12 ザンツウェルクの里③
黄金色の流れが断たれると、もう里に入ったのだろう、次は家が見え始めた。
ここからが人里の中なのだろう。
ここからの距離は短いはずだし、一気に走ってみようか。
「ねぇ、アーチェス。ここから一気に走らない?」
「いや、ここは一休憩したほうがいいじゃろうな。」
「それはなんで?」
「地図を見ておきたいからじゃ。地図によってこれからの判断がつくじゃろう?」
ここまで忘れていたが、僕等には全世界を網羅した地図がある。
たしかに、それを見たほうが適切な移動ができるだろう。
「なるほど、じゃあ休憩しよう。」
そう言って、僕等は道の端に座る。
ふと空を見上げると、清い青。雲一つない。
「ところで高木殿、ちょっと質問なのじゃが……。」
そう言って、地図のある所をさすアーチェス。その先には、「SRHAOザンツウェルク支店」という文字があった。
「これはなんじゃ?」
SRHAO……。アルファベットだから英語だろうか。
ちなみに僕は英語が得意ではなかった。本当に良く分からない言語だった。それと同じくらいこの施設は良く分からない。
「僕も分からないな。後でザハーグさんに聞いとくよ。」
「感謝する。では、とりあえず地理の説明をしようと思うのじゃが良いか?」
「うん、頼むよ。」
「よし分かった。まず、里の入口じゃがここから1km程離れたところにある。1km程度じゃから、まぁ歩いておればすぐにつくじゃろう。
次は里の中じゃ。里は軽い木の柵で囲われており、その中で碁盤の目状に道が広がっておる。そして中央に里役場、その隣に冒険者ギルドがある。儂らが入る西入口からだと、冒険者ギルドまで1km程ある。広いから都会のように感じられるかもしれんが、里の中に畑がそこそこあるからじゃ。決して都会ではなさそうじゃな。」
大方2kmか。今は荷物も無いし、アーチェスの言う通り早い内に里に入ることができるだろう。
「じゃあ、そろそろ出ようか。」
「うむ。」
数日とはいえザハーグさんのもとでトレーニングしていたからだろうか、1km歩いても疲れなくなった。いや、地球でも1km位なら普通に行けたかもしれない。
まぁ、そんなことはどうでも良い。
里に到着したのだから。
「思った以上に里と外の境目があるね。」
「そうじゃな、てっきり特に境目が無いか、あっても柵位じゃと思っておったわい。まさか石垣が築かれていたとはの。」
それだけ外的脅威があるのか、それとも単純に境界として築いているのかはわからない。
ただ、石垣や入口があるということは……。
「里の中に立ち入るには検問が必要だ。身分が証明できるものと持ち物を見せろ。」
そう、怖い顔の守衛による検問もあるのだ。
ザハーグさんが話を通してくれているとありがたい、一応聞いてみるか。
「ザハーグさんの弟子なんですけども……。」
すると守衛は表情を和らげ、
「む、ザハーグさんところの弟子さんか。話は聞いているぞ。中に入ってよろしい!」
と言ってくれた。
ザハーグさんは良い人だ。
「なぁ高木殿、もしかしてザハーグ殿はなかなかの権力者なのではなかろうか。」
「確かに、ターキーも功績について語ってたからね、かなり権力を持ったものなのかも。」
そんな会話をしつつ門を渡ると、一本の長い道が。石畳の農道のようなものだったが。
その道の奥の方に、かすかに大きな建物が見える。あれがギルドだろうか。
「それじゃあ、奥に見えているギルド方面までちょっと走るかい?」
「いや、でもちょっと街並みを見ながら行きたいから歩きたいな。」
「であれば、ゆっくり歩いて行くとするか。」
穏やかな田園風景が横をゆったりと流れていく。
ポツポツと民家や商店こそあるが、決して多いわけではない。アーチェスが言っていた通り、ここは田舎町なのだろう。
そう思慮していると、唐突に肩に異様な重みが乗った。
「そこのおにいさぁん、ちょっと私についてきてくれませんかぁ?」
右目の赤い、妖艶な雰囲気を纏った女が、僕等を呼び止めていた。
読まれた方はお気付きと思われますが、かなり展開が急で文が足りてません。
このあと時間があれば増やしたいなとは感じております。
マイペース投稿なのも申し訳ないです。
p.s.早速追加入れました。まだ入る余地ありかな。




