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ナイト・ラスト  作者: 伊藤 おさむ
第一章
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プロローグ

第一章、ついにスタート!

「あなたは勇者であるお兄さんと力を合わせて魔族を倒した。魔族を倒すなんてこの国の精鋭でも簡単に出来る事じゃない。勇者の力があったとはいえ、それをあなた達は成し遂げたのよ。それは英雄と言っても過言じゃないわ。」


「・・・・」


「そして、戦いの中で致命傷を負ったお兄さんは勇者の力を君に託した。それでいいじゃない。」


 アマンダはどこかの学園の制服に身を包んだ青年、ラストにそう言う。


 あの後、ラストはノスタルがプロプスで呼んできた王国騎士団に保護された。


 村の捜索はされたが生き残りはノスタルとラストの二人だけだった。


「だからそう言ってるのはアマンダさんだけです。世間では、俺は勇者殺しですよ?」


 ラストのステータスの称号には勇者殺しの文字がある。


 実際には操られていただけだが、事情を知らない人からすればその称号は大罪人の証だ。


「だからこんな役職についてるんですよ。俺には仮初ではあっても兄さんの力がある。けど、こんな称号持っていたら表立って王国の戦力にするわけには行かない。でしょ?」


 ラストの制服の胸ポケットにはジェミニカ王国の旗のデザインの盾に黒色のチェスの駒が施されたブローチが付けられていた。


 この国には国に仕える王国騎士団とは別に、王族に仕える王族直属部隊『モノクローム』がある。


 モノクロームには表に立ってその力を示し、王族を守る『白』の部隊と主に表に出せない仕事をこなして裏から王国を守る『黒』の部隊がある。


 彼らの部隊内の振り分けはチェスの駒で振り分けられており、『白』の部隊は国王をキング、王妃をクイーンとし主に作戦の立案や指揮を行うビジョップ、高い戦闘力で作戦の実行役を担うナイト、高い護衛能力で王族を守るルークがそれぞれ二人ずつ、計六人で構成されている。


 対して『黒』の部隊は国王をキングとするのは変わらないが、部隊のまとめ役を担うクイーンが一人と、表に立てない関係で役割ではなく魔法のビジョップ、戦闘のナイト、防御のルークと得意な戦闘の特徴で割り振られたメンバーが二人ずつの計七人で構成されている。


 アマンダは『黒』のクイーンであり、問題児集団と言われる『黒』の部隊の統率者であった。


「まあ、実際に兄さんを殺したのはこの手ですよ?世の中からは恨まれていてもおかしくないんです。」


 黒の手袋をした右手を見るラスト。


「・・・まあいいわ。この話はまた今度にして取り敢えず、お仕事の話をしましょう。」


「分かりました。」


 そういうと、ラストは手に持っていた大きな封筒をアマンダに渡す。


「ご苦労さま。ポルックス学園での生活はどう?」


 アマンダは封筒を受け取ると中を開け、資料に目を通しながらラストに聞く。


「無駄に金かけてて流石、王国一の学園ってかんじですかね。」


「そういうことが聞きたいんじゃないのよ。君自身の生活のこと。友達は出来た?」


「あの・・・俺は任務で入学したんですよ?なら、そういうのは要らないしむしろ邪魔になるじゃないですか。」


「勿体ない!せっかくなんだから学生生活を楽しみなさい。こんな機会二度とないわよ。それに、任務は王女を陰ながら護ることなんだから、クラスに馴染むのも大事よ。」


「・・・・」


 ラストは何も言えず黙る。


 それを横目にアマンダは資料を読み進め一通り目を通す。


「うん。一応入学時点でクラスメイトについては一通り調べはしたけど、やっぱり中からの視点も大事ね。」


 机に叩き資料を揃え、封筒に戻すアマンダ。


 そのままその封筒をデスクの引き出しに入れた。


「さて、本題に入るわ。今度学園で開かれる演習のことは知ってるわね。」


「もちろん知ってますよ。そのためにクラスメイトのことを調べさせたんですよね?」


「理解してるのなら話は早いわ。演習は六人一グループで動くのだけど、まとめてもらった資料をもとに、セルティア王女のグループメンバーを決めるわ。そして、そのメンバーの中にあなたにも入ってもらいます。」


「え?」


「最近国内外できな臭い話も良く聞くし、用心するに越したことないしね。」


「・・・つまり、演習中に何か起こる可能性があるということですか?」


「そういう事だから改めて任務を言い渡すわ。」


 優しいお姉さんのような態度から、真面目な『黒』のクイーンの顔になるアマンダ。


「王女の近くであらゆる危険から彼女を守りなさい。頼んだわよ。」


「分かりました。」


 ラストも襟を正して応じる。


 その態度を見て安心したアマンダはいつもの様子に戻って言う。


「ついでに、いい機会なんだからお友達の一人や二人作ってきなさい。いいわね。」


「・・・まあ、頑張ってはみます。」


「フフッ。あなたにとってはそっちの方が難しいかしら。まあいいわ。要件はおしまいよ。帰っていいわ。」


「はい。失礼します。」


 部屋を出ていくラストの後ろ姿を優しい表情で見送るアマンダ。


「本当に頼んだわよ。モノクローム、『黒』のナイト、ラスト。」


 アマンダはラストの姿がなくなるとポツリと呟いた。



あらすじに記載しているように、この章まで書き終えているのでこのまま毎日投稿していきます。


この章で作者的には、一区切りを付けてはいますので一度完結扱いにする可能性があります。継続するのか、別作品を書くのかは現在不明です。

反響次第で、そこは決めていこうと思っています。


ですので是非、高評価、ブックマーク登録、感想、レビュー等よろしくお願いします。

作品の未来に直結します。


ということで、これからも『ナイト・ラスト』をよろしくお願いします。

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