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母強しの時間

椿と別れ10分ほど。我が家が見えて来ました。我が家は父が一代でホテル業を大成されそこそこの大きさの家となっております。



「ただいま帰りましたー!」


「お帰りなさい。」



玄関を開けたらお母さんが返事をしてくれました。お母さんは着物が似合うかわいい系の人です。ただお母さんは、正真正銘のお嬢様なので家事が一切できません。だから、お手伝いさんである緑さんが家の家事をやってくれます。緑さんはお母さんが小さい頃からお母さんの家でお手伝いさんをやっていたらしく、お嫁入りするときについてきてくれたんだとか…



「お帰り、澪。兄さんは疲れたから癒してくれ。」


「お断りします。」


「……妹が最近反抗期…兄さんショック。」



私の体に後ろから体重をかけて耳元で喋るのは私の兄である舞原 旭です。シスコン野郎です。けっ!

兄は父から将来の人脈や勉強の為に行ってこいと言われて、櫻凛学園と言うところに通ってます。大企業のお坊ちゃん、お嬢さんやら、政治家の息子やらととにかくメンバーが豪華なのです。授業もハード。社交ダンスや茶道、華道、書道などが必修科目となっており大変そうです。身内贔屓無しに、兄はキラキラしたイケメンなのでモテるうえに勉強もそこそこ上位ですので拍車がかかってさらにモテるようです。



「あっ、澪。お願いがあるんだけど。」


「却下します。兄さんのお願いはめんどくさいことが多いですから。」


「苺ジュースを兄さんが作ってあげよう。」


「…聞くだけならいいですよ。」



小癪な!!苺を掛け合いに出すなんて!お母さんクスクス笑いながらこっち見ないで、何か恥ずかしいです。



「今度、学園で新入生歓迎パーティーがあるんだけどパートナーとして一緒に出てくれない?」


「何を言ってるんですか、馬鹿なのですか。部外者の私が何で学園の新入生歓迎パーティーに出席する必要があるのですか。あり得ません。ええ、頭沸きましたか。ああ、もとから壊れてましたか。大体パートナーって言うならば別の女性がいるでしょう。その無駄にいい顔面を使って女性をゲットすればいいじゃあないですか。」


「…無駄にいい顔面ってところ誉め言葉として受け取っておくよ。」



本当に兄は何を考えているのでしょうか!殺意が湧きますよ。



「澪ー頼むよー!パーティーに連れてくるパートナーは婚約者の意味合いもあるし、俺そんな相手いないし、兄妹が一番いいんだよー!」


「まぁまぁ、澪さん。旭も困ってるのです。行ってあげなさい。」



今まで黙ってたお母さんがいきなり口を開きました。家での力関係をピラミッドで表すならば一番上位にいるのが母です。母の言うことは絶対です。逆らわないことが一番です。



「…苺ジュースにミルフィーユもつけて下さいね…兄さん。」


「ありがとう!澪。兄さん助かった!パーティーは3日後だからね!」



…何かあったらこの無駄に整っている顔面を殴ってやります。







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