偽者 6
隠し階段を下った先には、想像していなかった光景が広がっていた。
ここまでは無骨な石の迷宮といった感じだったが、目のまえには機械的な装置と様々な幾学模様が描かれた壁が広がっていた。
そしてそこには、ひと際目を引くものがあった。
「っ?!王女さま!」
そのカプセルの中では苦悶の表情を浮かべるセルティア王女が囚われていた。
急いで駆け寄ろうとするが、その行く手を阻もうとする人物が現れた。
「あれ?予想してたより早かったね。ラスト。」
「ライ・・・。」
手元のボタンやつまみを操作する手を止め、こちらに向き直るライ。
「どうしてここが分かったの?」
「どうしてだろうな?」
「・・・・まあいいよ。」
するとライは懐から何か端末を取り出し、それをいじり始めた。
「これいいでしょ?色んな事が出来るんだよ。例えば・・・」
ライが何かのボタンを押した瞬間、王女さまがさらに苦しみはじめた。
「こんな感じで苦しめたり。」
「このクソ野郎が・・・。」
「あとは・・・」
また何が操作しだすライ。
「させるかよ!」
何が来てもいいように、剣に魔力吸収を付けて突っ込む。
「こんな事も出来るよ。」
そういうと横から固い石のようなものが飛んできた。
「っ?!」
俺はステップを踏んでそれを躱す。
飛んできた方向を見ると壁からゴーレムの腕のような物が生えており、穴の開いていた指先をこちらに向けている。
俺はそちらめがけて黙ってストーンバレットを放つがダメージは一切入っていないようだった。
「そういえば君は魔剣士だったね。やっぱり魔法も出来んだ。でも残念。これには魔法はきかないよ。」
ライはこのゴーレムの腕を自慢げに話す。
「この武器はねマーーー」
「マシンガンって名前だったか?」
気持ちよく説明していたところに水を差した事で急に不機嫌になるライ。
「たしかその指みたいな所から鉄の塊を飛ばすんだったか?」
「・・・へー。知ってたんだ。詳しいね。」
俺もモノクロームのメンバーで色々な任務を行ってきた。
こういった相手と戦った事だって何回もある。
そして、こういった部類の奴らは共通して勘違いしている事がある。
「お前、こういう兵器がなんで古代兵器って呼ばれるようになったのか知ってるか?」
「もちろんさ。かつて、技術力が高かった時代に作られていて、今の時代の技術では再現不可能なオーパーツだからさ。」
ライは息を吹き返したように、生き生きと説明し始める。
「やっぱり、お前もその部類か。」
「何が言いたい?」
「いや、お前らは古代兵器をその物珍しさや高い技術力で作られているからと、勝手にその兵器を強いと思っている。」
「・・・まあいいや。そんなこと言うなら、また同じの食らわせてやるよ。」
再びライはその端末を操作し始めた。
「古代兵器はな、作れなくなったんじゃない。作る必要がなくなったんだ。」
俺はこちらに飛んでくる球をすべて避け、マシンガンを切り刻む。
「生身の人間の方が強いからな。」
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