第20話 何をしたんだろう?
皆さんおはようございます……神代一樹です。
さて、まずは現状の報告からさせて頂きます。
現在俺はベッドの上にうつ伏せに寝ております………いえ、寝かされております。
え?何で寝かされているかって?それは俺の肋骨が折れているからですよ………。
今朝、早くに目が覚めて起きた後宿の食堂にてエレナと遭遇その時に話の流れからスキル【解呪】を習得………。
そのスキルを使ってエレナの呪いを1つ解いた。
スキルの効果は【対象の呪い(イタズラレベル)をランダムで1つ解呪する】と言うモノでそれを使った結果エレナの男性化の呪いが解呪され……その後呪いを解けたエレナが感極まって俺を抱き締めた。
しかし、呪いを解いた影響なのか彼女の力がとても強くなっていて物凄い力で抱き締められたんだ………。
けど、そこまではまだ骨が軋む位で平気だったんだ。
たけどその時にラナが来て俺がエレナに抱き締められてる所を目撃。
何を思ったのかは知らないがラナはエレナに対抗意識を燃やしたのかエレナとは反対側から抱き付いて来てエレナを挑発!その結果エレナがその挑発の所為で力を強めそして俺の骨は限界に達して折れた。
その後俺は気絶して今まで意識が無かった………。
フィリアは意識が無い間俺に回復魔法を使って折れた所を治してくれていたみたいだ。
そのお陰で俺の骨は回復に向かっているのだが……今日1日は一応安静に寝ていて欲しいと言われて今こうしている。
ちなみにそのフィリアなのだが俺の意識が戻った後アテナに入れ替わり今は………。
「一樹さんにこんな重傷を負わせてアナタ方は何をしたのか分かっているのですか?一歩間違えれば大変な事になっていたのですよ!エレナさん……アナタの気持ちは分かりますが彼の骨を折るほど抱き締めるとは何事ですか!?。ラナさんもラナさんです!何故エレナさんに声を掛け彼を離して貰おうとせずに挑発してしまうんです!少なくともアナタがエレナさんを説得していれば彼が重傷を負う事も無かったんですよ!!?大体彼は………」
とこんな具合でさっきからかれこれ一時間位説教を続けている。
説教を受けている二人は正座で説教をされていてアテナの言葉に涙を流しながら反省している。
流石に可哀想だ……いい加減止めよう。
「アテナそれ位にして上げてくれないか?そもそも、俺がもっと考えて行動していれば良かったんだ。だから………」
「………………はぁ、分かりましたアナタがそう言うならこれ以上は怒りません。確かに二人だけの責任と言う訳でもありませんしね。それでは最後に一つだけ言わせて貰います。一樹さん……アナタはこれからこの世界を救う掛け換えの無い程大切なお方になられるのですから余り無茶はお止め下さい。今回はコレで許しますけど次に何か有った時は………」
「分かった……もうこんな事が無い様に気を付けるよ……」
「お願いしますね………。二人も気を付けて下さいね………」
「「はい゛………」」
二人の返事を聞きアテナはそのまま意識を引っ込めて元のフィリアへと入れ替わった。
のだが………。
「アテナ様はお許しになっていましたけど私はまだ怒っています………」
フィリアはそう言ってラナ達を睨み付けた。
どうやらまだフィリアの方は納得していない様だ。
「フィリア………さっきも言ったが俺の怪我は二人だけの所為じゃないんだだからもう………」
「いいえ!納得出来ません!!だって………!!」
そこまで言ってから一度深呼吸するかの様に息を吸い込みそして………。
「だって!私だけまだ抱き締めて無いんですから!!」
「え!?そっち!!?」
フィリアが叫んだ言葉に俺はベッドで寝かされているのにズッコケそうになった。
それを聞いた二人もポカ~ンとした表情でどうしたら良いのか分からずにフィリアを見ていた。
俺もどうしたら良いのか分からない………。
ただそれでも反射的にツッコンでしまった。
だって余りにも予想外じゃない?。
「だから治ったら私も抱き締めさせて貰います!それまでは許しません!!」
何でだろう………こっちの女性はどうしてこうもグイグイ来るのだろうか………魔物ナンてものが居て死と隣り合わせだからだろうか?それとも俺が消極的過ぎるのか?。
まさかとは思うが俺から特殊なフェロモンかもしくはスキルか何かが出てて3人をおかしくしてしまっているのだろうか?はっきり言って俺の容姿は平凡だ。
少なくともコッチに来てから見た人達はみんなイケメンだ。
まぁ、何人か……と言うか狩人の人達はゴツイのが多かったが………。
それでも通りや何かで見た人達は東洋的な感じでイケメンが多かったと思う。
だから、普通の容姿でしかない俺がこんなに女性にモテるのは変だ。
他にも色々聞きたい事もあるしついでにその辺も聞いてみる事にしよう。
「えぇっと………取り敢えず今はその辺に関しては置いといて、ちょっと皆に聞きたい事と昨日色々あって話せなかった事とか有るんだがその辺の話とかしてもいいか?」
「聞きたい事ですか?」
3人がお互いの顔を見合わせて代表としてフィリアが疑問を口にした。
どうやらこの3人の中で力関係がある程度決まった様だ。
「別段答え辛い事を聞く気は無いから安心してくれ。まぁ、聞きたい事って言うのは2人のこれからの事だな……」
フィリアに関してはアテナの力を取り戻すとか色々あるがある程度は強制的に道は決まっている………なので。
「今後2人はどうするのかを聞きたい……ギルドでのやり取りと昨日のここでの話を合わせるとラナは俺達と一緒に来るつもり何だろ?」
「はい、まだ仕事の引き継ぎ等が終わっていませんが……それが終わり次第合流しようかと思っています」
「その引き継ぎ何だが……俺の記憶が確かならその時エレナに引き継ぎをするみたいな事を言っていた気がしたんだが………」
その時の事を思い出しながらその辺の疑問をぶつけてみた……。
別人ならば問題は無いのだが同一人物だともしエレナが付いて来ると言った場合他に別の人に引き継がなければならないのだから。
「エレナ?あぁ大丈夫ですよ。私が引き継ぎをしているのは確かにエレナですが別人ですから。ちなみに、今ここに居るエレナは本名エレナリーゼと言いましてエレナと呼んでいるだけですから」
いわゆる愛称だったようだ………それにしても。
「エレナリーゼって何処ぞの貴族かお姫様みたいな名前だな………」
「えぇ、私これでもエルフの姫ですから♪」
………は?今なんて言った?。
「えっと?エレナさ……いえ、エレナリーゼさん……今エルフの姫とおっしゃいましたか?」
俺の気持ちを代弁してくれたかの様にフィリアが言葉にしてくれていた。
恐らく俺と同じ気持ちなのだろう。
「はい!そうですよ?あっ!、もしかして!私がエルフに見えないと言いたいんですね!分かってますよ!皆さん私の胸を見て本当にエルフ?って良く言われましたもん!私の胸が大きな過ぎるのは分かってるんですよ?でも、別に大きくしたくてした訳じゃないのに!同族の皆まで私の胸見てアナタ本当に同族?って私の胸が大きいのは私の所為じゃないのに………」
そう言いながらうつ向いて「私が悪い訳じゃないのに………」と呟きだしてしまった。
どうやら勝手に勘違いして地雷が暴発してしまった様だ。
そりゃあ、物語や伝承で伝わるエルフは胸が無いとは俺の世界でも良く言われているのだがこちらもどうやら同じらしい………。
それにしてもトラウマに成る程って………一体どんな事が有ったんだろうか?まぁ、何にしてもこのままでは話が進まないよな………。
仕方ない………。
「………エレナ、男の俺が言うのは何だが……その……胸が大きいのは別に悪いわけでは無いと思うぞ?そもそも俺から言わせて貰えばその胸は君の個性なんだ俺は今のままの君で良いと思うぞ?。なぁ、2人もそう思わないか?」
そう2人に声を掛けたら慌てて首を縦に振りだした。
いきなりうつ向いてブツブツ言い出したエレナに怯えていた様だ………。
そりゃあ、怖いよね!あの雰囲気どう接したら良いか何て分かんないもんな!。
「………本当ですか?」
「あ……あぁ!少なくとも俺は………いや俺達はそう思ってる」
その言葉を聞いたエレナがうつ向いていた顔を上げて俺を見て来たのだが………瞳から光が消えてやがる!?。
何があったのかは知らないがあの目は相当深いトラウマのある目だ。
スイッチはどう考えてもあの大きな胸だな………。
多分、同族連中が胸が大きいからあんたは同族じゃ無いとか言ってエレナの事を苛めていたんだろうな。
良くある話だがエルフも人間と大して変わらないな。
「……そうですよね!この胸だって只の個性ですよね!そもそも私の胸が大きいのはお母様から受け継いだだけ何ですもの私の所為じゃないですよね♪」
俺の言葉を聞いて物凄く笑顔になった。
これはトラウマの反動だろうか?笑顔過ぎて逆に怖い………。
と、兎に角そんな事よりも………。
「あ、あぁ、えっと話を戻すが結局別人何だな?」
「は、はい、ギルドで私が引き継ぎをしているエレナは別人です」
良かった完全に別人らしい。
後は………。
「分かった。さて、エレ…ナはギルド職員と被るなぁ………リーゼって呼んで良いか?」
「はい!どう呼んで頂いても構いません!何だったら私の名前をリーゼに改名しましょうか?そうですね!そうしましょう!」
「いや!待て!親から貰った名前なんだ大切にしてくれ!俺のは只の呼び名何だからさ!」
しかし、何だってこっちの女性はこうも直情思考なのだろうか………やっぱり俺が無意識に何かをしてしまっているのだろうか?。
まぁ、ナンにしても今は下位の回復魔法を掛けて貰ったと言っても完全には治りきってないし今日は動けないな………。
でも、これで話が進められるな。
そして、俺は3人にこれからの事を聞き始めた。
「それでラナは着いてくるのは聞いたけどリーゼはどうする?俺達に着いてくるのか?」
「はい!出来れば着いていきたいです!けど………」
そう言って彼女は自分の着けているエプロンに目を向けた。
まぁ、そうだよな……でも。
「大丈夫だ。明日もう一度【解呪】を使うからそうすれば恐らく外せると思う。ダメでもまた挑戦すれば良い」
そう、今の【解呪】でダメなら強化してからもう一度やれば良いんだから。
「は、はい!よろしくお願いします!」
こうしてリーゼは俺達に着いてくるのが決まった。
しかし、俺は一体何をしたんだろう?
如何だったでしょうか?
今回で一年続けて書いてきました。
そして、10万字を突破しました!。
と言うことで新しく書いた作品を投稿します!。
良ければこちらもお読み下さい。
CONTINUE!~俺は死んで強くなる!!?~
http://ncode.syosetu.com/n3379ef/