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10話 事件

今回のお話は一部の方の気分を害してしまう可能性があります。

ご了承ください。

また、突如この話が削除されるかも知れません。

「遂にか。この事件去年だったもんな。」


里騎太は真剣な面持ちでスマホを見せてきた。

もちろん自分らには全く関係ない訳ではなかった。

そう、それは2人が通っていた高校で1年前、とある事件が発生していた。

2人は既に卒業していたが当時の担任の先生のクラスだったのもありとても心配していた。


――中退した生徒を追いかけ殺害。当時同じクラスの生徒を逮捕した。――


高校を中退し、夢に向かって行った生徒を同じクラスの生徒が秋田まで行き、殺害したという事件だった。わざわざここ東京から秋田まで行ったと考えると計画的犯行と見て警察がずっと動いていた。


「石井子先生だいぶ痩せ細ってたらしいけどだいぶ持ち直したみたいだぞ。」


「そうか。ん?おい、下見たか?」


里騎太は見ていないと言いつつスマホを机に置き、そこを読んだ。


「逮捕された生徒は少年院に着き、2日で舌を切り自害した…。」


2人は何とも言えない気持ちになっていた。


カランカラン


「ん?おぉ、そこに居るのは西魏と相本か?」


聞き覚えのある声を聞き、振り返るとそこにはちょうど心配していた石井子先生の姿があった。


「あ、じゃああの席でお願いします。」


石井子先生は里騎太の叔母にお願いし、俺たちの席に着いた。


「あぁ、その記事読んでたか。」


2人は静かに頷いた。なんと言っていいのか分からなかった。特に担当のクラスの生徒2人が、と考えると非常に難しい。


「まぁ、亡くなった子はさ、秋田に行ったんだよな。1年生で高校を中退しますと言った時にはビックリして聞いたよ。その先は何するんだって。そしたらアイツさ、自堕落な生活がしてみたいって言ったんだよ。お前高一で爺さんみたいなこと言うなって言ってたけどあいつ的には本気だったんだよな。」


先生はふぅ、と一息着いた後再び口を開いた。


「加害者の子と被害者の子はそこまで関わりがあったようには感じなくてな。だったから事件が明るみになった時ビックリした。俺もどお怒っていいか分からなかった。加害者の子は何だか目に光が無かったんだ。普段は元気なヤツらと絡むような奴だったからな。被害者の子は友達が多分いなかったのもあった。けど特にイジメられてたりとかもしてなかったからなぜこの2人なんだって思うよ。」


「先生はこの後どーするんですか?」


里騎太が真剣に話を聞いたあと口を開いた。


「緑皇高校から異動が決まってるよ。まだ高校の名前は教えてもらってないけどな。」


「そう…ですか。」


里騎太は声がどんどん小さくなりつつ返事をした。


「まぁお前らに話を聞いて貰えて俺もなにか踏ん切りがついた。ありがとな。」


石井子先生はそう言うと席を立ち上がりカフェを出た。

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