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自称女神と異世界生活  作者: 水野清一
第2章 最初の…
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第28話 方針変更


 ゴブリンキングと戦うにしても色々と情報が無いと行動を決める事も出来ない。

取り敢えず皆に聞きたい事が出来たので相談しよう。


「アテナ!リーゼ!アリエス!それとラナ!少し話が有る来て貰えないか?」


「「はい!」」


「直ぐに参ります」


 フィリアとリーゼ、アリエスは俺に呼ばれて直ぐに此方へと動き出した。

そしてラナは………。


「分かりました。ジーン!ギルマスにこの事を伝えて会議室に来て貰ってこちらの話し合いが終わり次第、会議室に向かうと伝えて!エレナ!貴方は彼女を医務室に連れていって!残りの皆は出払っている狩人ハンターに緊急連絡で戻るように伝えて!それとこの場にいる狩人ハンターの方々、ギルマスとの今後の話し合いが終わり次第方針が伝えられますのでそれまでは待機をお願いします!」


 と、色んな人に指示を出してから此方に歩いて来た。

しかし、ラナがここまで色んな人に指示を出せるとは思わなかった………もしかして結構上の役職に就いていたのだろうか?。


「お待たせしました。それでお話とは?」


「簡単には言うとこれからの俺達の行動方針に付いての話し合い何だが………出来れば余り人には聞かれたくないんだが」


「分かりました。でしたら登録水晶の部屋へ参りましょう。あそこなら滅多に人は来ませんから」


 そう言って俺達を先導した。

俺達はその後に続く様に歩いて登録水晶の部屋へ入った。

その場所は相変わらず大きな水晶が有りその水晶を見に来るだけでも価値が有ると思った。

そして、全員が部屋に入ったのを確認しラナは部屋の扉を閉めた。


「それで………ご相談とは?」


「………まず、教えて欲しいのはこの国の戦力だ。ちなみにゴブリンキングを含めた戦力が最低でもどの程度の戦力になるかについてはアリエスが念話で教えてくれたから大体の事は分かってる。だからこの国の戦力を知りたいんだ」


 逃げるにしろ戦うにしろ戦力が分からなければ動きようが無い。

まぁ、恐らくは戦う事になるだろう。

しかし、戦う場合戦力比を知らなければ俺が最前線で戦うのか後衛として後ろで支援するのか決められない。

そして………。


「俺はさっきまでは出来るだけ穏便にやっていく積りだったんだがそうも言ってられそうに無い………ここの戦力次第ではアリエス達を含めて全力で当たらないとイケない。だから……フィリア…ラナ、国の兵士達の戦力と狩人を含めたその他の戦力を出来るだけで良い教えてくれ」


「………分かりました。この国の兵士は1人辺りの強さは平均でゴブリンリーダーと同程度です。隊長クラスはゴブリンナイトと互角ですね。騎士団長クラスになればゴブリンジェネラルと戦えます。しかし、ゴブリンキングとなると騎士団長達では犠牲を出してようやくと言った所ですね。騎士団は全部で3つその内訳はは兵士が800、隊長が160、騎士団長は32人、そしてその上にまとめ役の総長が3人です」


「次は狩人ハンターですが今この首都に居るのはカズキさんを除いて最高ランクはDランクで戦えるのはせいぜいゴブリンリーダー位が限界です。人数は60人でその内Dランクは20人後はEランクです。依頼で地領に現在出ている狩人ハンターを呼び戻していますがいつ戻って来るかは不明です。他の支部にも救援を出す事になると思いますが一番近い支部からここに来るのにはどんなに急いでも2日は掛かります。先程彼女から聞いた森の状況を考えると恐らく間に合わないかと………」


 俺は2人の情報を聞いて今がどれだけ危機的状況なのかを再認識した。

ハッキリ言おう………今の戦力ではゴブリンキング所か他の魔物にも勝つ事は難しい。

正直キングだけだったらどうとでもなるだけの力は有る………しかし、アリエスが言っていた様にキングは一団を率いる能力を持っている。

他のゴブリン達の数次第では騎士団すら敵わない可能性が高い。

そうなるとこのままでは不味いしかし………。


「………この現行戦力では勝てないか?」


「そうですねこの国の戦力だけでは奇跡的な事が起こらない限り全滅しますね」


 不味いな………これは本格的に逃げる事を考えた方が良いかもな。

しかし、俺がそう思っても恐らくフィリアは戦いたがると思っている。

彼女はこの国のお姫様だ。

自覚が有るのならば民の為に戦う筈だ。

それに、俺も出来れば逃げたくは無いしな。

そう思っていたらアリエスは予想外の事を言って来た。


「………但しそれはカズキ様や姉妹アデルフィーである私達が戦闘に参加しない場合です」


 どう言う事だ?そう言いたかった。

正直言って俺の強さはそこまででは無いと思う。

ハッキリ言って仕舞えば俺よりも強い人は何人か居る。

例えばギルドマスターであるガリウスだ。

彼の強さは会った瞬間に分かった。

彼の纏っていた雰囲気は師匠で有る爺さんと同じで戦場を生き抜いた事が有る者が出せる独特のモノだ。

それに足運び等も武芸者……それもかなりの達人のモノだった。

他には騎士団長のグラベルも同じ雰囲気を出していた。

彼もまたかなりの武芸者なのだろうと思う。

だから、俺自身はアリエスが言う様な強者ではないとハッキリ言おう。

しかし、アリエスの考えは違う様だ。


「この国に居る騎士団の強者や他に所属している強者等はそれなりの戦場で戦った事の有る高レベルの持ち主です。ですが、それは高レベルだからこその強さなのです。私達姉妹アデルフィーは元々が神の代行者として強者でありその強さは一人一人が国を全滅出来る程の力を持って居ます。そして、カズキ様の場合は彼等や私達とは違い現在・・のレベルの時点で強者の領域に足を踏み入れて居おりまだ伸び代が残されております。詰まりはまだ強くなる事が可能です。私の予想ではこのゴブリン討伐でレベルアップをしていけばカズキ様は確実にキングすら倒す強者になれます」


 詰まり彼女は俺はキングを倒すだけの強さを身に付けられると言いたい様だ。

だがそれは………。


「これ……無茶をしなくちゃならないんじゃないのか?」


「はい、少しですが無茶をしなければなりませんが。しかし………」


「これ以上の方法は無いと………」


「はい………」


 どうやら無茶をしなくちゃならないらしい………だがそこでふと気付いた。


「………なぁ、俺が戦うんじゃなくてアリエス達が戦えば勝てるんじゃ?」


「はい、姉妹《私達》でも勝てると思います………しかし、現状の私達だけでは無理です」


 今のアリエス達では無理?一体どう言う事なのだろうか?。

その理由が知りたくてアリエスを見ていたのだが俺の視線の意味を理解したのか直ぐに理由を教えてくれた。


「現在、私達姉妹アデルフィーには大きく制限が掛かっています。まず私達が発揮出来る力は主で有る神のレベル以下になるように制限が自動的に掛かります」


 制限?何故?と思ったが少し考えれば直ぐに分かる理由だった。

詰まりは………。


「反逆防止………」


「その通りです。昔、私達の前身である天使達が主である神の酷い扱いに耐えかねてその主に反逆をお越し主を殺害した事が有るのです。主殺しの天使達はその後全員消滅の刑に処されてその後同じ事が起こらないように天使達の扱い方を改善し同時に天使達に制限が付けられる様になりました」


 成る程………詰まりは昔やらかした奴が居た所為で現在アリエス達には制限が掛けられ彼女達の力は主として認識されている俺の影響で本来のモノより弱くなっていると………。


「………結局俺が強くなるしか無いって事か」


「そう言う事です。そして、カズキ様が強くなられれば私達姉妹アデルフィーに後はお任せ頂ければ殲滅も出来ます」


 結局はゆっくり強くは成れないって事だ。

そして、俺が強く成るには隠れてはいられない。

それは、恐らくフィリアも………。


「………フィリア、悪いが君の身分を隠しておける状況じゃ無くなりそうだ」


「うぅ………本当はまだ隠して居たいですけど、しょうがないですよねぇ………分かりました覚悟を決めます。………多分ですけど色々と迷惑を御掛けしますよ?」


「………それはしょうがないだろう。………それにもし逃げようって言っても君は「私は王族です。民を置いては逃げれません」って残る気だろ?まだ短い付き合いだがそれぐらいは分かる積もりだが?」


「………それは……はい」


「だったら答えは決まってる。そんな風に誰かの為に頑張ろうとしてるんだ。それで掛けられる迷惑位幾ら掛けられても構わない。………とっ言う訳だけど3人はどうする?」


 そう言ってアリエス達を順番に見た。

するとリーゼは。


「私も行くに決まってるじゃ無いですか!」


 っと言いながら気合いを入れ………ラナは。


「私はまだギルドの職員ですから元々参加します」


 と答え冷静に見えるが静かに闘志を燃やし………そしてアリエスは。


「御命令を!」


 っと跪きながら短く答えた。

やる気十分な様だ。

さて、ゆっくりとか出来るだけ隠してとかは無理そうだから少し本気でやってみるか………。

そう決意して刀の柄に手を置いた。



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