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授業中、暇な時に頭が別世界を旅行していたら面白い物語が始まっていたので書き留めました。所々変なところがあるかもしれません‼︎‼︎

雨が降ったあと虹を見ながらペトリコールの匂いを感じていたとき、前から歩いてくる女性に目を見張った。理由はただ一つ美しかったからだ。

外見?スタイル?歩き方?どれも違う。

言葉にしたくてもうまく出来ない。自分の持っている語彙の全てを使い、テストをしているときよりも頭を使ってやっと出てきたベストアンサーは「オーラ」だった。その空間だけこの世界ではないような、とても透き通っていてそれでいて輝いていた。声をかけたくても声が出ない。近づきたくても体が動かない。俺だけ時間を止められたような、いや、女性の時間だけが動いているようなそんな気がした。その時俺は確信した。この世界はあの女性を中心に廻っていると。

家に帰った俺はその出来事を思い出した。別のことを考えたくても考えられない全ての事象があの女性に収束する。今なら未解決問題のすべてを解決できると思ったが問題が難し過ぎて理解できなかった。ベッドに入り、毛布をかけ、アイマスクをつける。いつもならすぐ眠れるはずが、全然眠くならない。コーヒーを飲んでもエナジードリンクを飲んでも消えなかった眠気が消えた。そしてまたあの女性へ思考が移るもう一度会いたいが、美しすぎる記憶の中で生き続けてもらいたいと思う。あの人に認知してもらいたいと思うが、俺で脳のキャパを減らしてもらいたくない。夜、ベッドの中で葛藤が葛藤を呼ぶので思考をカットしながらカッと開いた目を閉じた。色々と頭の中で考えていたせいで時刻は午前3時を回っていた。明日は午前6時に起きなければならない。無理をしてでも寝てみたら案の定起きた時刻は午前10時を回っていた。休まずに高校に行くと約束して許してもらった一人暮らし。その日俺は初めて学校をサボった。サボってしまった罪悪感とみんなが学校に行ってる間自由である背徳感、親に怒られるという恐怖感全てを合わせてもあの女性への切望感には遠く及ばない。考えることをやめ、家を出た。予定はないがせっかくの臨時休暇、暇を持て余すのも勿体無い気がし普段は絶対にしない散歩に出てみた。ヘッドホンをかけ、サングラスを持ち、なるべく大人にみられるように背伸びをした。いつも登下校で通っているはずが全然違う景色が目に入ってくる。少し歩いたところにあった公園に入った。ベンチに腰を下ろし一息つくと普段の運動不足がたかったのか一気に疲れが出てきた。喉の渇きを感じ近くの自動販売機で炭酸飲料を買う。もといたベンチに戻り蓋を開け二酸化炭素の鳴き声を聞く。すると小さな女の子の笑い声が聞こえる。いつも騒がしく感じていた声が今では天使の囀りに聞こえる。気持ちの変化を感じた時、いつも背負っていた肩書きが無くなっていることに気づいた。そんなことを考えながら呆けていると、再び天使の美声が聞こえた。目を向けると三才くらいの女の子と見覚えのある女性が目に入った。どこにでもいるような親子。しかし、世界でただ一箇所そこだけ別世界であった。一番最初に頭をよぎった言葉は、再会の喜びや女性への畏怖の念を抱いた言葉ではなかった。「美しい」これに尽きる。その他の言葉は女性にとって卑しく光るアクセサリーのような物でしかない。美しいと言う言葉を擬人化したような人と世界を共有している女児。この公園の中で俺だけが部外者であることは嫌と言うほど理解できた。咄嗟に逃げるようにボトルの蓋を閉める間も無く公園を出た。帰り道、行きとは正反対に頭を動かし続けた。

女児との関係、あの別世界とも言える場所での最善のムーブ、学校をサボったことと親への言い訳。

公式も参考書もましてや模範解答すらない、昨日の夜考えた未解決問題よりも難しい問題を考え続けた。

気づいた時には家に着いていた。風呂に入る気力も課題を終わらせる気力も無い。それどころか体を動かす気力もない。ソファに埋もれ、昨日全く無かった眠気に襲われた。目を覚ました時には午後7時だった。散歩から帰ってきたのが午後2時頃だったので、5時間ほど眠っていたことに気づく、空腹であることを自覚したら無性に甘いものが食べたくなった。冷蔵庫の中を覗くと入っていたのは作り置きした惣菜だけ。近所のコンビニへスイーツを買いに行き大好物のモンブランを手に取る。レジに向かおうとすると嫌な気配を感じる。嫌な気配というのは大抵当たる。レジを見るとやはり輝いていた。しかし、体は動くし、逃げる気も起きない。初対面に比べてだいぶ落ち着いた感情を維持できる。代金を支払いモンブランの入った袋を手にして店を後にする。もう世界の輝きに驚くこともなければ、思考をジャックされることもない。あるのは、珍しいものを見た幸福感と早く家でモンブランを食べたいという焦燥感だけである。家に帰り、袋を開けるとモンブランとスプーンの他に紙が入っていた。紙には11桁の番号が書かれていた。それを見た途端、俺を認識してしまったあの女性への興味は全くと言って良いほど無くなった。俺は多分心のどこかであの女性には美しさの象徴であってほしかったのかもしれない。夜、窓を開け、微かに香るペトリコールの匂いのような女性への切望感を細切れになった紙と共に風に乗せた。やはり俺の人生は俺中心に廻っていると確信した。

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