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ダンジョンから帰宅ぅ!

 レベルアップの影響によって身長が伸び、服を失ったセクシャルは、腰に布を巻いた状態でダンジョンから帰還した。


 全裸で街中を歩かれたら溜まったものではない。一応の常識はあるみたいで安心である。

 

「あぁ……帰ったら何からやろうかな……安定にベンチプレスから? それともデットリフト? いや、先に疲れるスクワットをやっておこうか……」


 上裸でダンジョンからの帰り道である上級街を練り歩いていくセクシャル。何やらぶつぶつと独り言を呟いているし、普通に考えたら不審者として通報されてもおかしくないところではあるが……。


「やだ、すっごいイケメンじゃない?」

「筋肉すっご……」

「……ジュルリ」


 すれ違う人……特に女性たちは、整った顔立ちと美しい筋肉に見惚れてお熱である。


 騙されないで! そいつの中身は怪しい粉末を大量摂取して白目剥いてるようなやつだから!

 


※上級街……金持ちが集まる地域のこと。上級街の他に、商店街や貧民街などが存在する。



 そうして、何とか通報されることなく屋敷に到着したセクシャルであるが、いくつか問題があるのを忘れてはなかろうか。


 まず、レベルアップで背が伸びたせいでまるで別人のようであること。顔のパーツ自体はそこまで変化していないものの、やはり背が伸びるというのはそれだけでガラッと印象を変えるものである。


 それから、上裸であること。普通、貴族の家に裸怪しいの人間を入れるはずがない。さて、それを機にすることもなくズンズンと屋敷の入り口である門に向かって進んでいくセクシャルであるが、一体どうなることやら。


「失礼。確認させていただきますが、セクシャル様でお間違いないでしょうか?」


 ほらぁ、やっぱり門番に止められてやんの! と思いきや、まさかの本人確認。普通気づかんやろ、門番すごくね。


「そうだが、どうかしたか?」

「いえ、今朝よりもだいぶ大きくなられていたので……」


 やはり、有能門番くんもセクシャルの成長について疑問は持っていたようだ。


 しかしよく考えてみると、セクシャルの髪色はピンク系統で特徴的だし、瞳も珍しい紫色。そして何より、この領地にここまで筋肉がついていて絞れている人間は他にいない。事前にセクシャルがダンジョンに行くことを伝えいたこともあり、有能門番くんは何とか答えを捻り出したのだろう。


「あぁ、すまない。今朝伝えたと思うが、ダンジョンに行ってきた。それで、レベルアップの効果でこうなったんだ。」

「成程、無事にレベルアップできたようで安心いたしました。おめでとうございます」

「「「おめでとうございます!」」」


 セクシャルが無事にレベルアップでき、気持ち悪い筋肉ダルマを解消できたことを知ると、有能門番とその他の門番が祝福を告げた。


「屋敷のものがセクシャル様を見間違えることはないと思うのですが、一応このことをアナウンスしてもよろしいでしょうか。」

「あぁ、そうだな。勘違いされたら面倒だし、よろしく頼むよ」

「では、こちらに魔力印をお願いいたします……」


 やはり、有能門番は有能だった。セクシャルの変わり果てた姿を見て屋敷が混乱するのを防ぐため、予めセクシャルの姿を周知させてくれるらしい。


 そして、屋敷のアナウンス装置を使うための魔力印を求めることで、本当にこいつがセクシャルなのかを確認してみせた。ぐう有能である。


※魔力印……指紋みたいなもので、人にはその人特有の魔力の形が存在する。 その形は変えることができないので、本人確認などの際によく用いられる。


 有能門番のおかげで無事に屋敷に帰還することができたセクシャルだが、屋敷に帰ると早速訓練室へ向かった。

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