぞ!」


「分かりました!」


「兄貴………武器の提供者って事で兄貴も参加してくれ」


「分かった」


 兄貴はその返事を返してそのまま近くの椅子に腰掛けた。

同じ様にロイが連れて来たのも奥の席へと座った。


「エレナ入ります……」


「エレナ、例の狩人ハンターは?」


 エレナは首を横に振った。

やはり無理だったか………仕方ない。


「話は聞けたか?」


「はい」


「ご苦労、お前はこのまま会議に参加してくれ」


「分かりました」


 その返事を返して来たエレナが椅子に座ったタイミングでラナがアイツ等を連れて会議室に現れた。


「ラナです。失礼します!」


 そう言いながらラナは後ろを振り向きアイツ等に中に入る様に促した。

それにしても………。


「………所で何でお前らが居るんだ?」


 俺はそう言ったがラナの事情を知っている俺は恐らくでは有るがラナがここに連れて来た理由は予想できる。

多分だが彼女をパーティーメンバーとして避難組の護衛を行う相談をしていたんだと思う………。

だがこの後アイツ等が言った事が予想外だった。


「俺達は今回のゴブリンキングの討伐に関して提案が有るのと俺達からのお願いをする為にラナに参加をお願いしました」


 予想とは大分違った………。

ってか討伐?もしかしてこいつキングの強さを知らないのか?それとも知っていて言ってるのか?まぁどちにしろ聞いた方が早いな。


「提案とお願い?一体どんなだ?」


「それは簡単なモノです………まず提案は防衛と討伐の2つの部隊に分けて欲しいんです」


「………?討伐と防衛に部隊を分けるのは普通だろうが?何でんな事言ってんだ?」


 そう………戦力が足りている場合は当然そう言う風にして戦力を分け敵を討伐する。

大体比率が安全マージンを作るとキングの居ないゴブリンの集落で討伐に150人防衛に30人って所だ。

だがそれは戦力がある場合だ………だからその提案をしてくる意味が分からない。


「そうですね………だけどここからが俺達のお願いに関わる所なんです」


 そう言ゃお願いが有るとか言ってたな………まっ、どうせ自分を討伐の方に入れろとかそんな所だろ。

………まぁ、違う可能性もあるし一応聞いておくか。


「それはどんなんだ?」


「……………部隊の編成は討伐組を俺と俺の部下?いや、仲間達だけで行いそれ以外のこの国の戦力は防衛に割り振る事です」


「なにっ!!?」


 こいつ自殺志願者か!!?自分達だけでやるだと!!?ってかラナとの相談ってまさかコレの事か?ラナが何も言ってないって事はそう言う事だよな!こいつ!他人まで巻き込んでんじゃねぇ!!?。


「………坊主幾ら何でもそいつは」


「………先輩」


 ほれ見ろ!他の奴等も同じ意見じゃねぇか!どうやら俺はとんだバカをCランクにしちまったらしい!!?。

だがギルマス歴5年目の事件はまだまだとんでもない事が待って居るとはこの時の俺は思ってもいなかった。





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