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ナイト・ラスト  作者: 伊藤 おさむ
第一章
16/32

一年A組 第四班 1

 王立ポルックス学園。


 ジェミニカ王国の首都ポルックスにあり、国内で一、二を争う程の有名な学校だ。学園には毎年、国内の有名貴族や才能あふれる青年たちが入学してくる。


 そんな学園で今一番の話題が、ジェミニカ王国第三王女、セルティア・レダ・ジェミニスの入学だ。


 彼女は入学以前から神童や魔法の申し子と呼ばれ、その美しく整った容姿と相まって貴族や平民問わずその名前は有名だった。


 その為、彼女とお近づきになりたいと考えたのか入試の受験者は例年の数倍にまで膨れ上がり、今年の一年は比較的に優秀な人材が集まった。それと同時に、王女の周りを警戒する重要性も上がり、国王は急遽護衛として護衛を入学させることに決めた。


 国王は最初、彼女の護衛は『白』のメンバーを任命しようとしていたが、王女が自分の身ぐらい自分で守れると言ってそれを拒否。


 しかし、だからと言って護衛なしという訳には行かない。


 というわけで『黒』にこの仕事が回ってきて、王女と同い年で入学しても違和感のない俺に白羽の矢が立ったわけだ。


 仕事内容は王女に気づかれないように護衛する事と、クラスの雰囲気やクラスメイトとの関係性を報告することだった。


 俺の力は護衛向きじゃないんだけどな・・・。


「警戒しないといけない理由は分かるし、グループ分けされる以上同じグループじゃないと守りづらいのも分かるけど、これでバレずにってのは難しいだろ。」


 誰にも聞こえないようにポツリと呟いた。


 俺は今、その演習当日を迎え山に来ていた。


 演習内容はグループに分かれて様々な魔獣のいる山を進み、決められたチェックポイントに居る教師に道中で倒した魔獣の報告をする事だ。


 チェックポイントまでの距離は一日ではたどり着けない距離で設定されており、一泊の野営をする必要もある。


「おい、ラスト!急がないと置いていくぞ!」


 前方から金髪の青年がぶっきらぼうに呼びかけてくる。


 彼の名前は、ルーカス・サラドレイク。侯爵家の長男で、短髪、碧眼のイケメンだ。


 プライドが高く、別に任命されたわけでもないのに、「侯爵家に生まれた自分の責務だ」とか言って王女の護衛のような事をしている。


 正直、俺からすると表向きの護衛のような奴がいてやりやすいから別にいいが。


「・・・分かったよ。」


 俺は気だるげに返事をし、少し急いで前方の集団に合流した。


 そこにはルーカス以外におなじ第四班のメンバーである四人の生徒が集まっている。


 黒い髪をおさげにして、緊張している少女がルイス・ストナード。


 ストナード子爵家は召喚魔法にゆかりのある家であり、彼女はその家の長女にあたる。見た目からは想像つかないが、彼女の召喚魔法の腕は超一流だ。


 次に、淡い緑色の髪をした小柄な青年は子爵家の長男、ノア・カーヴェイン。


 彼は前騎士団長の孫で、その剣術は国内のエリートが集まったこのクラスでトップクラスの実力を持っている。ちなみに、彼は一人っ子で前騎士団長に溺愛されているらしい。


 そしてセミロングぐらいの長さの髪を後ろで一つにまとめ、王女と楽しそうに話している茶髪の青年は、このクラスで数少ない平民、ライだ。


 彼はこれといって特出したものはないが、逆に言うとすべてを平均以上にこなすことができる。


 最後に、暗めのプラチナブロンドの髪を腰の高さまで伸ばしている美しい少女が俺の護衛対象であるジェミニカ王国第三王女、セルティア・レダ・ジェミニスだ。


 神童と言われるだけあって、筆記も実技も超優秀。入学試験は文句なしの一位で通過していた。彼女は魔法を使っての戦闘のため、大きな魔石が組み込まれた高そうな杖を持っている。


 ちなみに、魔石とは魔獣の素材や鉱石から作られる特殊な石であり、魔法の発動の補助や魔法の触媒にすることができる。


「遅いですよ、ラストさん。」


 俺が合流したことに気づいたセルティアは、不機嫌そうに言う。


「これから出発するというのに、足並みを乱すのはやめて貰っていいかしら。」


「まあまあ。俺たちの準備が早く終わっただけで、彼も別に時間に遅れたわけじゃないんだから、ね?」


 ライは平民の身でありながらクラスで一番王女と仲がいい。


 幼少期に王女様と出会って話したことがあり、既知の間柄だったらしい。彼女も彼のことを覚えていたらしく、よく話しているのを見かける。


 他の貴族に妬まれそうなものだが、今のところそういった事は見られないのも、こういった彼の人格の良さからなんだろう。


 むしろ今は俺の方が妬みの視線を向けられている。


 まあ、傍から見たらどうして影の薄い、ただの平民の俺がこのグループに選ばれたのか分からないからな。


 ・・・こんな中でどうやって友達を作れるんだよ、アマンダさん。



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