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自称女神と異世界生活  作者: 水野清一
第1章 出逢い
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第1話 始まり…

目を開けると見たこともない景色が広がっていた。


「ここは何処だろう?」


 思わずそう呟いてしまう。

 彼が立っていたのはさっきまで自分が居た場合とはまったく違い大きな噴水の有る広場と思われる場合だったのだから。

 見たこともない建物、綺麗に鋪装された道、古めかしい服装、剣や鎧・よく分からない薬らしき物を売る屋台。

そこに広がっていたのは、まるでファンタジーその様な物ばかりで自分が知る物とは明らかに異なった物ばかりだった。


「さっきまでは確か…」


 そう呟いて少し前の事を思い出してみる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふぁ~~っ…」


 窓から射し込む陽射しによって目覚めた。

 欠伸が出たのは夜遅くまで遺跡を調べる準備をしていたため寝るのが遅くなってしまったからだ。


「やっぱり、もう少し早く寝とけばよかったか?。

でも、準備不足で遺跡に入る方が危ないか…」


 そう呟きながらベッドから起き上がり顔を洗うために洗面所へ行きその後朝食を作るためキッチンに向かった。


「今日の為に取っておいたベーコンと昨日買っておいた卵とパンで朝は豪勢に行きますか♪」


 豪勢にと言っているがならば普段はどんな食事をして居るのかと言いたいが金が無いのだから仕方がない。


 遺跡調査には金が掛かる。

機材を含め・遺跡への移動・現地人との交流・滞在費・最悪の場合現地で調査員の雇用・事故等で負った怪我の治療費・その他諸々の経費、そんな風に色々な所で使って行けばどんなに節約しても足りなくなっていく。

スポンサーが居なければ尚更だ。

 今回はスポンサーが付かなかったので自腹を切りなんとか遣り繰りしながら調査を続けている。


「今日で遺跡の調査を始めてから1ヶ月、昨日までは外側の調査を進めていたが今日からは中の調査を始めよう」


 遺跡調査には大きく分けて2段階ある。

 第1段階は遺跡周辺並びに遺跡内部に入る為の調査、これは周辺の安全・遺跡の状態・危険地帯の把握・内部には無い歴史的情報・時代の解る物の探索・外からの機材による内部調査などが行われる。

 こういった事を行うことで内部での安全確保や様々な調査がしやすくなる。

 次に第2段階は遺跡内部の調査、外部調査で得られた情報を元に内部で更に深い歴史的情報・価値の有る物・現在には無い技術等で様々な調査を行う。


「スポンサーが居ればもっと腰を落ち着けて安全を第一に調査出来たのにな…はぁ~」


 そう、普通は遺跡調査はもっと長期的に行いしっかりとした安全確保を行い少しずつ調べる物なのだ。

 普通は資金が底をついた場合、スポンサーから更なる資金援助をしてもらうか調査を打ち切るかのどちらかなのだ。

 資金不足とは言え調べが足りないのはリスクが大きいが仕方ない、とは言え安全確保が不十分なのは不安だが、今回はどうしても止められない理由があるのだ。


「親父やお袋が最後に調査したのがこの遺跡だしな…」


 彼の両親は数々の歴史的遺跡を調べ、様々な歴史的遺産や文化を発見した有名な考古学者だった。

 彼が子供の頃に遺跡の調査に行ってくると言い残し幼い彼を残して消息を絶ってしまったのだ。

 その両親が最後に調査したのが今回の遺跡なのだ。


「桃子叔母さんには無理を言って今回の調査を許して貰ったのだし、親父達が生きているにしろ死んでるにしろ何らかの情報は欲しい…。

生きているとは思えないが、死んでるなら死んでるで出来れば最後位知りたいしな…」


 親が仕事の為、幼い子供を親戚に預けいきなり消息を絶った場合大抵はトラウマを抱え親を嫌いになるか、諦めるかだ。

 だが、彼は両親の事を嫌わず、逆に知りたいと想い、その為に努力をして同じ考古学者の道を進んだのだ。

 それは、トラウマからなのかはたまた純粋な想いからなのかは分からないが。

 

「知らなきゃ前に進めないしな。

それに、遺跡調査は遺跡調査で楽しいし」


 そう呟きながら朝食を食べ終えた。

 結局の所、彼も根っからの考古学者なのだ。


「さてと、そろそろ行きますか♪」


 そう言って昨日遅くまで準備した装備を持って遺跡に向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「朝はいつもどうり起きて、朝食を食べて、調査のための準備をし、遺跡に行き、遺跡を調べていた筈だが?」


 と、さっきまでの自分の行動を思い出していた。

 すると突然背後から声が掛けられた。


「はい、あなたが思い出されているその記憶に間違いはありません」


「…っ!?」


 自分の呟きに対して返答が返ってきて、驚いて振り向きながらその場を離れて声の主を見た。

 そこには、太陽の光を反射して美しく輝く銀色の腰まである長い髪を風になびかせた美少女が優しく微笑みながら綺麗な紅瞳で自分を見ていた。


「ごめんなさい、驚かせる積りはなかったのですが…」


 すまなそうな顔になり彼女はそう言って謝罪してきた。


「あっ、いや、こっちこそすまない。

独り言を呟いていたら返事が返ってきて驚いただけだ」


 咄嗟にそう言ってしまっただけなのだが彼女はそれを聞いて再び微笑みを浮かべて見つめてきた。


「そうですか、何か不快に成られたのではと。

思い違いで良かったです」


 彼女は心の底からそう想っている様だ。


「勘違いさせてすまない」


「いいえ、こちらこそ謝らせて下さい。

突然声を掛けてしまったのですから」


「それは、気付かなかった俺も悪かったのだから気にしなくていい。

それよりも、さっき君は俺の記憶に間違いは無いと言っていたが?」


 そう、彼女は記憶に間違いは無いとそう言っていたのだ。

 あり得ない事なのだ遺跡調査は一人で行っていたし、ましてや彼女とは初対面なのだから知るわけがないのだ。


「はい、間違いありません。

なぜなら、私は貴方が遺跡の調査をしていたのを見ていましたから」


 彼女は微笑みながらそういったのだった。


 (・・・彼女はストーカーなのか!それとも残念な人なのだろうか?)


 そう思いながら彼女を見詰めていると突然彼女はこう言った


「なぜなら私は、女神ですから」



初めて書いているのでおかしな所が有ると思いますがご容赦ください。

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